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柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.466 言語技術のススメ

夏本番かと思いきや、梅雨ぽい湿気でもあり。ゲリラ雷雨もあり・・・
スキッとしない毎日ですね。

さて、最近「言語技術」なるものに注目しています。
言語技術とは、自分の考えをクリアに主張する技術(スキル)のことです。

こんな感じです。「私はこう思う。なぜならば・・・・。だから、私はこう思う。」

この構成で自分の考えを1分で話せるようにする。それが言語技術です。

これができるようになると、ビジネス上の会話の質が明らかに上がります。
但し、日本人はこれが苦手です。なにしろ、そもそもの日本語の構造がこれとは
違いますから。動詞が文尾に来るので最後に主張する癖がついてしまっています。

「何々がこうして、あーして、で、こうなって、あーなって、
だから、私はこう思う(わない)」という流れで話すのが一般的です。

しかも、あーだ、こーだ言いながら聞き手の顔色を見て主張を調整することができるわけです。
これが一層主張をわかりにくくします。

一方で英語は主語の次に動詞が来ます。ですから、文頭で主張が明らかになります。
また、YES、NOを最初に言う癖がついています。ここでも主張が明らかになります。

この違いがあるので、英語圏の人達と交渉や会議をすると、
「日本人は何を考えているのかわからん!」となるわけです。しかも、英語力の問題もあり、
日本人は後手に回りがちです。

会議中は自分の主張をせずに相手の主張を頷いて聞く。その上で、後日「NO」と
返事したりするので「What!?」となるわけです。そりゃそうですよね。

これは昔から指摘されている課題です。グローバルにビジネスを展開している以上、
そろそろ、これを"永遠の棚上げ課題"ではなく、対処すべき課題として直視した方が
いいと思います。

それともう一つ。日本人同士の会話で主張を前面に出すと角が立つと言われます。
調和を図りながら会話する癖がついていますから。但し、公式の会議の場では調和を図ったような
玉虫の色の発言(どっちにでもとれる発言)をしておいて、後々違うことをするのは止めましょう。
また、議事録の回覧で発言内容をこっそり修正するのも止めましょう。

コミュニケーションチャネルに公式のものと非公式のものがあり、非公式の方がパワフルなのは
世の常です。職制を通じて伝えたものよりも、タバコ部屋や給湯室、最近でメッセンジャー
よる"噂"の方がはるかに速く伝わります。これは、興味が行動のドライバーたる人間の性です。
それを否定しません。しかしながら、ビジネス上の対話でも非公式作戦はわかりにくい上に
非効率です。また、社内政治を生みがちです。

シンプルなやり方に代えましょう。それを推進するスキルが「言語技術」だと思うのです。

「言語技術」を意識した上で、会議や交渉の場では、主張の理由(ロジックと感情)を
構造化するようにする。これもスキルです。このための訓練で有効なのが「ディベート
なのですが、古典的な「ディベート」を極めるやり方ではない方がいいと思います。

古典的な「ディベート」はポイントをつける勝ち負けを競うものです。柴田塾でも
ディベート」的なプログラムを取り入れていますが、勝ち負けに焦点をあてるのではなく、
相手のロジックと感情を構造化するスキルに焦点をあてています。

自分と異なる主張なのはなぜか。それは判断基準が違うのか、判断要素が違うのか、
背景にある感情的なものが影響しているのか、これらを冷静に俯瞰する。
これだと思っています。

このトレーニングを意識的にやるべきだと思うのです。

本来はこの手のトレーニングは社会に出る前に終えていると理想的です。但し、残念ながら
日本の教育体系にはこの手のプログラムがありません。教育関係者のみなさんも問題意識を
持っておられるのはわかっていますが、何分、動かない。(動けない?)。 
しかし、待っていられないと思うので、某就職支援のリーディングカンパニーと一緒に
プログラムについて議論を開始しました。たぶん、秋にはご案内できると思います。

昨日、某企業の選抜人材に対する6か月のトレーニングが開始しました。
この中でも「1分スピーチ」を取り入れています。前年度に同じことをやりましたところ、
半年後に参加者の発言の質が劇的に改善しました。今回も同じ効果を期待して。


おまけー1:その昔、ある方から日本人は「I don't think so.」と言われると腹を立てるが、
そこがいけない、と言われたので、早速その方に「I don't think so」と言ってみたところ、
明らかに気分を害していらっしゃいました・・・

おまけー2:昨晩、アメリカ人×3、イギリス人×1、日本人×3で会食。超盛り上がる。
しかも、フランス料理店で餃子に「スキ焼」というグローバルな会食。

おまけー3:先日、地下鉄市ヶ谷駅でバッタリお会いした知人の社会の窓が全開、
あまりの全開さに指摘できず。その後、エスカレーターを昇っていると、
下りには久方ぶりにお会いする知人の女性。会釈した瞬間、フレアスカートがふわー。
あまりの連続パンツ攻撃にこれは何かの暗示かと。(いまだに何も起きていませんが。)