柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.344 一流

「一流を体験する!」という企画をお手伝いしました。
これは、全国から集まった9名の優秀な社員のみなさんへのご褒美企画で、
その会社の社長さんからご依頼いただいたものです。

どんな企画かと言いますと、優秀社員9名を柴田が考える
(その方々にとっての)最高のレストランと最高のホテルに
お連れするという1泊2日の体験ツアー。

気心がしれたレストラン、ホテルに助けてもらい、期待以上の内容になりました。

会の途中から、参加者から口ぐちに「来年も参加できるよう頑張る!」
という言葉をもらいました。インセンティブツアーとしては大成功だったと思います。

私が若い参加者たちに感じてほしかった「一流」とは「全力投球の姿勢」です。
豪華できらびやかな場を体験してもらうのではなく、ベテランが手を抜かずに、
目の前のお客様に対して全力投球する姿、これに触れて欲しかったのです。
お願いしたホテル、レストランはさすがにその意図を120%酌んでくれました。

初日の夜のレストランで、その運営責任者の方から"刺さる話"を聞きました。

「お客様を呼ぶためにビラを撒きに行くヒマがあったら、目の前のお客様に
全力投球する。それが、次につながるのです。」

そういうことだと思います。


ここ数年、顧客のメールアドレスの取得は小売業、サービス業にとって至上課題です。

TV、ラジオ、雑誌、新聞という、いわゆる4マス広告では企業のメッセージが届きにくい。
それよりも、一人一人のお客様に直接アプローチできるメールが有効。
しかもメールは郵送費用がただみたいなもの。だからメールだ・・・
というわけで、猫も杓子もメールアドレス獲得にやっきになっているわけです。

一方で一般生活者の方は、"無神経"に配信されるメルマガや広告メールにうんざり。
配信解除は面倒くさいのでやっていなくとも、ほとんど見ていない、
というのが現実だと思います。

自社の商品やサービスとは関係のない"餌"で顧客を集め、メールアドレスを
取得したところで、その企業の商品、サービスが自分にとって関係なければ、
その企業からのお知らせメールはただの迷惑メールです。

お客様に向かう企業は、そんなことにお金や労力をかけるのではなく、
目の前のお客様に全力投球するためのことにお金や労力をかけるべきではないか。

私はそう考えています。

そうしてファンづくりをした上で、メールを送る。この順番ではないかと思います。


最近、以前よりもファッションが気になるようになりました。私のお気に入りは
六本木ヒルズにあるEというお店です。そのきっかけは、そこのお店で体験した接客です。
その後、対応いただいた販売員の方から、名前入りでお知らせをいただくようになり、
ちょっと何かを買わねば・・・と考えたときにはそのお店が頭に浮かぶようになりました。
これぞ、Provider of choice!


さて、若いうちにいろいろなことを体験するのはいいことです。
なにしろ、体験していないとイメージすることができません。イメージ力が貧困だと
仕事や人生観に広がりがでません。若いうちにいろいろな仕事に手を挙げて、
いろいろなことを体験することを心からお薦めします。

自分を振り返ると、若いうちに実にいろいろな仕事を体験できたこと、
職場の先輩がいろいろなところに連れて行ってくれたこと、
これら全てが「糧」になっているなあ、と改めて感謝です。

経営者たるもの、現場のスタッフが目の前のお客様に全力投球できない環境があったら、
それをなんとかする、現場のスタッフにいろいろな体験をさせる、
そういう目線でいて欲しいものです。

それが一流の経営者の条件の一つだと思います。

一流の経営者がいる会社には黙っていても一流の社員が集まってきます。
(二流の経営者の下に一流の社員は集いません。)



=====================================

おまけ:3月3日~5日の「第二回柴田塾」の申し込み締め切りが近づいてきました。

毎回、参加者の構成をいかに多様化するかに注力しています。
60代の男性、30代の女性、20代の男性の申し込みを特に募集します。ぜひ!

http://www.indigoblue.co.jp/shibata-juku/index.html