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柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.550 意味のない勉強

出先で「蘇我」という駅名を目にして、そういえば、“蘇我入鹿”という人がいたな・・と。

 

・・・大化の改新の前に殺された人で、父親が蘇我蝦夷、祖父が馬子・・・馬子という

名前で盛り上がった・・・。この程度です。今、覚えているのは。(多くのみなさんも

その程度だと思いますが。)

 

これを勉強したのは中学生のときだったと思いますが、今思うに勉強の仕方を誤りました。

蘇我入鹿」という漢字を覚えたり、年号を丸暗記したり。これは勉強でもなんでもないですね。

単なる記憶力トレーニング。テスト対策に他なりません。

 

大事なことは、赤の他人の蘇我家の人の名前を覚えることではなくて、“入鹿は何を

どうしたかったのか”、“なぜ殺されるに至ったのか”、その背景です。そこに

人間模様があり、時代背景があります。更に“入鹿はどうすれば殺されずに済んだのか”、

“殺されたことで事態は好転したのか”、こういうことを議論する。

そういう勉強がしたかったです。

 

多くの組織で「本質を追求する」「掘り下げる」力が必要だと叫ばれています。同感です。

全ての仕事には顧客があり、意味があります。しかし、そこを考えずに目先の作業に

没頭している人があまりにも多い。これだと誰にとっても良い事がありません。

目先ではなく本質を見よ、です。

 

そもそも、顧客に喜んでもらうこと・感動してもらうことが仕事の醍醐味です。この醍醐味が

あるから、次はもっと良くしようとする。このサイクルが個人と組織を高めていきます。

ところが作業でやっていると、こういう発想には至りません。むしろ隙さえあらばサボります。

同じ報酬ならできるだけ労力をかけないでやろう。新しいことは面倒くさい。

当然、うっかりミスも出ます。

 

これだとやっている人にも組織にも、質的な成長が期待できません。常に不平不満だけが溜まり

ます。不健全です。未来も拓けません。だからこそ「本質を追求しよう」なのです。

 

但し、本質追求力の底上げのためには社会的な取り組みが必要です。企業だけの力では無理です。

社会に出る前にテスト対策的な“勉強もどき”ばかりやっていては“考える”筋肉がつきません。

 

私が提案したいのは、小学校高学年から中学校の授業の中で、定期的に本質追求議論をする

場を設けることです。しかし、これを今の先生たちにいきなりやってくれ、といっても

無理があります。そこで、人生経験豊富な大人たちに特別授業を最少経費でやってもらうのです。

 

思想的に極端な大人が来ないように、あらかじめ審査し、登録制にします。その特別授業に

ついては、先生方もオブザーブする中で進めます。やれそうな先生にはどんどんやってもらいます。

もしも参加したい親がいたら歓迎します。

 

この手のイニシアティブが立ち上がったら、定年退職者、子育てが一段落した母親など等、

やりたいと手を挙げてくれ人は結構たくさんいると思います。(私に時間的に余裕ができたら、

このイニシアティブの立ち上げをやろうと思っています。)

 

企業ができることももちろんあります。「議論をする」場を設けることです。先週、某企業の

幹部20名弱の議論のファシリテーションをしてきました。数日前の事前のガイダンスの席で

“シーン”としていた面々がその日は3時間の議論を通じて、自分ごととして発言し、

人の意見に耳を傾けていました。議論の最後には一人一人が今後に向けた宣言をし、

それをお互いに拍手で称えました。まさかの大変身。

 

一人ひとりには問題意識があり、意見もあります。しかし、集団になったとたんに“昔から

この会議はこうだから”という刷り込みから意見交換がほとんどみられない場はよくあります。

これを溶解させるファシリテーションをすれば、それがきっかけとなって変わります。参加者が

自発的に同じことを自らがファシリテーターとなって、自分が管掌する組織でやることで

組織全体が「考える集団」に変貌していきます。

 

学校においても、企業においても、「本質追求」「掘り下げる」の場をいかに設けるか。

場数をたくさん踏むか。これが大事だと思います。

 

ちなみに、蘇我入鹿京葉線の「蘇我駅」にどのような関係があるのか、私は知りません。

 

 

おまけー1:7月9・10・11日に柴田塾を広島で開催します。地方開催は滅多にありませんので、

広島近辺の企業のみなさん、ぜひご参加ください。

OT(体験型ケーススタディ)も“体験”いただけます! 

 

http://www.indigoblue.co.jp/program/sj_20150709.html

 

 

おまけー2:Animal planetで放映された「人魚は実在した!」がアメリカの偽ドキュメンタリー番組

とわかり、かなりショック。

 

http://www.dailymail.co.uk/news/article-2333515/Mermaid-hoax-How-mockumentary-gave-Animal-Planet-biggest-audience-EVER.html

 

 

おまけー3:映画「エイプリルフールズ」が気になっています。予告編を見て“観に行きたい!”

と思ったのですが、某新聞の映画評論で「最悪」とされていたので躊躇しています。ビデオに

なるのを待った方がよいか。うーむ。

 

http://www.aprilfools.jp/