柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.267 メッセンジャーを撃ってはいけない

今週まずは"誤解"の解消から。

先週号のおまけで、「気づきました。メタボになったらボクサーブリーフを
はいてはいけないことを! 実にカッコ悪い。しかも、靴下とボクサーブリーフ姿で
メタボは許せない構図です。メタボはトランクスです。
(ビキニは最悪です。吹き矢を吹きたくなります。)」と書きました。

これは私のことではありません。世の中に多数いるメタボのおっさんのことです。
断じて私ではありません。"ああなったら、マズイ"と痛感したというだけのことです。

"まあ、柴田さんメタボなの。それなら、"と、ある方から甲冑パンツなるものを
オススメいただきましたが、メタボ対策としては不要です!(別の用途で使います。)

さて、今日のテーマは「メッセンジャーを撃ってはいけない」です。

忙しいリーダーに代わって、間を取り持って調整を図る事務方がいます。
本来的にはリーダー自身がやればいいのですが、とかくリーダーは忙しい。
忙しさに紛れて、適時適切な対話ができなくなるといけません。 そこで、
リーダーに代わって話を聞いたり、メッセージを伝えたりする調整役が活躍するわけです。

ちなみに、この調整役をやることは、とっても勉強になります。
将来の幹部候補であれば、一度は体験しておきたいものです。

そうは言っても、明らかに利害が異なるリーダー間の調整に入るのは
決して楽な仕事ではありません。とりわけ、部分最適に凝り固まったリーダーに
全体最適視点のテーマを説明するのは骨がおれます。

なにしろ、"俺の話は聞け、他の話は聞くな"ですから。

外資系企業の人事責任者の平均在留年数が短いのはこのせいだと思います。
本社の人事、ローカルの外人、日本人の間に入って調整するのは実に大変です。
なにしろ、みんな"自分のこと"で精一杯ですから。もちろん、外資系でなくとも、
大組織だと似たような状況になりがちだと思いますが。

調整役が困るのは"メッセンジャーを撃つ"リーダーです。調整役は他のリーダーや
会議体での合意事項を伝えに来ているだけです。それなのに、あたかも、
その調整役が自分に反しているとのごとく怒り、感情をぶつけるリーダーがいます。
これはNGです。

こんなリーダーだと、誰も調整しようと思いませんから、当然、情報が
集まらなくなります。結果として"、裸の地方の王様"になります。
(王様ならまだしも、地方の王様なので哀しい。)

調整役は、リーダーが多忙につき時間がとれないので代理で話を聞き、
それを伝えているだけです。ある意味では"助けて"くれているわけです。
そのメッセンジャーを撃ってはいけません。

"撃つ"だけならまだしも、別の指示を出すのは更に性質が悪い。たちまち、
そのメッセンジャーは間に入って、身動きがとれなくなります。
上から「やれ」と言われて動いているのに、伝えた先のリーダーから「やるな
」と言われたりすると、どうしたらいいのかわからなくなります。
特に、伝えた先のリーダーと師弟関係にあったりすると、とっても困ります。

こんな場合には、「やるな」というリーダーが「やれ」という指示を出したリーダーに
直接言わないとダメですね。もしかしたら「やれ」と言っているリーダーが
間違っているのかもしれません。

大きな違いがある場合には、調整役にその役を担わせるのは、依存し過ぎでしょう。
「やれ」というメッセージを伝えてきたヒトに「やるな!」と返事する場合には、
その意図を直接「やれ」という指示を出したリーダーに話しましょう。
さもないと、メッセンジャーがシニます。

"メッセンジャーを撃ってはいけない"。

これは、忙しいリーダーであればあるほど「鉄則」ですね。



おまけー1:
先週、47回目の誕生日を迎えました。CCCのみなさんやら、社外の仲間たちから、
とってもたくさんのお祝いをいただきました。嬉しいものです。

2002年の誕生日。香港のホテルにチェックインしたら、なんと、その部屋で
ランニング姿の中国人がラーメンを食べていて"あいやー!" ひとしきりもめた後に、
"今日は兄弟の誕生日だから許す"と言われた(ホテル側の間違いなのに、
何故、私が許されるのか今でも不明")ときと同じくらい記憶に残る誕生日になりました。


おまけー2:
レストランとか、エレベータの中とかで大きな声で言ってはいけない
NGワードがあります。"ハゲ"です。妙なビットが立つヒトが複数名必ず出ます。
特に若い女性でソプラノ系の方はダメです。声が通るので。


おまけー3:
ハゲといえば"京王線カツラ事件"をご存知でしょうか。

多摩川のほとりを走る急行電車。うたた寝をする中年男性がいました。陽気のいい春。
窓から気持ちのよい風がそよそよと入ってきます。

そのとき、すれ違っていく対向車線の影響で、強風が車内にぴゅ-っと
吹き込んできました。すると、その男性の髪型がちょっとづつ変化してきました。
なにやらバリッツ、バリッという音・・・

向かい側の席の全員が(あっ、カツラが・・・)と思う間もなく、そのカツラはふわーっと
宙を舞い、右端でうたた寝をしていた別の男性の膝の上にポトリ。

悪いことにその男性の「社会の窓」が全開!(おおっ!)

そのとき、電車がガタンと揺れ、その男性が目を覚ましました。寝ぼけまなこで
社会の窓あたりを見たところ、何やら黒いモジャモジャしたものが! 

慌てて、その男性は"カツラ"をズボンの中にしまい込むと脱兎のごとく降りていきました! 
(降りた!どうする!)

次の瞬間、向かい側の席の全員が右端の男性を見たところ、その男性は
まだ寝ていました。(きっと、終点まで寝ていくことでしょう。)