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柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.428 アルマジロと岩地蔵

「アルマジロ」。

 

上が、いくら改革を叫んでも、厳しく接しても一向に変わらない。
固い甲羅に身を包み、耐えに耐え、その上があきらめたり、退任するのを待つ。

 

こういう集団を「アルマジロ」と称したことがあります。
かつて某公務員組織でこれを発見しました。公務員にしてみると、
「上」は政治家なので一定期間が過ぎればいなくなります。

どんな事を言われても、どんな仕打ちを受けても・・・、我慢していれば
そのうちに事態が変わります。

 

"だから「はい」と言いますが、実際にはやりません。"

本音の飲み会でそう仰る方々に大勢お会いして愕然としました。

 

彼ら彼女らの話を聞くと改革の"中味"の問題ではなく、
"変わる"ということが嫌。

"中味"について向き合う以前の感情的な反応です。落ち着いて、
"中味"の議論をすると「悪くない」という反応だったりします。

 

そこには、自分たちが与り知らないところで話が進むことへの嫌悪感、
警戒感、やれるものならやってみろ感・・・があります。同時に、
その組織は自分たちが所属していることで動いているという自負があります。

 

これは公務員組織だけの話ではありません。良く見ると民間企業でもあります。
民間企業の場合、「身分保証」がありませんが、多くの連中は
「まさか自分が首になる」とは思っていません。

特に労働集約的で、かつ現場がある業種(小売り、工場等)では
この傾向があります。

("自分たちなしに商売できないでしょ"という想いです。)



 

その態度の是非はともかく、改革を進めようとしたら彼ら彼女らの
当事者意識とプライドを意識して進めるのが一番です。つまり、
この「アルマジロ」たちに改革をリードしてもらうように仕掛けるのです。

 

 

まずは、なんといってもそのための対話が必要です。更には、
長らく同じ仕事をして視野が狭くなっている可能性が高いので
「アルマジロ」たちの視野を広げるようなトレーニング(教育)が
必要になるでしょう。これらを省いて、結果を性急に求めると、
至るところで頓挫します。

変えるのであれば時間の投資を覚悟しましょう。

 

「アルマジロ」は困った集団ですが、この集団はアプローチによっては
"前向き"な動力として期待することが可能だと思っています。

 

困るのは「岩地蔵」です。こればかりは撤去しないとどうにもなりません。

 

「岩地蔵」は部長などの要職にあり、社内的には"重鎮"と思われています。

年齢も結構上です。定年まであと数年です。

 

基本的に何を考えているのかわかりません。下からの提案については
「いい」とも「ダメ」とも言いません。
その状態で、社長などに下がプレゼンしてダメ出しを受けると一緒になって
下を攻撃します。上が言うことについては全て「はい」と言います。

 

全ての場において最初に意見を言うことはありません。
周囲の意見を聞いた上で多勢につきます。

 

上が個人的な事情等で困ったときには、信じられないくらいの
ホスピタリティを発揮しますので、上にしてみると"借りがある"
という感じになります。しかし、そうであっても、この「岩地蔵」、
その上が"上"でなくなると掌を返したような態度になります。

 

「岩地蔵」はだいたいにおいて友達がいません。ヒマです。長─く会社にいます。
なかなか帰りません。ですから、上が電話したり、部屋を覗くと必ずいます。
しかも、何かやっているような気配をつくるのがうまいです。
多くの場合、右のものを左に、左のものを右に移しているだけです。
または、自分で問題を起こして、自分でその対処にあたっています。
自分で火をつけて、消して回っているようなものです。

 

 

「岩地蔵」のことをよく言う人はいません。

 

この「岩地蔵」は人事部長や総務部長など管理系の責任者に出没しやすいです。
そうなるとその組織はこの「岩地蔵」に牛耳られているも同然。
ここをなんとかしないと組織が腐ります。




 

「組織に潜む6つの集団」という中で「周囲に悪影響を与えて組織を朽ちらす」
存在として"キャンサー"という説明をすることがありますが、
「岩地蔵」はキャンサーの最上級です。

これをなんとかしないと本当に組織がおかしくなります。

この仕事はトップの最大使命の一つですね。

 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20061128/114497/?rt=nocnt

(6つの集団については上記をご参照ください。)


 

組織の中に「岩地蔵」をつくららないための施策は
「全ての仕事・役職を任期制にする」ことだと思います。
例えば、全ての役職を2年任期にする。役職や仕事を既得権にしてはいけません。

ビジネスにおいては、常に考えられるベストチームで臨む。
これができないと内部の理由から成長スピードが落ちたり、崩壊します。
貢献年数蓄積型の資格制度を止めましょう。

 



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おまけー1:最近思っていることを映像にしてみました。
お時間のあるときにご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=o7U8QxAbE2o

 

 

おまけー2:「ステキな金縛り」(三谷幸喜監督)をビデオで観ました。
2度目です。この作品の中で「ザ・マジックアワー」の主演の村田大樹が
出てくるシーンが好きです。"このヒトは変わらないなあ"とニヤリ。

 

おまけー3:「領収書いただけますか?」「宛名はいかがいたしましょう?」
と言われて、「上で」と言うと「上田」と書かれ、「しばた」というと
「紫田」と書く。

 

「後でこっちで書きます。」というと、「いや、それダメなんで。」という。
(こいつー)