柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.371 アビトゥーア

アビトゥーア」って聞いたことがありますか?

アビトゥーアとはドイツなど中欧圏で使われている「大学入学資格」のこと。
"高校課程を修了し、大学で教育を受ける基礎的能力がある"
という認定のことだそうです。

考え方としては日本の「大検」に似ていますが、
その後のプロセスが「大検」とは大きく違います。

この認定があれば、どの大学にも出願可。

出願した大学では「入学待機リスト」に掲載され、
原則として順番に入学できるとのこと。ここが改めて入学試験を受ける日本とは異なります。

一方で、卒業はそれぞれの"修了認定"がないとできません。
つまり、入口で絞るのではなく出口で絞る、という仕組みです。

「大学で何を学んだか、と問われても・・・(苦笑)」というのが、
ほとんどの文系の実態だと思います。出口で絞るようになると、
ここが大きく変わってきます。なにしろ、課程を修了し、
それなりの"力"がついていることが認定されないと卒業できなくなりますので。

当然、大学側には意味のある認定が求められるようになります。今の「学士」は、
社会の目線からするとほとんど意味がありません。これに代わる、或いはこれに加えて"
認定課程"を用意する必要があります。学生もその認定をとってナンボですので、
授業を受ける姿勢が変わります。大教室で、出席した5秒後に昏睡状態という絵図が変わります。
もっとも、そういう催眠授業をするクラスにはヒトが集まらなくなります。
(リラグゼーション扱いになります。)

各大学は、自課程を修了した学生について、"こういう人材である"とコミットします。
今でも理念としてはやっておられると思います。今度は、より具体的にかつその品質を
担保することが求められるようになります。その人材を目指したい学生が入学し、
そうした人材を希望する企業・団体がそこからの学生を採用する。この流れになります。

そう考えると、かつて私が経営に関わったデジタルハリウッドデジハリ)大学は
先進的な事例です。デジハリ大学は"デジタルコミュニケーションの本質について
理解している"人材を世の中に送り出す"、これがコミットメントです。

入口の偏差値が40前後とみなされている大学でしたが、
就職になると(就職しないで独立してしまう輩も結構おりましたが)、
こうした人材を希望する著名企業が採用する、という展開になっていました。
(今でもそうだと思います。)

デジハリ大学のような専門大学は稀で、多くの大学では「大学の課程」と
「社会で求める要件」がつながっていないのが実態です。
ここをつなげる、という試みが大至急必要なのではないかと考えています。
しかも、この「つなぎ」、学生にとっての未来から見て役立つ「認定」でないと意味がありません。
そうなると、今までの大学のカリキュラムだけでなく、異なる視点から
構築していくというアプローチになるだろうと思っています。

若い世代が社会に出て、すぐに全力で仕事ができるように、という想いから
大学生向けの塾(Miraiba)を開講することにしました。
このことは、過去にも何度かメルマガの中でもご紹介しました。
今後は変わりたいという想いのある大学のみなさんに対して、Miraibaで提供するコンテンツを
カリキュラムに組み込んでいただけるよう進めていきたいと考えています。
もちろん、高等学校からもありだな、と思います。

ちなみに、今後、認定基準を創っていくのであれば国内だけで通用する「認定」に
留めておく理由がありません。そのためには、国外、具体的にはアジア領域の中で、
等しく活用いただけるような「認定基準」をつくれるといいなあと思っています。
それが未来から見て意味のある「認定」になると思っています。

この試み、某大学の権威と一緒に進めることにしましたが、
熱意、ネタ、資金面でご協力いただける方は、このメルマガへの返信でお知らせください。
ビジネスとしても相当ポテンシャルのあるテーマだと思いますので。


さて、大学生諸君に直接お話しする場を設けました。9月には、2回やります。
メルマガをとっていただいている大学生諸君はぜひ! また、息子さん娘さん、
その他周囲に大学生の方がいらっしゃいましたら、お声掛けください。先着制で無料です。

http://miraiba.com/setsumeikai.php (お申込みはこちらから!)



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おまけ―1:小さい頃にやっていたポーズはいざ!というときに思わず出てしまうようです。
先日の雷。すぐ近くでドカーン!という音がしたときに、思わず、
「シェー!」というポーズをとったオジサンを目撃。


おまけー2:小さい時と言えば、「それは、びよびよだ。」という表現を小さい頃から使っていたので、
違和感がなかったのですが、数年前に同時通訳が入るパネルディスカッションで、
"That is... BIYO BIYO."と訳されて一般的な言葉ではないことがわかりました。


おまけー3:さて、柴田塾の10月(大阪)、12月(東京)の申込みエントリーを開始しました。
http://www.indigoblue.co.jp/shibata-juku/event.html

 ご応募、お待ちしております!