柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.266 トップリーダーは忙しい

「39歳までに組織のリーダーになる」(かんき出版)がポケット版になりました。
(たぶん)来週後半から書店に並びます。ポケット版刊行にあたって、
少し加筆修整しましたので、読みやすさもアップしていると思います。
次世代を担う中堅層や若者へのプレゼントとして、ぜひご活用ください!

さて、最近とみに思います。大きな組織のリーダーというのは「本当に本当に
時間がないなぁ」と。どんどん処理していきませんと、あっという間に時間が経過します。
気がつくと、次に議論できるのが数週間後という事態になってしまいます。
なにしろ、定例的案件に加えて、飛び込み案件が次から次に出てきますからね。

だからこそ、タイムマネジメントがとても大事です。ここが生命線になります。
要請されるままに時間を埋めていったり、自分の意思でどんどん予定を埋めていったり
すると、それこそ周囲を含めて廻らなくなります。

だったら権限委譲すればいい・・・というのが世の通説ですが、私はそんなに単純
ではないと思っています。権限委譲したからといって、トップリーダーが暇になるか
と言うとそんなことはありません。

CCCでは、この春から強烈な権限委譲をすることにしました。CCCは企画を生み出して、
それを顧客企業に提案提供する集団です。だとすると顧客に近いところで
企画づくりをやらないとダメだからです。

まだ世の中にない「企画」、つまり、まだ実体化していない「企画」を組織の中の
階層を通じて意思決定するのは無理です。階層の間の人たちに悪気はなくとも、
チェック機能を果たそうとすればするほど、リスク面ばかりにスポットライトが当たり、
結果的に会社として何もできなくなります。
だから、CCCでは激烈に権限委譲することにしました。とてもシンプルな理由です。

権限を委譲したとしても、トップリーダーは、重要な関係者として
情報共有しておかねばなりません。そもそも、リーダーには組織の情報のハブであり、
ヒトとヒト、ヒトと情報をつなぐ役割があるからです。大きな組織のトップリーダーであれば、
関係者たるユニットの数も多くなりますから、
それなりの時間を要することには変わりがありません。だから、ヒマにはならないのです。

ちなみに、組織の中の様々なリーダー達が情報面でのハブの役割を果たしていないと、
組織が情報の"動脈硬化"状態に陥ります。これは、後々になって、
"えっ!、そんなの知らなかったー"というトラブルや非効率を生みますので要注意です。

権限委譲しているから一切聞かない、報告を受けないというスタイルを意図的に
とることもあります。リーダーへの依存度が高すぎる組織においては、
情報共有の場としていても、上司に対する相談・報告となんら変わらないスタイル、
雰囲気になってしまうからです。だからといって情報を共有しないで組織運営は
できません。トップリーダーは別の手段で情報を取りに行きます。
(実はそれはそれで、ひと仕事増える話なのですが、一時的にはやむを得ないでしょう。)

トップリーダーは進むべき方向性を明らかにし、成長戦略を描き、戦略が実行できる
組織体をつくり、運営し、かつ、将来への備え(人材育成やインフラ整備)も
しなければなりません。株主対応ももちろんしなければなりません。
目先の対応で忙しくて、廻らないという状態は好ましくありません。

私は、この状態を改善するのは、組織内のコミュニケーションに尽きると考えています。

トップリーダーとミドルリーダー、そしてミドルリーダーとスタッフの間で
コミュニケーションの基盤を同じにする。このために、情報共有にあたっては
"問題・課題の背景と論点を共有することを常に行なう"、そして "絶対時間を共有"する、
これが一番効くと思います。

背景情報を共有し、論点を共有すれば、同じチームである限り、自ずと解決の方向性は
見えてきます。水が上から下に流れるが如く。しかも、かの茂木先生がおっしゃるように
"アハ!的"に見えてくるはずなので、脳内的にも喜びがあります。
組織内の対話が元気を呼びます。これを、円滑、かつ迅速に行なうようするには
"絶対時間の共有"が必要です。

コミュニケーションが希薄だと、"どうもあいつの言っていることは信用できない"とか
"どうせ、自分が言っても通らない"など等、トップリーダーとミドルリーダーがお互いに
疑心暗鬼になり、トップリーダーは権限委譲といっているにもかかわらず、
任せたリーダーとは別の形で現場に指示を出したり、ミドルリーダーはトップリーダーに
報告せずに勝手に進めたり・・・、もう組織がぐちゃぐちゃになります。
おまけに、こんなことをしていると、トップリーダーは時間がいくらあっても足りません。
目先のことでデットロック状態になります。

だから、トップリーダーのみなさんは、コミュニケーションの基盤を共有することに
エネルギーを割きましょう。まどろっこしいように思えて、実は一番早いですよ。



おまけー1:
自宅の近所にMINAMOという施設があります。1Fに大きなTSUTAYAがあります。
最近、ここの温泉にほぼ毎週出掛けています。せいぜい1時間の滞在ですが、
風呂上りにコーヒー牛乳を飲んでも1500円くらい。なかなか気に入っています。


おまけー2:
そこで気づきました。メタボになったらボクサーブリーフをはいてはいけないことを!
実にカッコ悪い。しかも、靴下とボクサーブリーフ姿でメタボは許せない構図です。
メタボはトランクスです。(ビキニは最悪です。吹き矢を吹きたくなります。)


おまけー3:
ということで、メロンパンを断つことにしました。最近、忙しくて早朝のジョギング
も出来ない(根性の問題)状態が2ヶ月続いたところ、せっかく減量したのに、
ここへ来てリバウンド傾向にあります。
(但し、これはボクサーブリーフをはきこなすためではありません。)