柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.319 人事の役割

ますます暑いですね。バテていませんか?

最近意識してCool Effect機能の下着、シャツ、スーツを着るようにしています。
この手のものは、ちょっと前まではデザイン的にNGで安っぽかったですよね。
さすがに着る気がしませんでしたが、最近はかなり良くなってます。

・・・ということで、激暑い日でも、相変わらずあちこちに出かけておりますが、
ダメージが少ないです。

さて、今日のテーマは「人事の役割」です。

現在、Indigo Blueで支援している企業には共通点があります。

・それまでのビジネスモデルが弱くなり、業績は右肩下がり
・将来展望が描きにくい
・自社のコア・コンピタンスを再確認、または再定義して、
 新たな成長シナリオを描く必要あり

新たな成長シナリオを描いたときに、"やれるヒトがいない"
という現実的な問題に直面しがちです。

人事は「新たな成長シナリオ」を実行するために、どのようなヒトがどれだけ必要か、
ということを考え、それを実践していきます。必要な人材を必要な量、
ビジネスの現場へ提供する。それが人事の最大の使命になります。

一言で言うと「成長シナリオ実行のためのヒトづくり」ということになります。

成長シナリオは"詰将棋"のようなものです。目指すべきゴールのために、
何をすべきか、そのためには何をすべきか、そのためには・・・これらを体系化します。
この全体像のことを"詰将棋"と私は呼んでいます。

ちなみに、それを時間軸に沿って整理したものが「計画」になります。

"詰将棋"なしに進めていくと、どんなにアイディアが良くても
実行体制が整わないので実現しません。
仮にアイディアの素晴らしさで奇跡的に最初の段階で成功しても、長くは続きません。

今や、思いつきで「明日、あの山を登るぞ!」で行けるほど
単純な話ではなくなっています。
そこには、あらゆる分野からの競合あり、規制あり・・・
単なる気合・根性論だと、"大けが"のもとです。

たとえば、中国マーケットに進出だ!と方向性を決めたとしても、このために
クリアしなくてはならないことがたくさんあります。とりわけ中国マーケットで
ビジネスを遂行できる「ヒト」がいないと話になりません。
中国企業とパートナーシップを組んで・・・という戦術をしっかり実践できるヒトがいないと、
ある意味でパートナー企業にいいようにやられてしまいます。

中国マーケットに進出と決めたなら、そのための「ヒトづくり」をいち早く進める。
これが人事の役割です。

ヒトづくりには時間がかかります。だからといって"時間を買う"として、
M&Aを含む外部からの人材調達を選択するのは、オプションとしては○ですが、
ある意味で"最終手段"だと思います。

社内に適切な人材がいなければ、外からとればいい、
というのはプランBだと思っています。
(ここは数年前の持論とは異なります。事業会社を多く経験して、
考えが変わりました。)

成果を急ぐがあまり、「ヒトづくり」をおろそかにして外部採用に頼っていると、
その会社の人的資源の基盤が弱くなります。

そもそも、組織で仕事をする以上、スキルや知識だけでは
成果につながりにくいものです。
スキル、知識に加えて、その組織独自の目に見えない組織力学を
いかに熟知するか、ここが肝になります。

鳴り物入りで外部から採用したヒトがなかなか成果を出せないのは、
この"組織力学"がわからなかったり、そこへの配慮が十分でなかったりするのが
主たる原因です。外部人材に頼る前に、社内のことを熟知しているヒトから
「ヒトづくり」をする。やっぱり、こっちが王道ですね。

最近、楽天ユニクロなどで社内の公用語を英語に、というのは将来を見越した
「ヒトづくり」に他なりません。さすがです。

「成長シナリオ」を実践するための人事。これが人事責任者の最大の役割となります。
そうなりますと、人事責任者にはビジネスセンスが強く求められます。
営業責任者が人事責任者に転身する事例が散見されるのは、このためですね。

この「ヒトづくり」を実務的に進めるための秘訣が「役割すごろく」です。
長くなってきましたので「役割すごろく」については、いずれまた。



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おまけー1:先日、新オフィスのお披露目会をしました。
思ったよりもたくさんのヒトに来ていただき、心からありがたいなーと思いました。
手土産でいただいたお菓子の山に囲まれています。


おまけー2:とある企業の内定者懇談会で挨拶。
英語で話しかけたところ、半分くらいが反応。
よしよし、今の若者も捨てたもんじゃなない。


おまけー3:ついに「アブトロニックを購入」むふふ・・・。


(来週はたぶんお休みです。)