柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.500 人生の逆算

人事の目が「500号」を迎えました。(パチパチ)発信開始して11年。
われながら良く続けていると思います。しかしまだ、たったの500号。
 
今年、52歳になりました。しかし、まだまだ。平均余命からしてあと30年はあります。
 
自分の死について、これまで想像したこともありませんでしたが、最近、真面目に
考えています。余命・・・と宣言されたわけではありません。(笑)ご心配なく。
体調はここ数年でベストです。そうではありません。そろそろ「人生の逆算」を真面目に
考えようと思っているのです。
 
取材や講演のQ&Aで「柴田さんのビジョンは?」と問われる度にこう答えてきました。
 
「周囲の人を幸せにすること」。
 
最初にこれを意識したのは、今から32年前、京王プラザホテルで人事制度改訂に携わって
いたときのことです。社員食堂で色とりどりの制服に身を包んだ社員、アルバイトたちが
短い休憩(それこそ、10分で食って帰って来い!の世界)にも関わらず、笑顔で食事を
とっている風景を目にしたときに、「あー、この人達を幸せにしたい」と思ったのが
きっかけです。
 
その後、コンサルティング会社時代も、様々な会社での経営者時代も同じでした。
周囲の人(社員、お客様、その他関係者)が幸せを感じてくれることを願って仕事をして
きました。これは今後も変わらないと思います。
 
ちなみに、この場合の「幸せ」とは「仕事上、物事がスムーズに進み、そこに変なストレスや
諦めがなく快適感がある」です。一人ひとりの人生に深く立ち入って"幸せにする"
という大それたことを言っているわけではありません。
 
しかし、この"周囲の人のため"というマインドセットが常に優先してくると、自分のことが
疎かになりがちです。自分を捨てて周囲に尽くす、という姿勢は美しいのですが、
本当にそれだけでよいのか、と。自分のことが疎かということは、自分に最も近い人達
(家族や友人)を疎かにするのと同義になる。このことに今更ながら気づいたのです。
 
ワーク&ライフバランスは「仕事量を減らそう」ということではなく、「仕事を理由に、
自分のこと、自分の家族・友人のことを疎かにしてはいけない」ということだと思います。
 
正直に告白すると、ビジネスではPDCAサイクルを意識してきたが、自分の人生においては
それを疎かにしてきた感があります。これはいかがなものか、と思ったのです。いい加減、
人生のPDCAサイクルもきちんと回そう。このために「人生の逆算」を意識し始めたわけです。
 
自分自身のことについてチャランポランにやってきたわけではありません。その時その時、
極めて真剣に考え、課題に立ち向かってきたという自負はあります。しかし、それはしょせん
"飛んできた球への真摯な対応"。そこにPDCAがあったかというとそうではない。
だとすると、それは結果として"その場しのぎ"なのです。
 
仕事でも自分のことでも目の前のことに全力を尽くす姿勢は変えるつもりはありません。
(変えられません)一方で、仕事のことと自分のことを同じ土俵に載せて、しっかりPDCA
回していこうと思っています。コンサルティングは契約期間、企業の再生は最長3年、
と時間軸を設定してやっています。これと同じく、自分の人生についても時間軸を意識して
逆算して成果を出そうと。
 
メルマガ「500号」を記念して「24時間働けますか?系」の中高年男性、女性に贈ります。
 
 
おまけ―1:「ウォルト・ディズニーの約束」いいですよ。
見終わった後で英文の本タイトルが心に沁みます。
 
 
そろそろ終わってしまうかもしれないという気配が劇場内にありました。お早目に。
 
 
おまけー2:最近走るときにヘッドフォン一体型「Walkman」を愛用しています。
(誕生日に自分用のプレゼントでした。)これなかなかの優れものです。
 
 
 
 
おまけー3:六本木「金魚」に久し振りに行きました。変わらず元気をもらえる舞台。
ダンサーの一人と話してオーナーの谷本氏が2年前に亡くなられていたことを知りました。
舞台の袖でステージと観客席を厳しく見つめていた姿が記憶にあります。遅ればせながら合掌。