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柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.355 敢えてだまされる

「嘘をつかれていることを承知の上で、敢えてだまされる。そういう態度が必要なときもある。」

数日前そうTweetしました。

「嘘をつく」という心理の裏にあるもの。それは「その人との関係性を維持したい」という
想いだろうと思います。で、そのさらに背後にあるのは"自分を守りたい"という
弱い気持ちだと思います。

相手の期待はわかっている。しかし、自分はその期待に応えられていない。
それを赤裸々に伝えることはできない。相手に"こいつはダメだ"と思われるのが怖い・・・。
だからつい、その場しのぎの嘘をつく。こんな展開ではないでしょうか。

その場を切り抜けて時間を稼ぎ、その間になんとかすれば結果として嘘をついたことにならない。
だから、なんとかここは切り抜けよう・・・。この浅はかな考えです。


世の中はそううまくいきません。嘘はいずれ露呈します。

最初の段階で真実を話して厳しいフィードバックをもらうよりも何倍も厳しい
フィードバック・評価を受けることになります。そういうものです。

それが怖いので、嘘が露呈する前に、更に大きな事件を起こしたり、逆ギレしたり、
更には身を隠したり・・・こういう展開に発展することだってあります。

ある事で報告を求めたときに、"こりゃ、その場しのぎの嘘を言っているなー"、
とわかることがあります。しかし、それを追及するとさらに"その場しのぎ"の嘘を言い、
嘘が拡大します。そうなると、どんどんその相手を追い詰めることになります。


だから、敢えてだまされる。"ああ、そうか"と。

最近この境地に達しました。それまでは、"その場しのぎの嘘"と気づかず、
相手のロジックのおかしなところやカバーしていない点を良かれと思って助言
(先方からすると指摘かも)しておりました。

しかし、そもそも"その場しのぎの嘘"なので、良かれと思って、
ロジックやカバレッジの不備を指摘としても意味がないのです。

相手も"ははぁ"と聞きますが、それが、その後の行動に反映されることはありません。
懇切丁寧に指導しても響きません。そういうことではないのです。

だから、そんなことは止めて、敢えてだまされる。"ああ、そうか"と。


一方でこう話します。

"不測事態は起きるもの。そうなったら、相談してくれ"。

これが、小さな嘘を拡大させない対応です。相手に冷静に自分を見つめる心があれば、
相手の場合には、数日してから"不測事態"の報告があるはずです。

誰でも上司とはうまくやりたいものです。自分に自信がないヒトであればあるほどそうです。
上司の評価が気になるものです。優秀で早く昇進しているようなヒトやオーナー系の方だと、
この感情がわからない。だから、その場しのぎの嘘が許せず追及し、
小さな嘘を大きな嘘に拡大させてしまいがちです。

相手は自分との関係を維持したいと思っているわけです。しかし力足らず。
しかも、精神的に未熟。こんなときは、こっちが"大人の対応"をしたいものです。
それがその人に何らかの気づきを与えると信じたいです。これを繰り変えていくうちに、
"その場しのぎの嘘"が出なくなると思っているのは楽観的過ぎますかね。

もっとも、そうであっても、だまされることによるダメージは計算しておきましょうね。



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おまけー1:三谷幸喜さんの全ての作品の根底に流れているのが「その場しのぎ」です。
「バッド・ニュース☆グッド・タイミング」は特におススメです。


おまけー2:考えてみたら「代返」はその場しのぎの嘘の代表的なものですね。
大学時代に、「柴田!」と呼ばれたものを和田くんが「はい!」、教授もさるもの、
次に「和田!」。これに砂田くんが「はい!」。・・・で、「砂田!」。
これに山下くんが「はい!」。

見事な連携。


おまけー3:音楽座ミュージカル「Little Prince」
http://www.ongakuza-musical.com/sakuhin/littleprince.php

「本当に大切なものは目に見えない・・・」ぜひ、ご覧ください。
私も何回か劇場に足を運ぶ予定です。