柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.535 2014年

2014年最後のメルマガです。ご愛読いただきありがとうございました。

 

今年1年は「時間との戦い」でした。

 

限られた時間の中で、公私共に、いかにやりたいことをやるか、新しいことを

吸収するか、自分の器を広げるか、結果として、自分に関わってくれている人たちを

幸せにするか。(幸せの定義はいろいろですが)この戦いでした。

 

ただでさえ、いろいろやっていたのに、7月からは東証マザーズ上場のパス株式会社の

CEOをお引き受けしたので、リアルに自分自身の時間配分と質的管理が問われた1年

だったと思います。

 

そんな中でも、未来を拓く方々の育成のお手伝いをしたいという気持ちは強く、

幹部候補者の選抜と育成には時間をかけました。

 

スケジュールの関係から、お引き受けできるのがせいぜい5社程度なのですが、

今年も幹部候補者を10名~20名程度を3か月から6か月の間お預かりして、特別版の

柴田塾をやってきました。

 

私の経験談、リーダーシップ論から、体験型ケーススタディはもちろんのこと、

受講生間の相互コーチング、言語技術、ディベート、プレゼンテーション、ファシリ

テーションなどのスキルトレーニングも重ね、最終的にはその企業の経営陣に気合の

入った提言をしてもらっています。

 

テーマは、“10年後に自分たちが経営チームになっているとしたら、今から何を

すべきか、何を止めるべきか?”。これが定番です。いかに未来から見ることが

できるか、経営陣の目線で考えられるか、覚悟はあるか、これらを問います。

 

先週も、ある企業で最終プレゼンテーションをしてもらいました。

 

プレゼンの前日になると、私自身泊まり込みでプレゼンの仕上げのコーチをします。

視座、内容はもちろんのこと、プレゼンそのもの、提言書の添削等、渾身のサポートを

します。

 

提言そのものは荒削りでダメ出しされて当然の箇所もありましたが、嬉しかったのは

提言を聞いた同社の社長さんが急きょスケジュールを変更し、その日の打ち上げに

同席されたことです。受講生たちの想いを受け止めてくれたわけです。感激でした。

(こういう社長がいる会社だと私もやった甲斐があります。)

 

さて、選抜人財と一定期間に断続的にお会いしていると、どの企業にも次の3つの

タイプがいることに気づきます。

 

(1)底知れぬポテンシャルのヒト

(2)自分のポテンシャルを使い切っているヒト

(3)自らポテンシャルを狭めているヒト

 

 

「底知れぬポテンシャル」はその字の通り。楽しみな存在です。「ポテンシャルを

使い切った」ヒトからは必死感が伝わります。そこに余裕はありません。

 

「ポテンシャルを狭めている」ヒトをどうするか。ここが私の挑戦です。

 

この手の人は、元が優秀なのでこれまで全力を出さなくてもそれなりの仕事ができて

きたはずです。これにより全力が出せなくなっています。

 

パターン化した仕事に向き合っているうちは問題ありませんが、利害関係者が複数にわたる

複雑な課題に遭遇したときに対応できなくなります。頭ではわかっているが身体が動かない

(全力が出せない)状態となっているのです。

 

こういうヒトに遭遇したときには、その人に直接的にフィードバックします。そこからです。

あとは本人が自分の小さなプライドを守って殻に閉じこもるか、殻を破って出てくるか。

いろいろな刺激を与えながら、見守ります。

 

この手のヒトは年齢が高くなればなるほど、修正しにくい。殻が硬くなっています。

若いうちに、30代のうちに是正したいですね。

 

来年もこうした人づくりをできる限り継続したいと思っています。

 

 

おまけー1:今年のIndigo Blueの忘年会のテーマは「卓球」です。関係者も増えました。

楽しみです。

 

おまけー2:年末年始に読もうと思って積読本を数冊購入。ちらりと読み始めましたが

「問いかける技術」(エドガー・H・シャイン)なかなかいいです。

 

おまけー3:今年最後のOTを終えて、最後まで残ったメンバーたちと記念写真を撮ることにして、

その会社のショールームに行きました。通りすがりのショールームのお姉さんにiphone

渡して写真をお願いしたところ、するするとかなり後ろに。あー、と思う間もなく

その会社の商品とロゴを中心に撮影してくれました。お願いする相手を間違えました・・・

 

 

よいクリスマスをお過ごしください。次年度最初のメルマガは1月4日を予定しています。