柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.288 "英語が話せない"という精神的劣位を吹っ飛ばす!

CCCの幹部候補生16名に課せられた「普通ではないプログラム」の続きです。


「普通ではないプログラム」は、先週ご紹介した"かばん持ち"だけではありません。
もう一つ、強烈に普通ではないメニューがあります。
それは、"外国人との協働プロジェクト"です。


日本以外の環境でビジネスをやろうと思ったときに、まず障害になるのが
"外国人とのコミュニケーション"です。


日本人は日本国外でビジネスを展開しようとしたときに、
諸外国と比べて圧倒的に不利です。
日常的に"日本人"以外との接点が少ない上に、
長らく学校で英語の成績を問われてきているので、
自然体で"外国人"とコミュニケーションをとるのが苦手だからです。


正しく英語を話さないといけない・・・というプレッシャーとストレス。
これでは、ビジネスを伸ばす方に十分な力を割けません。
コミュニケーションの基本は自分の意思と考えを伝えること。
これは外国人相手でも同じ。


ブロークン・イングリッシュでもいいんです。とにかく伝える努力をすること。
当たり前のことですね。


多くの日本人の中にある"英語が話せないという精神的な劣位"が、
この当たり前のことを邪魔します。


なんとかしなくてはいけません。
この変な劣位意識を吹っ飛ばすためには、
"外国人"との絶対時間の蓄積を集中的に増やすのが最も効果的です。


この手のことは、本来は国策としてやるべきことだと思います。
が、なかなか進みません。


"遅々として進んでいる"というのが正しい評価だと思いますが、
このペースでは間に合いません。
日本企業がグローバルマーケットで第二集団になってしまいます。
(もうなっているかも・・・)
国に頼ることなく、企業の自助努力でやりませんと。


で、考えたのが「Global internship program」。
世界中から幹部候補生と同じ数だけMBAインターンを集めて、
それぞれ2名ずつ合計4名のチームをつくり、共同プロジェクトを発動させました。
2ヶ月かけて、この4名が一緒に調査、議論し、
一緒にプレゼンテーションをするという企画です。


その発表会が本日行われました。
幹部候補生たちは第一線で活躍する連中ばかりですから、本業でとても忙しい。
その中で、英語ができない、日本語ができないというメ
ンバー構成での準備だったので、プレゼンテーションの内容は、
まぁ期待できないだろうと思っていました。


これがどっこい、素晴らしい出来でした。


6月に「外人来るのかよー」とびびっていたメンバーは皆無となり、
至極普通に外国人たちと対話し、プレゼンテーションをやってのけました。
英語でやり切ったものもいます。
外国人インターンの中には果敢に日本語でのプレゼンテーションに
挑んだものもいました。


言葉だけではありません。何よりも視点が良かった。
実に多様な視点が織り込まれていました。
しかも、ベンチマークの対象が一気にグローバルに。
(なかなか、チリのケースを引っ張ってくることはないですよね。)


日本人だけといった同質集団で仕事をしていると、効率的な瞬間がありますが、
世界観が限定されているので、広がりが生まれません。
グローバルな環境では、おのずから多様化します。
その多様さが新たな世界観を作り出し、目から鱗の企画を生みます。
この意義を再認識しました。
ここにダイバーシティ多様性)を推進の狙いがありますね。


これは、将来を見据えた内なる国際化のための施策なのですが、
仕掛け人として、早くも"期待どおり"の展開になり、嬉しい限りです。
CCCの幹部16名、そして海外からのインターン16名にとっても、
内なる国際化の意義を体感してもらえたようです。


彼らは、この2ヶ月のおかげで、"変な精神的な劣位"はなくなったはずです。
むしろ、意識のアンテナが広がったようです。しめしめ。




おまけー1:
内なる国際化も大切ですが、同時に日本の文化についても
関心を持って欲しいので再度ご紹介を。
これからの邦楽を支えるであろう若手演奏家たちのコラボレーションです。
響和堂プロデュース公演 9月13日(日) 午後4時半から 日本橋劇場で。http://kyowado.jp/katsudo.html


おまけー2:
最近、話題のTwitterとかFacebook。『Social Media Revolution』
についての映像です。
http://www.youtube.com/watch_popup?v=sIFYPQjYhv8


おまけー3:
8月30日は選挙に行きましょう!  (ちなみに来週はメルマガをお休みします。)