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柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.411 力関係なるもの

金曜日、サッカー日本代表ワールドカップ3次予選の対ヨルダン戦。
「6-0」で日本が圧勝でした。私はサッカーについては完全にミーハー。
大きな試合のときだけ、代表ユニフォームを着たりして、にわか応援団になるクチです。
技術的なことはわかりませんが、この日の香川選手の動きを見て、
「組み合わせの妙」かな、と。

香川選手もゴールを決めましたし、それなりに活躍していましたが、
ドイツでの大活躍ぶりと比較するとやや精彩を欠いていたように思えました。
(言い訳その1:ドイツのチームでのポジションと
代表のポジションが違うので比較してはダメなのかもしれませんが、素人ゆえお許しを)

彼が大活躍しているドイツのチームと違い日本代表には本田選手がいます。
ドイツでは、おそらく無心でプレーしているのでしょうが、日本代表では、
無意識のうちに本田選手を見ながら動いているのではないでしょうか。
(言い訳その2:くどいようですが、そういうポジションなのだ、
ということであればそうかもしれませんが。)

複数の人間が集まると、そこに目に見えない"力関係"が生まれます。
仕切るヒト、お世話をするヒト、従うヒト、敢えて動かないヒト・・・。

どこにいっても「仕切り役」になるヒトもいます。どこいっても「従うヒト」もいるでしょう。
但し、多くの場合、その時のメンバーの顔ぶれから、動き方を変えているのではないでしょうか。


会社組織の中には、「なんとか長」という肩書があり、経験や年齢という要素もあります。
過去にお世話になったとか、助けてやったことがある、とか、
さらには社長と個人的に親しいとか・・・"力関係"を決める要素はたくさんあります。

この手のことを直感的に意識し、ある程度顔色を見ながら動く。
それが組織人の一般的な姿です。
組織上、リーダーという役割がついていると、リーダーらしく動かないといけないと思いますし、
リーダー以外のヒトたちは、まずはそのリーダーの言うことを聞こうと思うわけです。

こういうことが悪いと言っているのではありません。それがあるから、
組織が全体として自律的に動くわけです。
ただ、その"力関係"によって、本来の力を発揮できていないヒトがいたとしたら、
その"力関係"を解消するように誰かが動かなければなりません。

サッカーであれば監督、組織においては社長や人事部長の仕事です。

無心でやらせると100の力があるはずなのに、組織の"力関係"から
50くらいの仕事ぶりになっている。
そんなヒトがいたら、そのヒトの所属や組織の構成を変えてあげることです。
それが「配置」の仕事です。

誰かが異動したから、退職したから、頭数合わせの玉突き人事とその調整。
これは「配置」ではなく「後処理」です。これはこれで必要な仕事ですが、
人事としての本質的な仕事はこれではありません。
組織としてのパフォーマンスを最大化するための組み合わせを追求すること、これです。

このためには組織の様子やいろいろなヒトの"化けよう"をウオッチしておく必要があります。
私が主催している柴田塾では、3日間でグループワークの組み合わせを何度も変えます。
すると、組み合わせによって、前のグループでは完全に「聞き役」だったヒトが、
新しいグループになった途端に「仕切り役」としてグループを引っ張り、良いアウトプットを
出している風景をよく目にします。ヒトはその場の面子により、"化け"ます。

非常に伸び伸びとグループワークに参加し、いい動きをする若い参加者がいました。
ところが、この若者、自分の会社に戻ったときには半分以下の仕事ぶりになっています。
それは、上司や周囲の"力関係"を意識した動きで自分で自分を制御しているからです。

60歳近い方で、社内ではやや窓際ぽい扱いになっており、
常に"言われたことをやるだけ"になっていたヒトが、
グループワークでは素晴らしいリーダーになっている。
こういう姿を目にすると、もったいないなあと思います。

こういう状態を長らく放置すると"自己制御"が癖になり、
本来デキるはずが本当にデキなくなります。

パフォーマンスが悪いと、"何やってんだ!"と叱り、評価を下げ、賞与を減額。昇給もなし。
事業のラインマネジメントとしては、ある意味で当たり前の処置ですが、その追随だけでは
人事マネジメントが不在になります。組み合わせによる"力関係"が原因していないかウオッチし、
限りある社内リソースの最大活用を図る。それが本来の人事マネジメントの仕事です。


だからこそ、小さな組織であれば社長本人が、大きい組織であれば人事部長が、
ヒトを良く見る機会を持つことが重要です。研修は最大の機会です。
研修の立ち合いの事務局が参加者の様子を見ずに、PC作業をしている風景をよく目にします。
事務局の仕事は研修がきちんと回ることに気を配る上に、
受講生の様子をモニターして報告すること。後者の機会を逸します。


怪我から代表に復帰した本田選手の存在感は十分に確認できたと思います。
その周囲の認知を得た本田選手は"お膳立て"に回っても、
スーパー・パフォーマンスを発揮できる選手と思います。
前回のW杯がそうだったと思います。
香川選手をトップ下に配置して思う存分プレーさせる。
(もちろん、その前に配置転換の意味はしっかり話す必要がありますが)とどうなるか、
見てみたいものですね。
(言い訳その3:またまた、素人の発想ですみません。)



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おまけー1:英語もそうです。自分が話さないといけないという環境に身を置かれると
脳から脂汗をたらしながらでも、やれるようになるものです。
そういう体験がグローバル環境で仕事をする際に役立ちます。 

ということで「体感型ケーススタディ英語版」(トライアル)を開発しました。
ある意味、英語の修羅場体験。トライアルなので若干名の募集ですが、いかがです?

http://www.indigoblue.co.jp/seminars/b03-OT/event20120629.html


おまけー2:私はどこにいっても「仕切り役」をやりがちで、過去にそれで団地の自治会の
役員になったり、某団体の陳情とりまとめで役所に出掛けたり・・・、えらい目にあってきました。
ので、やばそうな場合にはマスクをして、口にモノを入れて会合に出るようにしています。


おまけー3:男子バレー、サーブミス多過ぎ。辛い。私が見ているとミスすることが多いような
気がして、サーブするときにはできるだけ画面を見ないようにしたりしていますが、
つい見てしまい、ミスが・・・。うむむ。