柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.624 I love ”ずっこけキャラ”

私は“ずっこけキャラ”の人が好きです。いじられキャラ。その人の話題になると

みなの顔がほころびます。いざというときに“ヌケている”ので仕事上、困ることも

あるのですが、なぜか憎めない。そういうキャラの人が大好きです。

 

昔の私は違いました。“ずっこけキャラ”の人を心のどこかでバカにしていたと

思います。自分はああならないようにしよう、人から弱みを指摘されないようにしよう、

と思っていました。これが若い頃は特にひどかったと思います。社会人1年目、

京王プラザホテルで宴会サービスの仕事をしていたときに、先輩社員から

「柴田はいつも鉄仮面のような顔をしている。他人行儀だ。」と指摘されました。

そのときは、この方の指摘の意味がわからず、仕事とプライベートは別。

完全無欠の仕事ぶりを目指して何が悪いと思っていました。

 

その後、仕事はデキるようになっていきましたが、仲間ができません。こちらが

腹を割っていないので、相手も割りません。当然です。先輩社員たちはずいぶん

気を遣って飲みや競馬に誘ってくれたりしましたが、会社の外で職場の人たちと

時間を過ごすことを嫌い、断ってばかりいました。可愛くない社員でした

 

当時の私は周囲からある程度距離を置かれるような存在であった方がいいとも思って

いました。「白い巨塔」(古くは田宮二郎、最近では唐沢寿明)の戝前教授キャラが理想でした。

 

この考え方は外資コンサルティング会社に就職して悪化します。コンサルティング

会社のユニットリーダー時代の写真が出てきましたが、ひどく“突っ張った”顔をしていました。

 

これは間違いです。自分を強く見せたい、尊敬されたいという虚栄心の権化以外の

何物でもありません。

 

どんなに仕事がデキると自惚れていたとしても、周囲から愛されないキャラクターの

人は失敗します。大きな仕事はできません。このスタイルが間違いだったと

実感しているので、「入社1年目からの仕事の流儀」(大和書房)の中で

「チャーミングであること」を大事な3つのポイントの中に挙げました。

 

“ずっこけ”キャラの人が道を踏み外す典型は、生来“ずっこけ”なのに、完全無欠系を

目指すことです。しかも、自分に対して完全無欠であろうとするだけでなく、周囲にも

それを要求します。そうなると周囲との人間関係がギスギスします。管理職になったり、

後輩ができたときにそうなりがちです。

 

完全無欠系の人のポカや間違いへの周囲の評価は厳しいものがあります。笑えません。

指摘もできません。生来の“ずっこけ”系の人はやはり“ずっこけ”系なので、

いかに完全無欠であろうとしてもポカが出ます。“ずっこけ”キャラであれば、

“すみませーん”で済むものが、完全無欠キープのための言い訳をするようになると、

もうダメです。ヒトが離れます。

 

“ずっこけ”愛されキャラは魅力です。強みです。無理してキャラを変えることはありません

。どのような環境下になっても、その魅力を使いましょう。普通の人ではできることでは

ありません。愛される“ずっこけ”キャラを支えてくれる部下、仲間が現れます。しかも、

その“支え”業務は部下にとっては成長の場になります。

 

“ずっこけ”キャラと“迷惑なやつ”は違います。“ずっこけキャラ”は基本的に人に

対して誠実。自分の失敗を認めます。“迷惑なやつ”は自分の失敗を認めません。

“ずっこけキャラ”の悪口は悪口ではなく愛情表現。“迷惑なやつ”の悪口は“

なんとかしてくれよ”という不満の悪口になります。

 

 

おまけー1:「働きごこち研究所」の藤野代表は“自分を賢く見せるヤナやつ”から、

ナイスガイに変身した実例です。藤野さんの会社のWEBサイトリニューアルに際して、

彼の変化について対談しました。

 

http://www.hatarakigokochi.jp/news/2016/004.php

 

おまけー2:マードゥレクス社(明治神宮前明治通り沿い)近くで昼食をとるときに

いつも困ります。近くにパスタ屋があるのですが、超まずい。あまりにまずかったので

“なんらかの手違いだろう”と思って、再度行ってみたら超まずさ変わらず。

しかし、もう一回くらい行ってしまいそうな“超まずさ”。

 

おまけー3:18時半過ぎの打ち合わせの前に「**さん、肉は好き?」というメールを

出しました。このメールから私が叙々苑のカルビ弁当を持っていくことを想像できる人

は柴田のことがよくわかっています。(某S氏はこのやりとりの後にパンを食べていました。)

 

 

 

Vol.623 なんで新卒採用するの?

10月1日はいわゆる内定式の日でした。今年は1日が土曜日だったので、その前後に

内定式をする会社が多いと思います。私が会長を務める株式会社マードゥレクスでは

9月30日にやりました。

 

今日のテーマは「新卒採用の可否 ~ “なんで新卒の採用をするの?”」です。

 

新卒が組織の中に入ってきますと、組織が活性化します。新卒に変な姿を見せられない

として襟を正す中堅、もはや自分が一番下ではないとして独り立ちを意識する若年層など、

新卒の投入は組織の中に間違いなく良い影響をもたらします。また、学卒者に雇用の

機会を与えるという点からも新卒採用はやるべし、と思っています。

 

しかし、ちょっと待ってください。そもそも新卒採用は何のためにやるのか、新卒を

どうしたいのか、この辺りをアップデートせずに、これまでやってきたのと同じ考え方・

進め方でやっている企業が多いのではないでしょうか。今日のメルマガはそれについて

の問題提起です。

 

新卒採用の時期になると、多くの企業で当たり前のように新卒採用の準備を始めます。

大企業の「要員管理」という観点からすると新卒の一括採用は非常に便利な仕組です。

定年による退職で一定数の人たちが毎年辞めていきますので、ヘッドカウント維持の

ために一括で相当の人員を確保できるのはありがたいわけです。これは画一的な労働力

を大量に確保することが求められる製造業、サービス業、大規模システムエンジニア業で

適したやり方です。いや、やり方でした、と過去形で書いた方がいいかもしれません。

 

画一的な労働力というのは「顔のない採用」です。極端な話、人数(頭数)確保です。

事業を成立させるために必要な労働力を若くて(賃金が安くて)一生懸命やってくれる人が

来てくれればいいのです。サービス業や製造行の現場では、その昔は新卒を“使い捨て”

していました。「753」という話がありましたよね。中卒で7割、高卒で5割、

大卒で3割が入社3年で退職するというやつです。これを問題視する一方で、

安い人件費の人が一定期間で入れ替わってくれるのは人件費管理上ありがたかったわけです。

 

今後、この手の「顔のない採用」ニーズは「AI」の進展と共になくなっていくはずです。

実際、AIの話が出てくる前から人材活用に問題意識のある企業では違う考え方で新卒採用を

進めています。「顔がある採用」です。個々のキャリアアップをしっかり考えた採用です。

但し、個々のキャリアアップを語る前にその会社の中長期計画と求められる人材像が

整理されている必要があります。

 

まずは、自社のバリューチェーンの中でそれぞれのバリューを最大化するためにどのような

人材が必要なのか。これを質・量の両面で捉えましょう。その上で現状の人員を評価し、

過不足を解消するための施策を展開します。

 

更にはどの人材を会社としてプロパー(新卒から)で育てるべきかを考える。重要な視点は

「専門性・経験」と「組織“特殊関係資産”活用力」の掛け合わせが個人のパフォーマンスを

高め、かつ会社のパフォーマンスを高めるポジションを特定します。

 

ちなみに「組織“特殊関係”資産」とは、その会社における社内ネットワーク力、言語化

されにくい社内経験の蓄積のことです。その会社の商品へのロイヤリティの強さも含まれます。

 

次にそのポジションはどのくらいの年数で独り立ちできるのかを考える。その上で、今、

3年後、5年後、10年後において、計画している中長期戦略の事業規模を維持するために

何名育成しておくべきか。これを考えます。そこから新卒の採用計画を立てます。

 

それ以外は中途採用による欠員補充です。特に「組織“特殊関係”資産」の割合が小さくとも

パフォーマンスを挙げられる職種については中途採用により即戦力人材を獲得しましょう。

 

個々のキャリアアップですが、従来は「部長」「課長」に育成するためという発想が

多かったのですが、これは高度経済成長期の話。今は違います。今考えるべきは、

「専門性の高まり」です。「専門性の高まり」のキャリアアップの件は別に書きます。

(長くなってしまったので。)

 

 

おまけ:(このメルマガではパスのことはあまり触れてこなかったのですが、

9月27日に苦渋の決断をしました。皆様へのお知らせまで。)

 

http://www.pathway.co.jp/blog/20160927.html

 

しかし、へこたれてはおれません。やるべきことをやるのです。

 

 

 

Vol.622 一言多い

「一言多い。」これさえなければ・・という人が結構います。私もその一人であるという

自覚があります。気をつけないといけない点(がたくさんあるのですが)の一つだと

思っています。

 

言い争いが収まりそうになったときの「一言」。これで再炎上。更に激しい言い争いに

なってしまいます。駅やお店のトラブルでこの展開をよく見かけます。終わったはずが、

“コノヤロー”と。夫婦、兄弟、友人間でもよくあります。

 

上司が部下に注意をする場面でも同じようなことがあります。一通り注意が終わった後の

「一言」。これが部下の感情にとても嫌な印象を残します。その上司いかに適切な指摘・

注意をしたとしても、この「一言」のおかげで部下がそれを受け入れらない気持ちになります。

 

かつて、私の近くに大変不人気な女性管理職がいました。彼女が不人気であったのは、

部下への指導を終えた後、立ち去りながら、“いくらいってもダメ、死ね”、とか

“採用間違えた”という言葉を吐くからでした。彼女の指摘、指導は的を得ていましたし、

アドバイスもいい内容でした。しかし、最後の立ち去りながらの言葉がその前の全ての

指摘事項を感情的に上書きしていました。

 

あるとき、あまりの状況だったので、本人にそのことをフィードバックしました。

本人は憮然としてこう言いました。

 

「一言多いのは“気が済まないから”です」

 

伝えるべきことと自分の感情。どちらが伝わればいいか。冷静に考えると明白です。

「伝えるべきこと」です。自分の感情がそれを上書きしてしまうと指摘の意味がなくなります。

 

言わなくてもいいことを言ってしまう。この心理の底辺にあるのは「自分は間違っていない」

という強いエゴ(自我)と相手への「不満」です。その感情がなせる業です。

 

相手の主張を聞き、頭で理解したとしても、

自分の深いところで納得していないので「一言」言ってしまう。

 

自分に非があることがわかっているのに、

自分の深いところで「わかってほしい」というエゴがあるので「一言」言ってしまう。

 

相手に言うべきことを言った後に、溢れる自分の感情を押さえ切れずに「一言」言ってしまう。

 

これらを自制できたらいいですね。自分の周囲の人間関係のギスギスが減るはずです。

 

「自我」による悪さ、「不満」を引きずる感情。これらへの対処は自分を高める以外に

ありません。まずは、「一言」言ってしまう自分を客観視すること。「一言」言ってしまう

自分を恥ずかしいと思うこと。ここからです。これは意識しておかないと無理です。

繰り返し、自分に言い聞かせましょう。

 

それでも言ってしまうことがあるでしょうで。そうしたら、その度に自省する。

これを積み重ねていくしかないと思います。この反対にあるのが「余裕」だと思います。

余裕ある大人はエゴを自制し、不満を昇華させる術をもっています。

そういう大人になりたいものです。

 

 

 

おまけー1:とある件から「七年殺し」の話題に。聞いていた若者が“五郎丸選手?”。

これは世代間ギャップではなく間違いです。

 

おまけー2:ネーミングに弱いです。「地獄イカ」とか書いてあると、まず注文してしまいます。

 

おまけー3:「入社1年目からの仕事の流儀」。9月22日に配本されました。内定者を含め、

社会人経験3年目くらいまでの方が対象です。お近くの若者にどうぞ。

 

https://www.amazon.co.jp/%E5%85%A5%E7%A4%BE1%E5%B9%B4%E7%9B%AE%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E4%BB%95%E4%BA%8B%E3%81%AE%E6%B5%81%E5%84%80-%E6%9F%B4%E7%94%B0%E5%8A%B1%E5%8F%B8/dp/4479795421/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1474328682&sr=8-2&keywords=%E5%85%A5%E7%A4%BE1%E5%B9%B4%E7%9B%AE%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E6%B5%81%E5%84%80

 

 

 

Vol.621 3つのWHY?

「3つのWHY?」をご存じですか? 

商品開発や企画など提案を考える際に自問すべき基本です。

 

  1. なぜ、この提案が「買い手」にとって良いのか?
  2. なぜ、自分たちが「買い手」にとってベストパートナーなのか?
  3. なぜ、「買い手」は(買うことを)今、決めるのがよいのか?

 

この3つのWHY?について納得できる回答を用意できると、その提案は「買い手」に刺さります。

 

最初の、“なぜ、この提案が「買い手」にとっていいのか?”、これは基本中の基本。

これがないと提案にも何もなりません。

 

自社の強みや商品・サービスの特性を並べたところで意味がありません。「買い手」が

買いたくなるような要素がなければ、「その他多くの情報」と一緒です。自分に関係の

ない情報は無と同じ。刺さりません。だからこそ、提案を考える上で「買い手」のことを

よく知るというプロセスが大切なのです。

 

顧客の購買履歴を分析したり、RFM分析(顧客の購買行動を「最終購買日(Recency)」

「購買頻度(Frequency)」「累計購買金額(Monetary)」の3つの指標から分類し、

顧客の選別と格付けを行うこと)をするのは良いのですが、それだけでは足りません。

顧客像がイメージできていないと刺さる提案にはなりません。

 

顧客像を具体化する手法としてペルソナづくりはおススメです。ペルソナとは自社の商品・

サービスを買う理想の顧客像のこと。属性情報に留まらず、顧客の行動・生き様を

イメージするものです。そこから、なぜ、その行動をとっているのかを想像します。

 

私が会長を務めるマードゥレクス社(化粧品製造販売)の「エクストオイルクレンジング」が

好調です。VOCEのクレンジング部門で6月の月間ランキング第1位でした。

 

この商品のペルソナはこんなイメージです。

 

-どんなに忙しくても、いつでもきれいでいたいと思っている働く女性です

-年齢による気になる部分をしっかりメイクで隠したいと思っている人です

-管理職であったり、人前で話す機会が多い営業・マーケティング・人事の採用担当者です

-毎日忙しく動いています

-自宅に戻ってシャワーを浴びながらクレンジング。すぐに家事が待っている人です

-深夜に帰宅して、翌日朝早く出勤しないといけない人です

-国内外の出張が多い人です

-自分で使う化粧品に多少のこだわりを持っている人です。

-乾燥からの小ジワが気になりだしています

 

この人たちの困りごとの根幹は「時間がない」「お肌の劣化を防ぎたい」です。

 

「エクストオイルクレンジング」はこのペルソナのお客様にとってみると「時間をセーブ

できる「お肌のケアができる」商品なのです。これらが、“なぜ、「買い手」にとって

良いのか?”の答えであり、ご支持いただいている理由です。

 

その次の「なぜ、買い手にとってベストパートナーなのか?」。ここは同じような

商品サービスを提供している会社はどの業界においても多々あるわけで、その中で自社が

選ばれる理由です。顧客価値そのものです。

 

“安い”から。これを顧客価値にするのは大変です。原価や販管費を合理的かつ他社では

真似できない仕組みで低減しませんと苦しくなるだけですから。顧客が価値と感じるものを

提供できるかどうか。ここです。

 

ここまで「買い手」が納得できる理由が整理できたら、あと一歩。最後の“なぜ、今か?”

 

ここでキャンペーンなどの価格訴求はありです。ただ、本質的には今、意思決定すると

顧客価値が高まる、というのが理想的な答えです。

 

「3のWHY?」、ぜひ意識してみてください。役に立つはずです。

 

 

 

おまけー1:忙しいけどお肌の手入れはちゃんとしたいと思っている貴女。

ぜひ、一度使ってみてください。 お役にたてると思います。

 

http://madrex.com/promotion/2016/oilcleansing/

 

 

おまけー2:9月26日の(月)の「入社1年目からの仕事の流儀」出版記念講演の

参加申し込み受付中です。対象は社会人になって3年目までの方ですが、

付き添いとして“そうでない方”の参加もOKです。(若者を連れてきてください。)

 

https://indigoblue.co.jp/library_event/

 

 

おまけー3:「指何本ですか?」「10本」。

このやりとりの後に「エビのフリッター」が10本出てくるとは。

 

 

 

Vol.620 始まりは婚礼の仕事

先日ひょんなことから「Wedding womanフェスティバル2016」なるイベントで基調講演を

させていただきました。結婚式場、レストラン、ホテル、ウエディングプランナーなど、

結婚産業に携わるプロの女性たちを対象としたイベントです。例の台風の日でしたので

開催が危ぶまれましたが、100名を超える参加者でした。

 

そもそも、ウエディング業界のイベントでなぜ私なのか。当初は主催のWedding-jobの

石渡社長にお断りしたのですが、私がホテル業界出身であること、ウエディング業界に

努めるアラサ―女性たちに共通したキャリア上の悩みがあること、石渡さんとは長い

付き合いであること、等から最終的にはお引き受けすることにしました。

(ついでに私が会長を務めるマードゥレクス社の化粧品のご紹介をさせていただきましたが。)

 

そうなのです。私は社会人になって1年9か月ほどホテルで宴会サービスの仕事をしていました。

当時、ホテルで結婚披露宴を挙げるのがブームだったので、土日祝日は間違いなく

結婚披露宴を担当していました。

 

私の役目は全体の進行管理です。参列者の誘導、新郎新婦の入退場、スピーチや出し物、

加えて料理・飲み物のサービスのタイミングの合図出しが仕事です。進行に影響を

与えうるあらゆる事への対処が役割です。

 

2年弱で150件程度担当したと思います。加えて、一時期、休日に披露宴の司会を

たくさんやっていました。最初は友人・知人の披露宴で頼まれてやっていたのですが、

そのうちにその披露宴に出席していた人から頼まれ・・・となんだかわからない展開に

なりました。通算で63件やりました。

 

あるとき、司会終了後、参列されていた親族の方から名刺交換を求められ、「

マーサー社長」の名刺を出したところ、“マーサーさんというのは司会の会社なんですね。

”とブランディング上問題ある反応だったので、これを機に辞めました。(笑)

 

披露宴は2時間半の予定が3時間、4時間になってしまうことも多々あります。1日2回転が

当たり前でしたので、昼の部が押してくると夜の部の関係者が来てしまう。関係者からすると、

お祝いの席です。粗相があってはいけません。いかにバタバタしている様子を見せることなく、

お迎えできるか。全ては段取りにかかっていることを学びました。

私にとっては非常に強い原体験です。

 

また、披露宴というイベントではいろいろなハプニングが起きます。しかし、

そのハプニングを披露宴に影響させるわけにはいきませんから、最大級の機転が

求められます。まさにOT(有事の体験型ケーススタディ)的展開がてんこ盛りでした。

これもその後の私の糧となりました。

 

私が体験したハプニングの一例です。

 

・ウエディングケーキ入刀の際に「ナイフ」がなかった

・新婦がメインの高砂テーブルでトイレが間に合わずお漏らしをした

・“2次会のお知らせです”と言って新郎の昔の彼女が会場の外の廊下で「告発状」を配った

・新郎新婦の婚前旅行の写真を見て、新婦の父親の血圧が上がって倒れた

・披露宴が延びたためにプロの司会者が途中で帰った

・大雪で新郎が来れず、披露宴開始が8時間遅れた など等

 

Wedding-job社長の石渡さんと話しているうちに、“そうか、自分はウエディング事業を

通じて学んだんだ”と痛感して、今、ウエディング事業に関わっている若者たちが

困っているのであればお役にたちたいと思ったのです。

 

しかし、今思い返しても冷や汗ものの対応でした。こういう経験を若いうちにできたのは

本当に良かったと思います。

 

この手の私の社会人になったばかりの頃の経験談入れながら、社会人経験3年目くらい

までの方を対象とした「入社1年目からの仕事の流儀」という本を出します。

9月20日配本と聞いています。

 

例によって六本木ヒルズのアカデミーさんのご好意で「出版記念セミナー」を

やらせていただくことになりました。

 

9月26日(月)の夜です。アカデミー会員以外に特別に75席開放いただきました。

みなさんの周囲の若者(社会人になって3年目までが対象)で、柴田の話を聞かせたい

という人がいましたら、以下のURLからお申込みください。ご招待します。

もちろん、メルマガ読者で社会人年齢3歳以下の方は歓迎します。(先着順とします。)

 

https://indigoblue.co.jp/library_event/

 

 

おまけー1:Wedding womanのイベント会場への移動時間が少なかったので秘書のSさんが

タクシーを手配してくれました。神谷町のビルを出たところ、待っていてくれたのは

超高齢の運転手さん。

 

“行先ご存じですか?”と聞いたところ、

“はい。でも知りません。”と。 げげと思って、住所と伝えたところ、

“ナビの使い方わかりません”

 

モニタリングかと思う展開でした。(それでも定刻前に会場入りできました。なせばなる!)

 

 

おまけー2:自宅近くのコンビニ店の店員は外国人留学生が主。

名札を見ると「ンコ」さんだったり、「ハゲ」さんだったり。

日本人店長、名前呼ぶの困るだろうなあ。

 

おまけー3:Amazonプライム会員へのサービスすごいですね。

しかし、これは関係業界にとっては、明らかに“デストロイヤー”です。

 

 

Vol.619 取り返しがつかないこと

「取り返しのつかない事になってしまって・・・」

 

吉田沙保里選手がリオ五輪の決勝後のインタビューで語った言葉です。

何度もTVやSNSで流れていたので、みなさんご記憶にあると思います。

 

取り返しのつかないことをしてしまった・・・。誰でも経験があると思います。

あの時、こうしていたら・・・。後悔先に立たず。昔に戻って人生をやり直すという

テーマのTVドラマ、映画や小説がたくさんあります。

いかにこの“やり直す”願望が強いことか。よくわかります。

 

しかし、過去は変えられません。どんなに辛い想いであったとしても過去は過去。

今をしっかり生きる以外の処方箋はありません。今をしっかり生きていれば、

心ある人たちは過去を問わないはずです。

 

ビジネスにおいてもそうです。あのとき、撤退を決めていたら・・・、あのとき、

担当者を変えていたら・・・、あのとき、しっかり目を光らせていたら・・・。

 

結果が出てしまうとどうしようもありません。過去には戻れません。“あのとき・・・

していたら”。これはすべて自分に帰ってきます。

 

気になる点は多々ある。しかし、担当者は一生懸命やっている。もう少し様子を見よう。

 

意思決定者であれば誰もが経験する悩みです。

 

この判断が結果として正しかったのか、間違っていたのか。これは誰にもわかりません。

結果だけで判断できるものでもありません。

 

結果とは「自分でコントロールできる要因」と「コントロールできない要因」により

もたらされるものです。コントロールできる要因を全て完ぺきにしたとしても、

コントロールできない要因のために結果が伴わないこともありますし、その逆も然り。

たいして努力していないにもかかわらず、環境要因で成功してしまうこともあります。

 

となると、「自分でコントロールできる要因」を納得するまでやっておくこと。これ以外に

ありません。「あのとき・・・たら」という想いが出るのはそこが不十分だからです。

 

一番問題なのは、やると決めたことが実行されていないことを知りながら、意思決定者が

それを放置することです。特に指示命令したわけでなく、現場がやると決めたことを

やっていないことがわかったら動くべきです。それをせず、結果がNGの場合に

“あのときに・・・”という後悔が残ります。

 

意思決定者に後悔の念がある失敗ごとは意思決定者の責任です。担当責任者の問題では

ありません。仮に担当責任者が力量不足であったり、やる気が不足していたとしても、

意思決定者は“代える”というアクションを採らなかったわけですから、意思決定者の

意識の問題です。

 

個人で動くことでもそうですね。あ、あの人に連絡をとろう、この提案をしよう、

明日これをやろう・・・、思いついたことをやっているかどうか。思ったとしても

行動に移していないと何もやっていないことと同じ。思っただけに後で悔しい思いをします。

ここは意識してやっていかないと、“まあ、いいか”という悪魔のささやきに負けます。

 

 

・・・と偉そうなことを書きましたが、これは(いつもそうですが)自分への戒めです。

まだまだです。(反省の連続であります。)

 

 

おまけー1:記憶に残っている最初の「取り返しのつかないこと」は小学校1年生のときの

出来事です。当時なんと、男女のトイレが一緒でした、ノックせずに個室の扉を開けて

しまったところ、そこに、とても仲の良かった女の子が。その後、その子との関係が×に・・・

 

 

おまけー2:その次の「取り返しのつかないこと」は小学校3年生のときです。

自宅の軒先で「ボウフラ」を大量に孵化させたことです。信じられないくらい蚊が

発生しました・・・(この手の思い出は枚挙にいとまがありません。)

 

 

おまけー3:社会人になって間もない(3年以内くらいでしょうか)若者が

“取り返しのつかないこと”にならないようにと「入社1年目からの仕事の流儀」という本を

書きました。9月下旬に配本されます。

 

内定者や入社1年目のふりかえり研修の参考書として大変おススメです。

ご希望の方は以下よりお申込みを。

 

https://indigoblue.co.jp/pre_order/

 

 

 

Vol.618 仕事がデキるだけの”逆さ剣山”の見極め

仕事は抜群にデキる。但し、ヒトが離れていく人がいます。

 

上司からすると、信頼できる部下の代表格です。難しい案件であっても、そつなく

こなしてくれます。顧客の評価もすこぶるいい。常に顧客の期待を上回る仕事をします。

大型案件の獲得、クレーム対応、見事なものです。

 

しかし一緒に働くメンバーが去っていきます。

 

優れたリーダーは、“周囲に影響を与えて組織を動かす人”です。その人の日常的な言動、

存在感から周囲が感化され、1から10まで指示しなくてもメンバーが適切に動く。

そういうチームを創れる人が優れたリーダーです。

 

優れたリーダーは抜群に仕事がデキます。これなしには周囲がその人の影響をうけません。

一緒に働く人が目標にしたい、あんな風になりたいと思うだけの力量があってこその感化です。

これは専門性である必要はありません。むしろ、マネジメント力、問題解決力、交渉力、

プレゼンテーション力等のポータブルスキルです。その凄さが、“あんな風に仕事が

デキるようになりたい”と周囲に思わせるのです。

 

但し、これだけでは本当の意味での優れたリーダーにはなれません。

もう一つ、決定的な要素があります。一緒に働くメンバーが“自分のことをわかってくれる人だ”

 と思うかどうか。これです。仕事力だけではく、人間力が問われているのです。

仕事が抜群にデキたとしても、ここが弱い、または“無い”と人が離れていきます。

 

この人には変なことをされない、という安心感がないと心を許して仕事ができません。

誰しも得手不得手があります。弱点もあります。弱点を見せたら最後、何かのときに

“刺される”という恐れがあると、常に一定の距離感をもって接することになります。

そうなると、仕事面で学ぶことがなくなったと判断したときにヒトは離れていきます。

 

自分のことを育てようとしてくれているのか、いざというときに守ってくれるかどうか。

それとも、“駒”なのか。一緒に働いているメンバーは感覚的にわかっています。

後者の場合、そのチームがどんなに良い仕事をしたとしても、仕事が終われば関係性も

おしまいです。

 

「仕事がデキるだけの人」は上には大変良い顔を見せます。上へのメールの返信も早いですし、

痒いところに手が届くような仕事ぶりです。ホスピタリティとは「相手が欲することを予

見して動くこと」ですが、上からすると申し分のないホスピタリティを発揮してくれます。

(滅私奉公です。)

 

しかし、下に対しては異なる人格で接し、使い倒します。こんな人のことをある方が

「逆さ剣山」と表現していました。うまい表現です。自分のためにいい仕事をしてくれる

人が「逆さ剣山」かどうか。この見極めをしないと、トップの人を見る目が疑われます。

こういうところから組織感情がおかしなことになるので要注意です。

 

「人が離れていくかどうか」。これが判断材料になることは間違いないのですが、

離れていくメンバーに問題があることもあります。こんな事例がありました。

あるリーダーを新たに採用した後に多くのメンバーが離れていきました。すわ逆さ剣山か、

と思ったら違いました。そのメンバーたちは、長年にわたって“甘やかされていた”ために、

まっとうなリクエストを“まっとう”と感じられなくなっていたのです。なによりも、

その新しいリーダーは過去に一緒に働いた人たちに強烈に慕われている人です。

そういう関係性を築いてきた人がおかしなことをするわけがありません。

 

過去の評判も良くない、メンバーたちの様子もおかしい(目を合わせない、会話がない等)

の場合には、どんなに良い業績を上げていたとしても外した方がよいでしょう。

そうしないと組織全体がおかしなことになります。この見極めは上の大事な仕事です。

 

ちなみに、ホットライン系の内部通報は“仕組まれている”こともありますので、

鵜呑みしませんように。

 

 

おまけー1:自宅近くのお店(飲食、ファッション系)が次々に閉じています。

顔を合わすと立ち話をする間柄だけに非常に寂しい。街が変わっていくとはこういうことか。

 

おまけー2:台風が都内を通過したその時間帯にアポあり。普通は「見送りましょう」と

連絡があるはずですが、その連絡なし。自分が設定したアポなら絶対に連絡するのに。

ということで傘を横にさして出かけたのでした。

 

おまけー3:絆創膏ダイエットに挑戦。すぐに1キロ落ちたのでびっくり。

しかし、その後変わらず・・・。あれは1キロだけなのかもしれません。

大きな絆創膏を貼ればいいのでしょうか。