柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.678 パロマの大変貌に感動

聞いてください。

 

猛烈に感動しました。パロマという会社に、です。

パロマは日本を代表するガス機器製造販売会社です。

 

2006年7月14日、奈落の底に落とされます。過去に製造した瞬間ガス湯沸かし器による

死傷事故問題が勃発したのです。同様の事故に関して過去に勝訴していたこともあり、

当初「自社製品の問題ではなく、不正改造が原因」と対応したところ大炎上。

社会問題化しました。

 

私はこの問題の第三者委員会の副委員長でした。

 

当時のパロマは極めて閉じた会社で、かつオーナー絶対主義の会社でした。工場は汚く、

暗く、床には得たいの知れない液体がこぼれたまま。営業所も狭苦しいところでした。

そこに、この死傷事故問題が勃発。連日のようにマスコミでパロマ叩きが行われていました。

機器の回収・点検、クレーム対応。それこそ営業どころではない状態になりました。

会社の雰囲気はさらに重苦しく、社員もみな下を向いていました。

 

そんな中、“このままでは会社が本当にもたない”という切迫感から、次世代を担う

であろう若い社員たちと社長と未来のための合宿を行いました。会社を本当に変えよう。

変えないと明日がない。そのとき「パロマ課題構造“曼荼羅図”」というものを作成しました。

 

“ここにすべての問題が凝縮している。負のサイクルが発生し、このままでは会社の根幹

である「人」が潰れてしまう。この“曼荼羅構造”を変えよう!“ 

 

それがそのときの参加者全員の合意事項でした。

 

そして事故から11年半が経過。当時、私のサポートをしてくれていた人が取締役に昇任しており、

その方のお招きで久しぶりにパロマ本社(名古屋市瑞穂区)を訪れました。

 

全部変わっていました。会社に到着して、しばらく呆然としました。

 

本当に全部です。明るく開かれた会社になっていました。すれ違う社員たちの表情も明るく、

社内もピカピカに清掃されています。社内を流れる空気が違っていました。

 

最初にやったことは工場のトイレの改修だったそうです。そして、食堂。温かい食事が

とれる施設ができました。コールセンターは社長室の隣。全員社員です。コールセンターに

寄せられるすべての声に誠実に対応し、本当に商品開発、改善に役立てています。

 

本社内に「失敗からの学び」と題した、社員向けの展示があります。特別に見せてもらいました。

2006年の問題を含め、それ以外のリコールなど、設計上・生産上の失敗に始まり、労災、

営業車での事故など会社や社員が関わる失敗事例を展示しています。

 

ここにいくつか小林社長による宣言が書かれているのですが、その姿勢に猛烈に感動しました。

経年劣化、使用者の誤使用、施工の不具合、これらをすべてメーカーの責任と捉え、

問題が起きないように努力する。素晴らしいです。製造業の多くがアセンブリメーカーに

なりつつある現在、パロマでは全部品を自前で作っています。

コストを考えていたらできることではありません。

 

“この10年の歩みと再建の様子を世の中に訴求しないのか?”と聞きましたところ、

“会社の姿勢について、自分たちから声高に言うものではないと考えています。

それはお客様や世の中が決めるものです。”というお返事。

 

これにも痺れました。言うのではなく、態度で示す。素晴らしい。

 

合宿参加メンバーの一人が常務に昇進していました。

 

“この柴田さんがまとめてくれた曼荼羅図、先週の経営会議でも再度確認したんですよ。

気を抜くと昔に戻ってしまいますからね。”

 

涙が出そうになりました。

 

 

おまけ:2月8日(木)に「論理的思考力」「対人感受性」「折衝力」「提案力」

「総合的な営業力」と「文章表現力」を 実践するリアルタイム・シミュレーション

「B6G(Business 6 gates)のトライアルを開催します。

 

インターン・新卒の評定、内定者の実力診断、新人教育のために開発しました。

この機会にぜひ、お試しください。

 

詳細、お申込みはこちらから。

 

https://indigoblue.co.jp/b6g_trial/

 

 

 

Vol.677 人が休んでいるときに働いてくれている人がいる

あけましておめでとうございます。年末年始はいかがお過ごしでしたか?

 

お正月の恒例行事となった“アカスリ”に出かけてきました。昨年もそうでしたが、

お正月のサウナの客層はアングラ演劇の世界です。よもぎサウナでなにやら密談する

ロシア人の二人組。一言も声を発せずドライサウナに長時間入っている背中に紋々の方々。

水風呂ではグルメレポーターと称するぽっちゃり系のおじさんと「じゃあ、うちの店に

来てください」と話す飲食店勤務の二人組。ロッカールームでは誰とも目を合わせることなく、

タオルの回収をする司法浪人風の若者。受付でうたた寝しつつも電話が鳴るとパー子さん的

応対をする韓国人女性。実に濃い空間です。

 

今年は29日から4日まで完全OFFでした。実家で母親から「優雅になって良かったね」と

言われました。確かにこんなに続けて予定がなかったのは記憶にありません。社会人の

スタートはホテル勤務でしたから、年末年始は当然に仕事。年末年始プランの対応と富士の間

という42階の宴会場で「ご来光でございます」と声を出す係をやっていました。

外資系コンサル時代は本社が稼働するので2日から仕事。雇われ経営者としての修行時代は、

なんやかんやで年末ぎりぎりまで予定が入っていたり、年始早々に動かねばならないことが

あったりしました。今回はのんびりです。

 

毎年この時期になると思います。人が休んでいるときに働いてくれている人たちがいる。

ありがたい、と。彼らからすると通常勤務なのでしょうが、やはり年末年始は特別です。

数年前のジョージアのCM「世界は誰かの仕事でできている」を思い出します。

 

年末年始でも宅配は休みなし。出前も普通に1月1日から届けてくれます。コンビニや

24時間営業のスーパーは年末年始関係なくやっています。六本木ヒルズは1月1日から

営業でした。マンションの受付の女性陣はお休みですが、警備の人たちは休みなし。

ゴミ置き場も大晦日はゴミの山でしたが、4日にはきれいに整理されていました。

 

ありがたいことです。

 

陸王」の影響もあり、ニューイヤー駅伝(祝 旭化成優勝!)、箱根駅伝を見ましたが、

給水地点で伴走しながら声をかける裏方の姿に胸を打たれました。表舞台で活躍できるのは

裏で支えてくれる人がいてこそです。

 

次世代経営人財の育成をしていますが、上になればなるほど、多くの人たちが支えて

くれていること、だからこそ、裏方への感謝を忘れるべきではないこと、これらを

候補者の心に刻みたいと改めて思いました。自分のパフォーマンスを上げることにしか

目がいかない人は支える人たちがいなくなり(ついていけなくなり)、いずれ

力尽きてしまうものです。次世代人財もそうですが、現役で長らくトップの座にいる人にも

このことを思い出していただきたいものです。特にオーナー企業ではそう。

支えられていることを忘れがちなので。

 

本年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

 

おまけー1:新年早々、Indigoblueの仲間たちとご祈祷に。“代表の方どうぞ”と言われて、

いつもどぎまぎします。ご祈祷をあげてくれている神職さんは「2礼、2拍手、2礼」

してるので余計焦ります。最後は1礼か、2礼か。

 

おまけー2:某所のサンマルクのトイレは使用中に外に「使用中」のマークが出ず、

かつ便器と扉の距離があるので、ノックされてもノック返しができません。さすがに

「入ってまーす!」と大声を出す人はおらず。さっきから扉をガチャガチャやっている

お客が数名。次回行くときに長い棒を差し入れておこう。

 

おまけー3:昨年見た動画メッセージの中で柴田的に最も心を動かされたもの。

ユーミンの曲もパワーがあるが、メッセンジャーの5秒のパフォーマンスに心動かされます。

(特に2016年のPart2)

 

http://www.nhk.or.jp/tokyo2020/change/messages/

 

 

 

 

Vol.676 本当のチームワーク

あっという間に年の瀬。22日(金)はIndigoblueの忘年会でした。

OT(Organization theater)で活躍してくれている役者陣も含め60名超のメンバーが

参加。都合により参加できなかったメンバーを入れると仲間が100名近くなりました。

大きくなったものです。

 

さすがに芸達者揃い。ショータイムがえらく盛り上がりました。

(私の無理なリクエストによる)南京玉すだれ、アニメソングショー、エア空手、

英語落語、ドリフ的なコント等・・・、これ以外にも仲間にダンサー、全国ツアー

しているディズニーソングの米国人歌手もいますので、

来年はもっともっと盛り上がるでしょう。

 

Indigoblueのメンバーのほとんどが副業(どっちが正業かわかりませんが)を

持っています。つまり、複数の役割をいろいろな会社、組織で持っていることになります。

そうであっても(もちろんですが)Indigoblue案件では、それぞれの役割をきちんと

果たしてくれます。いわば目的志向のチームです。

 

案件ごとにメンバーも変わります。私はIndigoblueの創業者で現在は代表取締役会長

ですが、某財団の事務局長ですし、某企業の社外取締役ですし、アドバイザーですし、

これ以外にも柴田励司事務所の活動もあり・・・と、いろいろな顔があります。

 

こういう組織形態はまだ珍しいと思います。日本の組織の多くは関係性志向です。

誰が上司で誰が部下か。これを気にします。上下の関係性がはっきりしないと動けません。

動くにあたって「上」の指示を求めます。自分の考えはともかく「上」の指示に従う

というやつです。目的ではなく「上の指示を果たす」ために動きます。

 

そうでありながら、多くの組織では「上」に対する不平が多いものです。

“決めない”“方向性がぶれる”“。ときに「上」は言い訳にも使われます。

”上がこう言っているので・・・“”上がわかってないもんですから・・・“。

「上」なるものは組織運営上、実に都合のよい存在です。

 

目的志向の組織は違います。指示命令する「上」はいりません。「取りまとめ役」は

必要です。ファシリテーションはします。指示命令がないのは、その必要がないから

です。何をやるべきか、目的を理解したら個々がそれぞれに動きます。もちろん

情報の共有、進捗の確認は必要です。正しいとか正しくないとかとは別の次元で

チームとしての意思決定をしなければならないときには、そのチームのリーダー役が

それを決めます。

 

Indigoblueでは全員が会社に揃うことはまずありません。関係者全員が来てしまうと

席が圧倒的に足りません。Indigoblueのような仕事では会社は「価値を生む場」

ではありません。顧客のところ、創造する場、これが価値を生む場です。

管理担当や秘書にしてみると会社は価値を生む場ですが、こうした役割の方を除くと

“来ないでいい”。それが私のメッセージです。

 

目的志向のチームとなれば、時間管理は当然ながら個々の責任です。仕事の品質も

そう。もっというなら、その人が男性だろうと女性だろうと、外国人だろうと、

LGBTだろうが、発達障害系だろうが、関係ありません。目的が達成できればいいのです。

そのためのベストチームであればいいのです。

 

関係性志向のチームワークは和太鼓のようなものです。複数の太鼓を同時に叩いても、

“ドン!”という音に融合されます。一つの音に融合することを求め、それにみなが

合わせるものです。だから多様化が進みにくいのです。目的志向だとハーモニーです。

いろいろな音が奏でられます。ドミソがあり、ドファラがあります。

わたしはそれこそが本当の意味での「チームワーク」だと思います。

 

これが可能なのはメンバー一人ひとりが「価値創造者であり価値提供者」という

自覚と誇りがあるからです。こうした自覚と誇りを持てるだけのスキルをつけること、

経験を積ませること、そして、このための動機付け、これらが会社が目すべき育成の

姿だと思います。こうしたことに着手せずに「働き方改革」ならぬ「残業統制」を

しますと、管理職がバタバタ倒れます。

 

大企業では、そろそろ、4月に入社してくる新人教育の企画を仕上げる頃と思います。

本当の意味でのチームワークができる人財づくりをしましょう。最初が肝心。

 

 

本年最後のメルマガです。本年もご愛読ありがとうございました。

年明けは1月7日の予定です。 よいお年をお迎えください。

 

 

 

おまけ:冬本番、こういう景色を見てみたいですね。

https://www.jalan.net/news/article/207345/

 

 

 

Vol.675 スキルを仕事資産にする

 

月刊誌The 21一月号「40代でやっておくべき11のこと」のP19 から3ページにわたって

コメントしています。12月9日発売。まだコンビニ、書店で発売中と思います。

よろしければ、ぜひご覧ください。

 

おまけで動画も撮りました。

 

https://shuchi.php.co.jp/the21/detail/4561

 

この取材のときに言い忘れたことがあります。それは「仕事資産」のことです。

 

私は「講演」を生業にしておりませんが、年間40回くらい講演しています。

このため、仮にいきなり2時間講演してくれ、と言われたとしても大丈夫です。

特に準備は必要ありません。PCとプロジェクターがあればすぐにやれます。

また、私は「ファシリテーション」を生業にしているわけではありませんが、

いくつかの確認ポイントを押さえることができれば、どこででもファシリテーション

できます。ちょっとしたエッセイを書いてくれ、書評を書いてほしい、というリクエス

があったとしてもPCさえあれば、すぐに対応できます。

 

これらは「人前で話す」「議論をファシリテーションする」「文章を書く」というスキルが

「仕事資産」になっているからです。この資産を運用してアウトプットしているのです。

そのため、多くの場合、新たな投資(時間投入、努力)は最小限で済みます。

 

これらはいずれもポータブルスキルという、どの会社に所属しようが、どの仕事に

就こうが必役に立つスキルです。このスキルを一つでいいので自分の「仕事資産」に

すること。これが40代までにやっておくべきことです。(PHP編集部のみなさん、

言い忘れてごめんなさい。)そのスキルを駆使したアウトプットに価値があると

認められること。つまりは、社内外からオーダーがかかること。そうなると

スキルが資産化します。

 

ポータブルスキルは、このほかにも「相手の表情を読み、表情で語る」「情報を整理し、

構造化する」があります。(詳しくはThe 21 1月号をご覧ください)このうち、

「情報を整理し、構造化する」スキルはファシリテーションスキルの基礎となります。

ここはコンサルティング会社時代に相当修行しました。それが生きています。

 

「相手の表情を読み、表情で語る」。これはまだ資産にはなっていないという

自覚があります。数年前からこれらに長けている方々の様子を“パクリ”ながら、

自分なりの型を開発中です。

 

ポータブルスキルが資産化していないと、どうなるか。まず常に自分のアウトプットに

不安があります。また、アウトプットを出すために相当の労力と時には時間を要します。

これは疲れます。大企業などでポータブルスキルを鍛えることなく、部署を転々として、

その部署でしか使えない知識やスキルを駆使して仕事をしてきてしまうと、「仕事資産

」なしに50代を迎えることになってしまいます。そうなると悲劇。会社にしがみつく

晩年になってしまいます。

 

こればかりは自分で意識して取り組まないと鍛えることができません。ということで、

“やばい!”と思ったアラフォーの方々、来年をこれまでと違う1年にすべく準備を

始めましょう。ちなみに、この「仕事資産」、手入れしないとすぐに減損します。

ということで、私も鍛錬の繰り返しですが。

 

 

おまけー1:Amazonプライムで「初代ウルトラマン」が無料だったので見てみました。

小さい頃は科学特捜隊が役に立っていないと思っていましたが、いやいや、それなりの

破壊力をもった武器がありましたね。その武器で解決してくれればウルトラマン

怪獣と戦って街を破壊しないで済むのに。

 

おまけー2:先週半ばからひどい下痢になってしまい、絶食状態に。

(月曜の寿司が怪しい)そんなとき、自宅のトイレットペーパーがラスト1に。

明日にはアマゾンから18ロール届くとわかっていても、得も言われぬ不安あり。

こんなときに勝負師としての立ち位置がわかるものです。

(私は今日中に4ロール買う派です。)

 

 

 

 

Vol.674 ”全力自由人”宣言

先日、数年ぶりに会ったマーサー時代の同僚から「柴田さん、雇われ経営者を降りて

どうですか?」と聞かれました。「100倍幸せな毎日だ。」と即答しましたが、

まさにその通り。今は“全力自由人”として毎日を楽しく過ごしています。

 

自由人とは、自分の時間を自分で設計して、自分で価値をデリバリーしている人のこと。

「時間」には当然、仕事もプライベートも含みます。2007年からの10年間は自分で

決めたとはいえ、“修行期間”でしたので、それなりの制約がありました。

今はありません。名実ともに“自由人”になれました。

 

ここに「全力」をつけているのは、何事に対しても全力で向かいたい、向かわねば

ならない、と思っているからです。

 

自由人になって、交流範囲が格段に拡張しました。従来のスコープ(仕事範囲)を

超えて、いろいろなことに関わるようになったので、これまで会えなかった人、

会ったことがなかった人にバンバン会えるようになりました。これがすごくいいです。

特に各方面のプロフェッショナルの方々とお会いする機会が増えたのがいいですね。

大いに刺激を受けています。

 

誰もが知っているその道の第一人者の方が「毎日が8月31日状態」であることを

知りました。華やかに見えて実はたいへんな毎日。それでも意欲的にアウトプットを

出し続けているバイタリティに、自分はまだまだだと思いました。遠慮しないで

どんどんやろうと思いました。

 

誰も私が遠慮していると思っていないかもしれませんが、実は“やりすぎ”に

ならないように自己調整していました。“やりすぎ”なんてない。

自分にブレーキをかける必要はない、と思いました。

 

彼ら彼女らは、まさに“全力自由人”です。私もその一人になりたいと強く思いました。

 

もちろんこれ、長く働くという意味ではありません。目指すは単位時間あたりの

アウトプット価値の最大化です。このためには、質を上げ続けるためには

インプットも休息も必要です。

 

先日、都内と栃木で私が開発した「Business 3 Gates:通称B3Gというショート

プレゼン、交渉、説得力を実践するプログラム」が同時に開催、同じ日に別の都内で、

やはり私が開発したOT(体験型ケーススタディ)が行われていましたが、柴田はその

どれにも出番がありませんでした。素晴らしい。これぞ理想的な展開。

 

Indigoblueのメンバーたちが、かつて私が作成した資料をコピーして、提案したり、

デリバリーしている姿を見て、どんどん開発しようと思いました。そこに私の使命あり。

 

また、「柴田の講演を聞いた、本を読んだ、お会いしたい」という声にもこれまで

以上に応えるようにしています。意欲あるが様々な理由から惑っている若者たちの話に

耳を傾け、柴田が感じることを“心のまま”に話す機会も増えています。

わが身を振り返るいい機会にもなりますし。

 

同窓会的なものもどんどん企画しようと思っています。“柴田がやると言わないから、

いつまでも同窓会ができない”とクレームあり。その通り。かつての生徒会長、

学級委員、クラブの部長としては“やるぞー”と声を上げないといかんと思いました。

 

ということで、今日のメルマガは“全力自由人”宣言!でした。

 

 

おまけー1:大阪ミックスジュースなる飲み物を発見。関西出身のIndigoblueのY君に

“これなに?”って聞いたところ、“ふつうのミックスジュースっす”との返答。

うむむ・・と思い、店員に“大阪ミックスジュースって・・”と聞いたところ、

“ふつうっす”との答え。そうなると当然注文します。

 

・・・違いました。東京と違う!大阪はバナナ味が強い!(東京は桃味が強いと思われる。)

 

おまけー2:11月から日経産業新聞の裏一面の「Smart times」に月1くらいで

寄稿することになりました。以下は11月29日掲載分です。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO23996690Y7A121C1XY0000/

 

 

 

Vol.672 働き方改革の原動力

「働き方改革」を手伝ってほしい、語ってほしいという依頼が連続しています。

時流ですね。私の考えは(何もなければ)11月29日の日経産業新聞のSmart timesに

掲載される予定です。ぜひご覧ください。要は何のための「働き方改革」なのか、

誰のための「働き方改革」か、これらを取り違えないようにすべし。これが論点です。

 

働き方改革の当事者は個人です。これは自分のためなのです。会社が社員の長時間労働

回避すべくフロアの電気を消して回っているのは本質ではありません。この改革は

個々人がその気になって取り組まないと実現するものではありません。

ま、これは改革すべてに言えることですが。

 

これまで一日12時間働いていたものが8時間となり、4時間になったら、いろいろなことに

時間を使えます。すごくいいじゃないですか。仕事はアウトプットの連続です。

自分へのインプットをしておかないと枯渇します。休みももちろん必要です。

 

大前提は、そうなっても収入が変わらないこと、です。長く働いたら手当が出るという

思想はシフトで働いている職種以外にはむきません。ホワイトカラーの仕事にとっては

生産性向上の足かせ以外の何ものでもありません。自分の仕事は自分で管理し、

関係者への影響やアウトプットのクオリティも自分で責任を持つべきです。

だとすると、時間の使い方も自分で管理した方がいいに決まっています。だからこそ、

ホワイトカラーエグゼンプションを導入せよと昔から主張しているのです。

(これを「残業代ゼロ法案」というネーミングにすること自体、悪意があります。)

 

集中できる時間帯をつくる、作業の工数を減らす、余計な仕事をしない、アウトプット

作成能力を高める、これらは個人の生産性向上の王道です。ただし、こうしたことを

やってみようとする原動力が必要です。その原動力の源泉が「睡眠」「

生活のリズムの安定」「笑い」「“身軽さ”」だと思います。

 

「睡眠」の大切さは言うまでもありません。人によって必要な睡眠時間は違うでしょうが、

まあ7時間くらいは眠りたいものです。“柴田さん、睡眠とれてますか?”と私の

スケジュールから案じていただくことがよくあるのですが、大丈夫です。結構長く寝ています。

何もなければ10時半には寝てしまいます。

 

「生活のリズム」。これはルーティン的なことだと思います。私の場合は朝に走ること。

早朝からスケジュールが入っているときはできませんが、朝走ることで一日のリズムが

安定します。一日のウォーミングアップです。

 

「笑い」。大笑いした翌朝は目覚めがスッキリしていますよね。「笑い」に勝る癒しは

ないと思います。深刻な議論をするときこそ、アイスブレークで笑いが出るように

意識しています。会議の前にシーンとしている会社がありますが、あれは辛い。

 

そして「身軽さ」。最近、靴をビジネススニーカーに、スーツをジャージ素材に

変えました。これは本当にいいです。特に靴。おススメコーナーでご紹介しましたが、

Otsukaのビジネススニーカーは本当に良いです。見た目はビジネスシューズですが、

実態は足にフィットしたスニーカーなので走り出したくなります。スーツもジャージ

素材だと身体にフィットし、かつ楽です。更にはカバン。Tumiにしては珍しい軽くて

収納スペースがたくさんあるカバンに替えました。スイスイ歩けます。

このスタイルに変えてみてください。仕事へのモチベーションが底上げされますよ。

 

ぐっすり寝て、朝走り、どこに行っても笑いがあり、かつ身軽。私の場合、

これが“もっともっとやろう!”という原動力です。

「働き方改革」個人編はこういうところからですね。

 

 

おまけー1:“ウチの会社はナマハゲが多い”という若者がいました。(電車の中の会話から)

なまはげ?””生はげ” (あー、そういうこと)

 

おまけー2:これはすごい組み合わせ。2月の来日コンサート行きたいなー。

https://www.youtube.com/watch?v=_gCDVA4V1Cc

 

 

 

Vol.671 担々麺、硬め?辛め?からの示唆

Indigoblueのオフィス近くに山椒が効いた麻婆豆腐を出してくれるお店があります。

ただ辛いだけという説もありますが、たまに食べたくなります。一人でふらりと

行くことが多いのですが、その日もランチタイムにカウンターで食べていました。

私が食べ終わりそうな頃、40代とおぼしき男性が隣にどかっと座ってきました。

 

“担々麺、かためでお願いします”

“タンタンメン、カラメデ!”

 

明らかに店側は「硬め」を「辛め」ととっています。この男性、スマホをいじっており、

これに気づいておりません。見知らぬ人ですが、ここは持ち前のお節介マインドを

発揮するときです。

 

 

“あの、さっき、硬めって言ってましたよね”と私。

“あ、はい(なんだこのおじさん?)”

“たぶん、辛めってオーダー入ってますよ”

“え!”

 

普通でもそこそこ辛いのに、それ以上辛くなったら食べれません。

 

“すみませーん”

“ハイ” とネパール人らしきウエイトレスがやってきました。

このお店はたぶん7国籍くらいの方が働いているので共通言語はカタカナ日本語です。

 

”担々麺、硬めでお願いしましたよね?“ とその男性。

“カタメ? カラメデショ?”

“辛めじゃなくて”

“タンタンメン、カラクナクテ イイカ?”

“・・・いや”

“ハイ、カラメ!”

 

麺硬めとか、この店では無理なようでした。(一風堂さんならまだしも)

 

こういうコントのようなやりとりが社内でもよくあります。さすがに、日本語の

聞き取りに端を発するようなことではありませんが、“思い込み”によるものは

散見されます。同じ言葉でも異なることをイメージしていることはままあります。

 

「残業が多くて問題だ」

 

上司がこう言っているのを聞いて、どう思いますでしょうか。

あ、最近のトレンドから「労基署が来ることを心配しているのかな」と勝手に推測して、

「36協定違反者はそう多くありませんよ」と返したところ、「!?」という反応。

 

「ちがうよ。こんなに働いていると身体を壊す人が出るんじゃないかと思って・・・」

 

相手が発した言葉を鵜呑みにせずに、その意図することを確認する。この場合ですと

「そうですよね。来月もこんな状態だとよくないですよね」と反応すれば、

「そうなんだよ、身体を壊す人間が・・・」と会話が良い感じで展開していきます。

 

営業の場合はもっと深刻です。クライアントが発している言葉を勝手に推量し、

提案して大スベリ!ということがよくあります。相手が意図していることを質問を

しながら確認していく。このスキルがあるとないとでは大きく結果が違ってきます。

 

賢いと自認している人ほど質問が苦手です。質問や確認すると自分の理解度が低い

(=頭が悪い)と思われないか、と潜在的に心配してしまうからです。違いますね。

自分がわからないので教えてほしい、という姿勢でどんどん質問する。それにより、

話し手と共通のゴールが見えてきます。これがコンサルティング力です。

 

質問のタイミングは重要です。一番良いのはその場で聞くこと。しばらくしてから

メールで質問するのは嫌われます。その場で会話しながら聞く。ここに頭の回転の

速さを使いましょう。

 

ちなみに質問の王道は「Peel for pain(それを放置するとどんな悪いことが

起きるか?)」と「Peel for gain(それが解決するとどんな良いことが起きるか?)」。

この2種です。私がコンサルタント時代に某アメリカ人講師に叩き込まれました。

どんな場合でも有効だと思います。

 

 

おまけ:どんな場合でも有効と書きましたが、家庭内では別だと思います。

なので、以下の本をお薦め。

 

おススメコーナー:「鈍感な男 理不尽な女」(黒川伊保子著、幻冬舎)納得感満載。

おもしろいです。

http://www.gentosha.co.jp/book/b9207.html