柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.584 ポテンシャルを決めること

“彼には・彼女には(今後成長しそうな)ポテンシャルがある。”

 

次世代リーダー候補の選抜にあたって最も重視するのは、この「ポテンシャル」です。

いまいま良いパフォーマンスを発揮していたとしても、この「ポテンシャル」を

感じないときには“現在の役割で力を発揮してもらうのが良い”と判断します。

 

ポテンシャルを感じさせる要素は「ひたむきさ」「開いているか」、

それと「当事者意識」。この3点に集約されます。

 

「ひたむきさ」は基本です。漢字で書くと「直向き」。一つの物事に心を傾けている

ことです。下手に賢いと要注意。「ひたむきさ」がなくてもたいていの物事に対応

できてしまいます。“ちゃちゃっ”とやる癖がついていることがあります。

これがその人のポテンシャルに悪影響を及ぼします。

 

どんなに賢く、要領がよい人であっても、“ちゃちゃっ”とやっていると見落としが

出たり、細部が雑になります。ここで賢さが更に“悪さ”をします。無意識のうちに

、自分のミスがばれないように工作したり、他の責任にしてしまいます。

常に自分は悪くない、という意識が働くようになります。こうなると深刻。

周囲の評判も悪くなります。

 

但し、年がら年中、ひたむきであることを求めているわけではありません。

そういう瞬間があるかどうか。ここぞというときに「ひたむき」になれるかどうか。

ふだんとは次元の異なる集中力をもって取り組むことができるかどうか。この姿勢

があるから、周囲からすると“あっと驚くようなアイディア”がその人から生まれるのです。

 

「開いているか」。これは“自分なるもの”に固執せずに他を吸収する姿勢のことです。

 

自分のスタイル・考えに執着しない。より良い状態にするために、多くの意見を求める。

自分を客観視して、役割を遂行するために理想的な姿になりきる。これです。

(先週書きましたメタ認知のことです。)良いと思ったことをどんどん取り入れていく。

この姿勢が自分を指数関数的に成長させます。

 

これらのベースにあるのが「当事者意識」。これは“自分がやらなきゃ誰がやる”

という気概を持っているかどうかです。特に若いうちは、他人事であっても、自分を

捨てて取り組む姿勢を評価します。

 

但し、全て自分でしょい込んでしまい身動きがとれなくなってしまうのはNGです。

周囲はその人の言動、ペースに“これは一緒にやれない。お任せしよう。”と引いています。

これだと独りよがりの当事者意識です。ここで求めているのは違います。“自分も頑張ろう”と

当事者意識を持った人が増殖する。周囲に良い影響を与える当事者意識を求めています。

 

これらの3つの要素を持つ人間が経験を重ね、幅広い知識を蓄え、スキルを鍛えていくと、

成長します。この方程式に当てはめる人財を見極めること。それが次世代リーダー候補の

アセスメントの要諦です。

 

大企業でOT(体験型ケーススタディ)を通じて「次世代リーダー候補のアセスメント」を

しますと、個人としては優秀かもしれませんが、この3つの要素が課題の人財が散見される

のが気になります。ただし、これも本人がこれらの重要性を自覚し、内発的な動機から

変えようとすると比較的短期間で変わります。要は気づきですね。

 

 

 

おまけー1:業容拡大のためにCEOを務めるパス株式会社の引っ越しをしました。

といっても同じ神谷町メトロシティの3Fから6Fです。引っ越しにあたって、お祓いを

してもらいました。お正月のご祈祷もお願いしました。

 

この手のことを大事にしたいと思っています。

 

 

おまけー2:AKBの新曲「「唇にBe My Baby」。高橋みなみのラストソングですが、

オープニングがモーニング娘の「ハッピーサマーウエディング」のサビに似てますなー。

(注:オタクではありません)

 

おまけー3:「STAP細胞」を裏付ける論文がアメリカの研究者によって発表されたという

記事を読みました。ややこしいことにならないといいですね。