柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.261 学校は本当に大切!

全国から集まった校長、教頭を対象に講演してきました。
場所は筑波の教育センターです。全国から100名弱の学校責任者たちが参集。
ここで数週間合宿し、学校を経営するために必要な視点や手法を学びます。
参加者の大半が公立学校の方ですが、中には私立から参加されている方もいます。
私の担当は組織運営とリーダーシップです。

この合宿で講演するのは通算で8回目になります。最近では合宿の最後に私のパートを
用意いただいているので、(これが終わったら帰れるーということから)参加者の表情も
柔らかく、今回もいい感じで話しを進めることができました。

現在、新たに依頼される講演については原則としてお引き受けしないように
しているのですが、教育関係者を対象としたものは例外的にお引き受けしています。

なんといっても、今はCCCグループ社員とそのお客様に対しての時間を
プライオリティです。先週はCCCのお客様のご依頼で帯広に出向き、講演と
「出張"柴田塾"」をやってきました。
近く、九州、四国、広島、名古屋にも出向く予定です。 CCCの大改革を進めながら、
その上、外部講演を全部受けていてはとても時間が足りません・・・それでも、
可能な限り、教育関係者のお役にはたちたいと思っています。

学校は大切な場です。次世代の教育をきちんとやっていきませんと、
日本の未来がありません。しかし、現実の学校の現場は、というと実に
苦しい状況にあります。 よく私が比喩する「集団皿回し」の最たる場所が学校ではないか
と思います。昔からのやり方、作業を継続しながらも、新しいことがどんどん振ってくる。
しかも、新しいことは"実験的要素"が強く、実務的なサポート体制がほとんどない。

加えて、人事権や予算など、学校を運営していくためのマネジメントの仕組みがない上に
、組織運営を体感したり学ぶんだりすることなく「長」をやらざるをえない状況にあります。
しかも、薄給。おまけにモンスターペアレンツと揶揄される親たちも台頭してくる有様。

これで、学校を良くせよというのが無理です。

学校については、根本的に直していく必要があると思うのですが、今の私の状況から、
できることが限られています。そこで、せめて、自分が講演することで、お役に立てるなら、
出来る範囲でやっていこうと思っています。

なんといっても学校で働く教職員のみなさんが疲弊せずに生き生きと働ける環境が
ないと、そこで学ぶ子供たちに生き生きと学んでもらうことなどできません。
ESないところにCSなし、です。学校運営を考える上で、まずやるべきことは
「何かを止めること」だと思います。

集団皿回しから脱するためには「何かを止める」意思決定が必要です。
これは、担当者にはできません。それこそ、学校責任者が腹を決めて
「止め」なければなりません。最も大切なことは、先生が生き生きと働けること。
そして、優れた教員を集めること。

非常勤講師については、教員免許にこだわることはないと思います。
実社会で活躍する人たちをどんどん招き、つないでいく、こうしたことが縦横無尽に
できるようになるとだいぶ変わります。

先生方にも実社会での経験を積んでいただく。また、学校の外で開発されている
さまざまな事柄を吸収できる機会を用意していく。
議論の進め方、プレゼンテーションの手法、そして、デジタルコミュニケーションの本質。
こうしたことを、常に現場の教員がアップデートできるような仕組みが望まれます。

現在の政治状況から、これが進むことが望み薄なので、私ができることがあれば、
できる範囲でやっていこうと思っている次第です。

学ぶことは楽しいはずです。また、教員は尊敬と尊厳が与えられて然るべきなのですが。
フィンランドとの大きな違いはここですね。)



おまけー1:
帯広はマイナス6度でした! さすがに辺り一面雪。"雪だるま"とか "かまくら"を
作っている人はおりません。雪がパウダー状なので、作りにくいらしいのですが、
そもそも、雪を楽しんでいる状況にはないのです。
北の国からを思い出します。"雪はよー・・・"と口が尖ります。)


おまけー2:
筑波からの帰りの特急。隣に座った女性が「組織を伸ばす人、潰す人」を
読んでいました! しかも、金麦のお姉さんみたいなナイスな女性。さて、著者として
どのような対応をとったでしょうか?

(1)「それ、僕が書いたんだよねー」と言って、堂々と話しかけた
(2)咳払いをしたり、名刺を落としたりして著者であることを知らせ、相手の反応を待った
(3)できるだけ、気づかれないようにオーラを消した


おまけー3:
IKEAに黄色と青のパーカーを絶対に着て行ってはいけません。
やたらと店員に間違えられます。
「あっちのパネルとってくださいー」「在庫調べてくださいー」
「ワゴンタクシー呼んでくださいー」「色違いはありませんかー」・・・そのうち、、
"じゃかわしい!われぃ!"などと言って IKEAのイメージを壊すことになります。