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柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.328 現場をリスペクトし、"希望"を可視化する

ルナ・レガーロhttp://luna-regalo.jp/ ) に出かけてきました。

サーカス、ダンスのパフォーマンスと4人の有名シェフの作品を楽しめる
期間限定のシアター・レストランです。
一人16,000円から18,000円の高額チケットですが400名定員が満席。

10月17日で東京での開催は終わり、この後は大阪と名古屋で開催されます。
この手のコトが好きな方は、交通費をかけてでも行く価値のある場所だと思います。
世の中の消費が"安さ"だけで動いているのではないことを証明するひとつの例です。

メニューは4人のシェフによる4品で構成されています。
一品出されるごとに、それを監修したシェフのコメント、経歴がレストラン内のモニターに
映し出されます。3分くらいのショートムービーです。

この中の一人のシェフが昔からの知り合いです。
彼の映像を見ながら、6年前に岩手県の温泉で料理人や
サービススタッフの境遇について議論したことを思い出しました。

ホテルやレストランで働くヒトは、報酬も社会的地位も低い。労働条件も厳しい。
好きでも限界がある。
だから、業界からヒトが流出する・・・

ホテルやレストランで働くヒトたちは、そういう愚痴をこぼしがちです。
実際に彼ら彼女らの報酬や労働条件を調査したことがあります。確かに給与は低い。
ヒトが休んでいるときに働いているし、仕込みから閉店までとなると、
毎日かなりの長時間労働です。

業績が低迷しているホテルやレストランで働く人たちにバックヤードで話を聞いてみました。
なんとも覇気がありません。とってもいい人たちなのですが、将来に向けた希望がありません。
毎日同じことの繰り返し、"その日暮らし"のような雰囲気です。悪気はないのですが、
良くしていこうという意識がそこにはありません。

そういうお店のバックヤードは、たいていが薄暗く、ホコリが目立ちます。
誰のものかわからないような私物が置かれ、雑然としています。壁にはところ狭しと
経営方針や会社の上層部の指示が貼られています。

よく見ると、数年前の指示書もそのままだったりします。貼っているだけで、
誰も関心を払っていない気配がありありです。

スタッフたちの間にそこが自分のお店という意識が希薄です。
そこでしか働けないからそこにいる、という雰囲気です。だから、誰もキレイにしません。
決められた清掃を決められたときに最小限の労力でやっている程度でしょう。

そんなお店ですから、通りすがりの"お腹を満たすためだけ"のお客様以外は入りません。
ですから景気の影響をもろに受けます。
それに気付かずに、本部が目先の売上を上げるために低価格政策を採ったり、
利益確保のために有無を言わさず経費の削減をやったりすると最悪です。
更に悪くなることを私が保証します。

もし、"お腹を満たすため"だけの場所なら、そう割り切った内容にすればいいのです。
それはそれで"あり"です。中途半端はいけません。

但し、食事は"お腹を満たすため"のものだけではありませんよね。
ちょっとしたことで+αの部分の方が大きくなります。


ヒトは古来より人生の節目や記念日に必ず食事をします。
いい雰囲気の中で美味しいものを食べると顔がほころび、
記念日が記憶に残るシーンになります。
だから、その場を演出する料理人やサービススタッフは自分の仕事に誇りをもつべきなのです。


嬉しいことに、そういう信念をもったレストラン経営者たちが最近増えてきました。
彼らのお店では、現場の料理人やスタッフがリスペクトされているのがわかります。
現場のスタッフにスポットライトがあたり、彼ら彼女らが好きなようにお店づくりをしています。
料理人やホールのスタッフたちは、自分でつくったお店ですから、
当然"自分のお店"という意識をもち、自然に周囲をキレイに保ち、
お客様を自分のゲストとして迎え、ちょっとでもよくしたいと常に思っています。

現場をリスペクトする。これがお店のファンを増やす王道です。

しかし、業態として成熟して低迷している場合にはこれだけでは無理です。
ホテルという業態についてはこっちかもしれません。
この場合には、現場をリスペクトすると同時に、将来の「希望」が見せる必要があります。

そういう業態の経営者は「希望」を可視化するために尽力すべきです。
今の現場をどうこうしていても活路は見出せません。「希望」があるところにヒトが集まり、
それがビジネスを活性化させます。

では「希望」とは何か。長くなってきたので、これは別の機会に。

ちなみに今回のテーマはホテル・レストランに限った話ではありません。
他の業態にも当てはまる話です。基本の基本はバックヤードです。
ここが汚れているところはダメです。

(・・・といっても、バックヤードをキレイするように厳命してやらすのはダメです。
黙っていても、キレイにするのが当たり前という雰囲気をつくる方に注力しましょう。)



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おまけー1:ついていない日というのがあります。電車で運転が荒く、何度も転げそうになり、
座ったら網棚から誰かのカタイ荷物が落っこってき、立つときに吊革を持ったら、吊革がとれ・・・。
その後、入ったトイレの個室では便器が外れ・・・。ドリフか!という展開。



おまけー2:空手家同志の結婚披露宴に誘われました。
スケジュールの関係で行けないのですが、新郎新婦の友人たちの出し物が
"瓦割とバット割"だそうです。いいのか?



おまけー3:先日、銀座の某百貨店の"うふふレディ"のコーナーを視察。
しかし、平日の午前中だと、"うふふレディ"なのに、フロアにいるのはおっさんと
コスプレ風のギャル店員だけ。いいのか、この企画?