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柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.485 管理職層という呼び名を止めましょう

「管理職層」と「一般職層」。この整理の仕方をそろそろ止めませんか。
 
世の中で使われている「管理職層」は課長もしくは、それと同等以上で残業手当が
つかない人達のこと、「一般職層」は残業手当がつく人達(組合員のこと)のことですね。
 
であれば、Exempt(エグゼンプト:時間外手当の対象ではない)とNon-exempt(ノン・
エグゼンプト:時間外手当の対象)という呼称の方が直接的ですし、グローバル
スタンダードです。
 
しかし、このExemptという言葉、日本人には馴染みがありません。人事部的には
日本語化したいところです。だからといって、Exemptを"幹部職"とか"基幹職"
とするのは違和感があります。これだと、なんだか「Non-exempt」よりも「Exempt」の方
がエライ"感じになってしまいます。
 
そういうことではないのです。
 
「Exempt」と「Non-Exempt」の違いは"問われていること"、"やっている仕事の性質"です。
必ずしも上下関係を表すものではありません。
 
「Exempt」は「役割責任」の果たし具合を問われる働き方をする人達のことです。
何時間働いたかを問われているわけではありません。ですから時間外手当の対象外なのです。
 
但し、当然ながら社内外のいろいろな人達と仕事をすることになるので、自由きままに
働く時間を決められるというわけではありません。(それだといい仕事ができません。)
周囲のことを考えながら、最も効率的な時間の使い方を目指す。これが「Exempt」です。
 
一方で「Non-Exempt」は自分の時間を提供してその対価をもらう、という働き方をする人達です。
「労働単価」×「働いた時間」で報酬が決まります。
 
仕事の難易度にはかなりの幅があります。決まりきったことをやる簡単な仕事から、
熟練度や高度な専門性を発揮することで価値を提供する仕事もあります。「労働単価」は
当然異なります。時給も800円から10万円くらいまでの幅があります。しかし、
いずれであっても誰かの指示や要請に基づき、仕事をするという点では同じです。
 
新卒であっても「Exempt」としての採用試験をパスした人達は「Exempt」として扱います。
しかし、遅くとも3年以内に一人前の「Exempt」として活躍できるための職種経験やトレーニングを供与します。また、この活躍できる範囲が特定事業から複数事業、または新規事業に、ロケーションも自分の国籍地からそれ以外に広がること、権限が大きくなることによって格付が上位になります。
 
「Non-Exempt」は一定期間経験することで誰でも習熟するレベルから、特段の経験、学習により習得する技術や専門性を問われるレベル、更には余人を以て代え難い"社宝"級へ進化することで格付けが上位になります。
 
考え方としては、「Exempt」と「Non-exempt」は併存するものです。2つのコースと言っても良いでしょう。「Non-exempt」から昇格して「Exempt」になるわけではありません。
コースが異なります。
 
本人の意思、または会社の意思により、コース間の行き来は発生します。例えば「Exempt」の社員が、育児、介護等の個人的な事情で時間制限をしたいときには、手を挙げて「Non-exempt」に移行します。「Non-exempt」で採用した社員であっても、本人がその気になったときにはコース転換認定審査を経て「Exempt」に移管できるようにします。
 
マネジメント職は概ね「Exempt」から選出されますが、初級マネジメント職の場合、
「Non-exempt」から選出されることもあります。
 
一般職から管理職へ昇格するモデルの場合、昇格しないと社内的には"負け組"ぽくなります。
全員に対して管理職を目指せというモデルだからです。結果として不向きの人、なりたくない人まで管理職層への昇格を目指すことになり、大量の中高年、"管理職相当者"が生まれることになるのです。これは、高度経済成長下で、かつ大量の労働者が社内に流入していた時代の産物です。
いい加減にこのやり方を止めましょう。
 
また、格付けについては「Exempt」「Non-exempt」に関わらず、3年程度で全員を対象に見直し・再格付けを図るのを当たり前にしましょう。さもないと、社内序列が過去の積み上げになります。
世代交代に時間を要します。また、成長著しい若手が、"どう考えてみても自分より仕事ができない中高年の給与の方が高い"とことに不満を抱き、社内の組織感情が荒れます。
 
さて、この「再格付」ですが、職務評価で済む話しではありません。やるべきは、組織内の現職者の相対評価(順位づけ)です。近年、この要望が多いので、そのための簡単なツール「マトリクス・バトル」を開発しました。
 
関心のある方は以下までお知らせください。
 
info@indigoblue.co.jp
 
 
ちなみに、この「Exempt」ですが、日本語にするとしたら「総合職」が最もマッチしますね。
「Non-exempt」は「一般職」(格付けの上位は「担当職」)でしょう。(バブル崩壊後、いろいろいじくってきた人事制度もここに来て原点回帰しながら進化させる時期だと思います。)
 
 
おまけー1:とある企業グループの「次世代リーダー育成研修」の最終プログラム:経営陣に向けての参加者個人からの提言」のオリエンテーションでのこと。
 
「パワーポイントでも、フリップチャートでも、トークだけでも構いません。形式は問いません。」と私。
 
参加者の一人、「本当に何でもいいですか?」と言いながら、微妙な手の動き。
 
「ギターの弾き語りはダメです。」
 
 
おまけー2:オレンジ色で著名なタクシーでの会話から以下の設問に答えよ。
 
運転手:はい、890円です
乗 客:Suicaでお願いします
運転手:いやー、乗るときに言ってくれないと。現金精算にしちゃったから。
 
この運転手の心象として正しいものを一つ選んで○をつけよ。
 
( ) メーターを落とすときにSUICAスイッチを押さないと後では対応できないから
( ) SUICA対応機器の立ち上げに時間がかかるから
( ) SUICAだと"あがり"をごませかせないから
 
 
おまけー3:まだお正月の「おせち」を注文していらっしゃらない方へ。
 
今年は広島駅弁当株式会社のおせちをどうぞ。(私も注文しました!)
 
 
※この会社の方のおかげで来年2月に柴田塾を広島で初開催することになりました。
(2月20日~22日です。詳細はこちら。
(広島付近の方へお急ぎください。既に残席3です。)