柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.369 「笑い」のススメ

組織運営上、「目に見えない」けれど大事にしたいコト。その代表格が「笑い」です。
組織に「笑い」があると物事がうまく進みます。


再建途中の某社社長。自分のことをCEO(Chief 笑顔 officer)だと仰っていました。
社長自ら、社員を笑顔にすることをミッションと位置付けているそうです。
そういう会社であれば、どんな苦境であったとしても、必ず何とかなると思います。

某社の幹部会議。マーケティング部の是非についての重い議論がありました。
歴史的にこの会社は営業体質で、マーケティングなどいらん!という空気が
ぷんぷんしていました。ところが、マーケティング部の設立を説明した某常務。
その空気を察知してか、説明用のパワーポイントにでかく「マケー部の設立について」。

そのパワポを映しながら、当社にマーケティング部が必要な理由を真剣に説明している姿を見て、
眉をひそめていた人たちもニヤニヤ。尖った議論になりませんでした。天才的なボケです。

15年前、某米系広告代理企業の初めてのリストラのお手伝いをしたときに、
その幹部に30分ジョーク無しでいると耐えられないというアメリカ人がいました。
リストラを進めるための打ち合わせの際に、やたらとジョークを飛ばすので、
当時は"とんでもない"と思っていましたが、今思うに、彼の笑いに幹部連が
どれだけ救われたことか。

お笑い芸人の"一発芸"的な笑いは通常の組織運営の中では要りません。
ゲラゲラ笑うようなものもいりません。そういう爆発的なものではなく、
ふと気が緩むような笑いがいいのです。
先の「マケー」では、出席者のほとんどがニヤニヤしていました。


チームの中に、"いじられる"キャラのヒトがいると、場がなごみます。もちろん、
"いじられる"方も"いじられる"ことを苦にして落ち込むようなキャラでは無理。
いじられても、いじられていることを自覚していないくらいがいいですね。

本人は極めて真剣。しかし、どこかずっこけている。そんな天然系のヒトがいたら、
通常の採用基準とは別に一定数採用しましょう。楽しくなります。注意しないといけないのは、
そういうヒトばかりになりますと、管理職が心労で倒れます。
また、そういうヒトに仕事面で期待すると、"笑えなく"なります。
あくまでも、組織の潤滑油的存在として捉えましょう。

リーダーが率先して、組織の中に笑いをつくっていけるといいですよね。
"やっていいんだ"となり、各地で楽しいことが勃発します。
私自身、そういうことが大好きなのでいろいろやってきました。


CCC時代に、出店の相談にきた部長級社員との面談の際に肩にヌイグルミの犬を
つけて臨みました。彼が会議室に入ると何気ない顔で肩に犬を乗せた私がいるわけです。

「何か・・・、気が散っているようだけど。」と私。
「いえ・・・」
「ならいいですが。」
「あの・・・」
「は?」
「あ、いいです。」

「で、ここの商圏が・・・」
「あの。」
「何?」
「その肩ですが・・・?」
「肩?
」「・・・犬ですよね?」
「うん。犬。 で、その商圏がね・・・」

この様子をガラス越しに見ていたみなさんはとても楽しかったようです。


マーサー時代、広報のKさんが確実に私に文句があるとわかっていたので、
大阪で買ってきた「なんでやねん」Tシャツとタオルを渡してから、「で?」。

初めて日本にやってきたマーサーのイギリス人にとある用紙にサインしてもらうときに、
用意した筆箱の中には全部"魚ペン"(魚の形をしたボールペン)をいれておき、
「Reiji, can I borrow your pen?」と言われて、「Sure!」と自分の背広からも
魚ペンを出して渡すとか。

キャドセンター時代に開催していた「柴田塾」で業務多忙を理由に、
塾開催中にしょっちゅう席を外していた幹部社員2名の修了証に
「柴 励司」と「柴田励 」と敢えてサインしたり。

今でもやるのは、「あの・・・、柴田さん、実はお願いが・・・」と言われた瞬間に
「ええっつ!」と大袈裟に驚き、「あ、まだ聞いていなかった。」。
このリアクションが言いにくいことを話しやすくします。

こういうことを自然にやり合う組織っていいですよね。



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おまけー1:富山ではかまぼこに板がついていません。鯉の形をしています。すごいです。


おまけー2:「陽はまた昇る」というドラマにはまりつつあります。
佐藤浩一さんは「The magic hourのデラ富樫」役からいい役者さんだなーと思っています。


おまけー3:FNS歌謡祭「日本を勇気づける名曲ベスト200」。第一位は「上を向いて歩こう」。
その選曲に納得。