柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.397 "ひととなり"を知る

最近、全く役に立たない"力"がついてきたように思います。

例えば、迎えのタクシーが来たことが少し前にわかります。
"あっ、来た" と思うとその1分以内にドアチャイムが鳴ります。
道には他にも往来があるのですが、それには反応しません。迎えの車だけに反応します。

似たようなことですが、部屋の外に誰かが来たのがわかることがあります。
これも、そのちょっと前にわかります。先日あるところで、"あっ、Hさんがいらした"と感じ、
そう申し上げたところ、"Hさんは会議中のはず。本当ですか?"と事務方がホンマかいなと
ドアを開けたところ、そこにHさんあり。

あとは昔の仲間が夢に出てきて何かをすると、その方々に何かが起こります。
かつて一緒に仕事をしたKさんが夢の中で海釣りをしていました。
その翌日に、Kさんから連絡があり「転職を考えている」。

同じようなシチュエーションでYさんが登場。
心配になったので、メールしたところ「ご相談があります。」
今週も旧知のNさんが夢に出てきてパテーションにもたれてゆらゆらしていたので、
「大丈夫かー?」とメールしたところ、「実はひどく滅入ることがあり・・・」とのこと。


会議や講演中に意見があるヒトがわかることがあります。

そのヒトの周りの空気がふっと変わる感じがするのです。
私が会議のファシリテイターを務めているときに、
手を挙げていないヒトを指すのはそのせいです。これ、TV会議だとわかりません。
デジタル信号に乗ってしまうとわからなくなるようです。

どうせなら、もう少し世の中のためになるとか、おカネが貯まるとか、誰にも気づかれずに
背を20センチ伸ばす力とかが開発されるといいのですが、それはまだのようです。

これらの特殊能力は履歴書に書けません。書いてもいいのですが、
書いた瞬間に通常の履歴書としては使えなくなりますので。


そういえば、履歴書や職務経歴書では十分に表現できないことが結構あります。
その代表格が「どんなヒトなのか」です。

採用選考で最も知りたいことは「どんなヒトなのか」です。ところが、それが履歴書や
職務経歴書からだとわからない。人材紹介業のプロで、履歴書で全てわかる!!
という人もいるかもしれませんが、一般的には難しいと思います。
少なくとも私にはわかりません。

某企業が採用選考にあたって、自分の映像を送ってもらうようにしたという記事を目にしました。
なかなか良いアイディアだと思います。
私もIndigo Blueで求人するにあたって、自分をもっとも表現している写真を
1枚送ってくれるようにお願いしています。
そこに本人のセンスや想いが出ると思ったからです。静止画よりも映像の方がいいですね。
どのようなしゃべり方をするのか、どこで映像を撮影するか、など等、そのヒトの
"ひととなり"がよくわかりますから。

そういえば、チームビルディングを目的としたオフサイトミーティングの冒頭に
「写真」を使って、お互いの"ひととなり"を共有するセッションをよくやります。
「私はこんな人間です・・・」「こんな時が幸せです。」というテーマで
それぞれ写真を用意してもらいます。

その写真を投影しながら、なぜ、その写真を選んだのかについて1分程度で話してもらう。
どんなヒトなのか、結構、わかります。

文字や文章で表現できることには限界があります。私はこんな人間です・・・的なことを
文章で直接的に表現しようとすればするほど、暑苦しい文章になります。

"ひととなり"を伝えようとしたら、文脈や行間に想いを秘めた文章の方がいいと思います。
80~90%程度の表現で止め、10~20%を想像してもらう。そんな感じです。
但し、このやり方は一般のビジネス文書とは違います。
ビジネス文書の場合、大事なことは書き手の「想い」ではなく「事実」です。
想像の部分で誤解を生じさせたり、過大な期待を抱かせたりしてはいけないからです。

映像や写真ではなく、どうしても文章で、という場合には、行間に想いを秘めて・・・
と言ってもわからないかもしれませんので、"私小説"を書かせるのがいいでしょう。
独り言の作文ではなく、お話しを書いてもらうのです。お話しの広がりから、
そのヒトの"人となり"が見えるはずです。

"やばい、全然書けないぞ・・・(汗)"という人は文学を読みましょう。
文学に触れずに軽めのハウツー本ばかり読んでいると深みのある文章が書けなくなりますよ。



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おまけー1:「黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会60年史 男子バレー」のDVDを購入。
時代を創った選手(例えば中垣内さんとか)は明らかに動きが違います。
どこの世界でもスケール感の違う若手が出てきて、レベルが変わるんでしょうね。
会社組織でも見習いたいものです。


おまけー2:「柴田塾」の卒業生たちが大勢集まった飲み会で
「柴田先生のイカしたキャッチフレーズ」なるものをつくった、と事務局のF原さんからをもらいました。
1枚はなるほど。3枚はうーむ。1枚は「卒塾証没収」です。


おまけー3:毎回すぐに満席になってしまう「Global work Lite」
英語力ではなく英語でビジネスをするスキルのトレーニングです。3月は14、21、26、28日。
テーマは英語の会議のファシリテーションです。ご希望の方はお早目に。

http://www.indigoblue.co.jp/seminars/b02-Global-Work/event20120314.html