柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.585 人間関係への対処こそ管理職の仕事

「人間関係への対処」。管理職の大事な仕事です。

 

自分が所属するチーム、会社を悪くしたいと思う人はいないはずです。ところが、

チームメンバーや会社の悪口・陰口を言う人はたくさんいます。特定の人に対して、

わざと情報を伝えなかったり、無視する人もいます。これらの言動が自分のチームの

状態を悪くすることはわかっているはずなのに、こうした行動をとってしまう。

人間の集団とはそういうものです。

 

しかし、この状態、組織としては不健全です。短期的にはともかく、長い目で見たときに

パフォーマンスが上がるわけがありません。

 

Aさんの悪口を言うBさん、Bさんの悪口を言うAさん。管理職はAさん、Bさんの両方の

話を聞き、双方から溜まっている“ガス”を抜き、Aさん、Bさんが“相手の批判をしても

何も良いことはない”と思い始めてもらう、ようにすることが仕事です。管理職は

この手のことに時間を割かねばなりません。

 

Aさんが悪いと思ったとしても、単純にBさんの肩を持つ発言をしてはいけません。

どっちかが100%悪いということはありません。組織感情に悪い影響を及ぼしている時点で

両方悪い。どっちもどっちなのです。

 

Aさんに対してBさんがいかに頑張っているか、またはBさんに対してAさんがいかに

優れているか、この手のことを説明しても状況は改善しません。管理職のこの

アプローチが効かないのは、両名の感情を棚上げしているからです。感情が乱れている人に

管理職が自分の目から見た合理的な説明をしても通じません。

 

そういうことではないのです。相手の感情を受け止める。チームを預かる管理職に

最も重要な役割だと思います。担当している業務に精通している。これはある意味

当たり前です。しかし、業務の細部に至るまで自分が一番精通していることよりも、

チームメンバーの一人ひとりのことに精通する。こっちの方が大事です。

 

管理職の登用にあたっては、仕事ができる、できないを問う前この「人間関係への対処」を

厭わない人間であることを問わないといけません。

 

「人間関係への対処」はガス抜きだけではありません。ガスが溜まらないような環境を

つくること。また、ガスを溜めやすい人のキャパシティが広がるような気づきを与えること。

これらがないと組織は上向きになりません。

 

ガスが溜まらないような環境をつくること。ここは合理的なアプローチでいけます。

みなが望む組織の姿を全員で議論して、その要素出しをし、不十分なところを全員で

意識して変えていく。こうしたセッションを継続することで徐々に健全化していきます。

(局地的に悪化している人間関係のガスが溜まっている場合には、それを抜いてから

でないとセッションがガス爆発事件を引き起こしますので要注意ですが。)

 

ガスを溜めやすい人のキャパシティを広げる。これこそ、人を預かる管理職の腕の見せ所です。

が、難しいです。“広げる”と書きましたが、実際には“広げる”のではなく、その人本人が

自分で自分のキャパシティを広げられるような気づきの機会を与えることしかできません。

 

管理職ができるのは自分を捨てて、メンバーのために働く姿を見せること。これしかありません。

しかしながら、いくら管理職が汗を流しても変わらない人はいます。自分のことだけ考えて

常に不平不満をまき散らす、人や傍若無人な態度をする・・・。

 

こういう人は残念ながら「アウト」です。他のメンバーの精神衛生の保全のためにも排除。

これも管理職の仕事です。(しかも、排除対象に気持ちよく“外にでてもらう”)

 

人間力」が問われますね。

 

 

おまけー1:学歴に関係なく「人間力」がありそうな若者を全国から募り、選抜し、

鍛える「PHAZE」。オーディションへの登録締め切りが迫ってきました。

みなさんの周辺の若者にお声掛けください。

 

説明会もやってます。  http://phaze.jp/

 

 

おまけー2:某アジア最大規模の製薬工場に80歳近いお掃除のおばちゃんがいます。

中途採用者は、このおばちゃんから牛乳をもらえて初めて仲間になった、と

認めてもらったことになると。

 

超重要プロジェクトの責任者として入社した人から聞きました。

“今日、もらえたんです!。8か月かかりました。”

 

いい話だ。

 

 

おまけー3:先週は新幹線乗り過ぎ。月曜日が日帰り大阪。火曜日の夕方から泊りで大阪。

金曜日から高山。お尻が四角くなった気がする。