読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.281 わからないことから逃げない

先週のメルマガは梅雨休み。週末から沖縄に出掛けておりました。

沖縄は私のお気に入りの地です。今回も仕事での訪問でしたが、
できれば"完全OFF"で1週間くらい滞在したいといつも思います。
(1週間滞在したい場所は決まっています。)

帰京して、ある会合で東京大学の玄田先生のお話を伺う機会がありました。
いろいろな気づきがありましたので、先生が書かれた「希望学」全4巻を購入して
より深く勉強することにしました。

先生のお話の中に、"わからないことから逃げない"というコメントがありました。
その通りだと思います。

新しいことをやろうとすると、なにしろ前例がありませんので、
うまくいくのか、失敗するのか、誰にもわかりません。

ところが、わからない、という"理解の領域を超えた"話については、
無意識のうちに "関わらない方がいい"と直感し、
その後の行動を規定するヒトが多いように思います。
まず、失敗する要素ばかりが見えてきます。
あっと言う間に、"関わらない方がいい" という直感が
論理的な説明となっていきます。

そうなると、もうダメ。
新しいことにチャレンジできないどころか、挑戦しようという気概を持ったヒトの
熱い想いにも水をかけてしまいます。

やや偏見があるかもしれませんが、これまでの私の経験からすると、
高学歴の方、たくさん勉強されてきた方に、
"わからないことには関わらない方がいい"という行動をとる傾向が
あるように思えます。

もしかすると、かつてマーケティングについて教え込まれたことが
災いしているのかもしれません。
かつて私も中小企業診断士の資格を取得する際にマーケティングについて
集中的に勉強しましたが、最近ではそのときの知識が足かせになってきている
と感じています。

全くの私論で何の検証もしておりませんが、こんなことかなぁと思いました。

そもそも、マーケティングという概念が市場(マーケット)からきて
発展したものだとすると、その根本が変わってきていると思います。

ヨーロッパの市場(マーケット)は基本的には中庭にあります。
周囲にレンガ造りの建物が立ち並び、
その中に様々な商売を行なうヒト達が集っています。
その近くに住んでいるヒト達がその市場を常に利用する。これがマーケットです。
歴史的に相互侵略と戦いが続いていたヨーロッパで商業や暮らしを守るために、
このように"囲われた"つくりになっているのだと思います。

マーケティングという言葉から類推されるのは、この"囲われた中"、
つまり、領域を確定した中で、その中で最も"儲かる"ように行動すること。
だから、その中で一番のシェアという概念が大切になるわけです。
競合戦略もそうです。
領域を特定しているからこそ、パイの取り合いという考えが生まれます。
顧客をセグメントして、その顧客に最も合致する商品、
サービスを提供するというのもそうです。
全て、"囲われた中"での話しです。

このベースにあるのが、領域を確定する、という考え方。
つまりは、 "わかる範囲"を特定した上で物事を進めるということ。

実態の消費者は昔と違って同じ場所におりません。自ら動きます。
そうなると、領域を確定しているとか、囲い込んでいるとか考えても、
実態は常に伴わないわけです。

インターネットによる購買行動が進展してくると、場所に制約されなくなりますから、
消費者が自ら動くことが加速します。
そうなると、囲い込んだ中でいろいろ戦術を考えるような"マーケティング"は
意味がなくなります。

もはや、わかる範囲を特定して・・・という思考パターンでは対応できません。
わからないこと、見えないことへ果敢に挑戦していきませんと、
どんどん"動く市場" から外れていきます。
だからこそ、わからないことに直面しても逃げない。
徹底的に考え、突破口を探す。そういう力と執念があるヒトたちの集団が
これからの勝ち組になると思います。



おまけ:沖縄の"わからないことから逃げない女店員"

「領収書お願いします。」
「は、領収書すか。」(と、長いまつげをくるくる。たぶん、書いたことないな、こりゃ。)

「宛名は、前㈱で・・・」 「は、まえかぶすか。」(まえかぶ、と書いた!)

「ちがう、ちがう。こう。」(その辺にあった紙に㈱と書く)
「は、そうすか。」(と(手へんに朱と書く) 
「ちがう、こう。」(大きな字で㈱と書いてみせる)
「は、そうすか。」(と、まつげくるくる)

「会社名は、C3つ。」 「C3つ、と」(ほんとに、C3つと書いた!)
「ちがう、CCC!」 「は、そうすか」(くるくる)

「じゃ、これで」 「お店のハンコウかなにか、押してよ。」
「ハンコすか。えーっと」とレジの引き出しをごそごそ。

「はいっ。」と押したのが「全品5%引き」というスタンプ。 「・・・・」