柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.408 アウトプット・スピードを上げる

日経産業新聞で「ベンチャー経営虎の巻」というコラムを月イチ連載しています。
今度の火曜日が掲載日ですが、その中でベンチャー企業は1週間単位で
PDCA(Plan-Do-Check-Action)を回すべき、と書きました。
実際、そのくらいのスピード感で動くからこそ、資金力や人材力、知名度で
大企業に劣るベンチャー企業が台頭できるわけです。

そもそも成長はスピードなしには語れません。大企業で成長戦略がなかなか実行されないのは
スピードに難があるからです。特に上場している大企業になると、
内部統制、稟議、相談役・・・など等、スピードに影響を与えるハードルがてんこ盛りです。

新しいことをやろうとすると当然リスクがあります。但し、リスク討議を本格的に始めてしまうと
"できない"理由がどんどん出てきます。次第に"やめといた方がいい"という世論が形成され、
プランはつくったが実行されない、誰も手を挙げないという事態に陥ります。

大企業で将来のための成長戦略を描き、本当に実行したいと考えたなら、戦略子会社をつくって、
本体とは異なる意思決定ルールでやった方がいいと思います。
撤退ルールだけはきちんとしておいて、日常的なオペレーションについて本体からの口出し無し。
このスタイルでやった方が絶対にいいです。

まずは、そういう"異郷の場"をつくる。その「場」で、議論し過ぎず、アウトプット優先で
どんどん進めていく。成長戦略を実行するために経営者がやるべき「その1」です。
とにかく、アウトプットをたくさん出す。そのうち珠玉のものが出てくるはずです。

となるといかにアウトプットをどんどん出せる集団にするか、ここが肝になります。

かつて、私がヒラのコンサルタント時代にとある企業で毎日たくさんのアウトプットをつくる
という作業を2か月連続してやったことがあります。
これが今の私の基盤になっていることは疑いありません。
先日、某著名コピーライターの方にお会いしましたが、その方も毎日800本くらいのコピーを
つくらされたことが基盤になっているそうです。

ある時期に滅茶苦茶な量のアウトプットをつくる作業をやっておくと、明らかにキャパが広がります。
そういう意味でアウトプットを出すための「千本ノック」を意図的にやった方がいいですね。

「千本ノック」とはこんな感じです。

大量の情報を制限時間内に整理(構造化)する
現行のビジネススキームに付加価値をつける提案を制限時間内につくる

こういう特訓をやりましょう。特に対象とすべきは「入社3年目から10年目くらいの方々」。

この方々はその時期に「アウトプット筋肉」を鍛えておかないと、中高年になってから
"使えないおじさん"になってしまう可能性があります。

経営者や人事担当の方がこれを読まれましたら、そういう研修を企画してください。
(いつでも手伝います。(^_-) ワタシニオデンワクダイ。ドウゾヨロシク。)

個人の方は自分でこれを日常的に自分に課してください。何かに取り組むときには、
制限時間を決めてその中でやり切るようにしてみてください。
これが習慣づくと短い時間の中でもアウトプットを出せるようになります。
そういうヒトがある程度社内に出てくると、自然にスピードが上がります。
(その際に部長クラスがそのスピードについてこれなくなったら、"世代交代"ですね。)

ベンチャー企業の場合には、"アウトプット・スピードを高めないと生き残れない"
という環境要因があるので、自然とそうなっていきます。
大企業で安定収入があるとなかなかそうはいきません。
ベンチャーでは、組織的、個人的に負荷をかけることを意図的にやった方がいいでしょうね。



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おまけー1:能登半島で講演後、七尾線で福井に移動。車内で高校生たちの会話。
「おまえの誕生日にニワトリ贈るで」「おお、お返しもニワトリでいい?」
「いい、コケコッコー」。さすが。


おまけー2:能登半島のホテルの露店風呂付大浴場。20時過ぎにホテルに着くと、浴衣を着た
"じいさん・ばあさん"が大量にうろうろ。(そういうホテルです。)

(これは、今風呂にいくと大量の"じいさん"に遭遇する・・)

かつて鹿児島で大量の"じいさん"が入っている湯船につかったところ、
急速にエネルギーを吸いとられる感があり、(今行くとまずい)その日は大浴場を断念。

次の日の朝、6時にいざ大浴場へ。大浴場は5時半からとのこと。部屋から大浴場までは静か。
いい作戦だったとニマニマしながら、男湯ののれんをくぐったところ、

大量の"じいさん"のスリッパが。(しまった! 年寄りは朝早い! (゜o゜) )


おまけー3:数字でビジネスを語れと言われても・・・(+_+)

という苦手意識を持っている人が少なくないですよね。
そういうヒトに"こそっと"と勉強して苦手意識をなくしてもらいたい!
と始めた「ビジネス数学」講座ですが5月は満席。

6月分の受付を開始しました。

『ビジネス数学入門』 ~ 仕事で使える数字の読み方 ~
(6/5 19:30 Start 毎週火曜日 全4回):
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