柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.587 社内不正が見過ごされるのは

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い致します。

 

 

”本当に大切なものは目に見えない。“ 

 

ご存じのアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリさんの「星の王子様」の一節です。

昨年末に「リトルプリンス 星の王子様と私」という映画が公開されていましたね。

私が大好きな音楽座ミュージカルでも「リトルプリンス2」を上演していました。

 

“目に見えないもの”。この代表的なものは「ヒトの気持ち」です。みんなが気持ち

よく仕事ができているか。気になることを抱えていないか。チームを預かるリーダーが

意識すべきことです。

 

チームメンバーが気持ちよく仕事ができる環境を考える上で

 

・そこが自分の「居場所」であると感じられること

・何かあったら「頼れる仲間」がいること

 

この2つは欠かせません。

 

居場所と感じられるのは、そこで仕事をしていると

 

・自分が「守られている」と感じられるから、

・自分が「役に立っている」と感じられるから

・自分がそこに属していることが「誇らしい」と感じられるから、

 

だと思うのです。

 

この3つの要素はつながっています。どれか1つの要素がNGになると、他の要素もNGになります。

 

この組織にいるのが“誇らしくない”と思った瞬間に、守ってほしいとは思えず、かつ、

役に立ちたいとも思えなくなります。“役に立っていない”と思った瞬間に、誇らしいと

感ずるどころか、そこにいることが恥ずかしくなります。守ってほしいというよりも、

そこにいてよいのか不安になります。“守られていない”と思った瞬間に、役に立つ以前に

逃げ出そうと思いますし、当然、誇りなどどこかに消えています。

 

頼れる仲間がいると本当に安心です。

 

助けてくれる仲間が困っているときには助けよう、という気持ちになります。仲間のことが

信じられない、欺かれる怖れがある・・・。こうなりますと、自分のことだけやろう。

後ろ指を指されないようにしよう、これだけになります。組織全体におかしなことであっても、

自分に波及しないように見て見ぬ振りをすることになります。

 

リーダーが未熟であると、メンバーにとっての居場所を壊し、仲間をなくさせるマネジメントに

なります。これが社内の不正が見過ごされる原因です。

 

未熟なリーダーは“目に見えること”しか見ていません。目先の成果だけを自分の責任として

追求し、期待通りの仕事がデキない人がいたときに、ガミガミ言ったり、尊厳を傷つけるような

言葉を投げかけたりしがちです。これをしても、いいことがありません。

 

期待通りの仕事がデキていない人は「役に立ちたい」と思っているものの結果が伴っていない

だけです。目指すべきは、期待通りの仕事をしてもらうことのはず。攻撃するのではなく、

何が原因で期待通りの仕事がデキないのかを一緒に考える。これが「守られている」という

感情を生み、次につながります。

 

それでも結果が伴わない場合もあるでしょう。それは、その人がその仕事に向いていないのです。

それだけのことです。大きな組織であれば異動。小さな組織であれば、転職。これがリーダー、

当事者ともに最善策になるはずです。

 

 

組織とは「氷山」のようなものです。目に見える成果が氷山です。しかし、氷山は海面下の

部分があるから浮いています。ここを無視すると氷山は全て海面下に落ちてしまいます。

経営も全く同じ。海面下の部分をないがしろにしてしまうと長期的な成長はありません。

 

 

おまけー1:1月4日。パスの本社メンバーと近くの西久保八幡神社で新年のご祈祷をして

もらいました。これまで毎年Indigo Blueメンバーと愛宕神社に出かけていたので、

今年も愛宕さんかと思っていたら、パスの敏腕総務部長のTさんによると「管轄が違う」とのこと。

 

パスもIndigo Blueもメトロシティ神谷町ビル。この住所だと愛宕さんではなく八幡さんとのこと。

Tさんいわく「神社庁に確認しました。」(神社庁?)

 

おまけー2:この神社に置いてあった西久保八幡通信の「申年エピソード」がおもしろかったです。

過去の申年の重大事件。平成4年:松井秀樹五打席連続敬遠、昭和55年:田原俊彦レコードデビュー、

昭和43年:巨人の星放送開始・・・