柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.588 最悪の組織内行動

ようやく冬らしくなってきましたね。

 

「人間関係」。会社の問題の大半はこれです。相性が合う、合わないはあります。

だからといって、これを仕事に影響させてはいけないと思います。

 

このことは誰もが頭ではわかっています。ところが、いざ自分がその状況になりますと、

組織上の役割を無視して、気の合うメンバーだけと物事を進めてしまいがちです。

一緒にやるメンバーを選んでいる・・・、ということは要注意。裏返すと一緒にやらない

メンバーを選んでしまっているのです。

 

業績を上げるためには・・・ということかもしれませんが、それを公然と行ってしまい

ますと、特定の人に対する「組織的なネグレクト」状態を作っていることになります。

 

メンバー全員が自分にとって気心が知れた人間であるということは、会社の場合、

まずありえません。自分が配属される前から、そこにいる人もいれば、誰かの意思で送り

込まれた人もいます。また、なんからの理由で関係性がこじれてしまっている人もいます。

 

だからといって、相性が合わないからと言って組織上の誰かを無視するのはいけません。

組織的におかしなことになります。

 

こういう状態を発見したら、リーダーは直ちに修復を図りましょう。

 

リーダーの大事な役割は預かっているチームの感情(組織感情)を安定させ、同じ

タイミングで高揚させることです。それが成果につながります。一部に盛り上がり、

一部に冷え切っている。こういう状態だと組織は非常に不安定になります。一時的に

パフォーマンスが上がったとしても、中から崩壊します。

 

最悪なのはこのネグレクトをリーダー自身がやってしまうことです。

 

気が合わない(言うことを聞かない)メンバーは外す。

 

こんなことをやっていますと、組織内のメンバーは常にリーダーの顔色を窺いながら

仕事をすることになります。極めて不健全。組織がリーダーの見えている範囲しか

動きません。当然ながら成長はしませんし、人も育ちません。

 

「最悪」と書きましたが、かつて私はこれをやってしまったことがあります。しかも、

自分のその行為を正当化するための立ち回りもしておりました・・・。“外す”人の

“外す理由探し”です。まさに最悪中の最悪。

 

ネグレクトをしてしまうのは、リーダーとしての自信のなさに起因しています。

自信がないと自分への反発や意見が疎ましくなります。さらにはこんな心理状態になります。

 

余計なことを言う輩は排斥する・・・。その方がやりやすい。みんなもそのはず。

悪いのは全てあいつだ・・・。こうなりますと、もう病気。当時の私はその状態だったと

思います。頭を冷やして考えてみれば、これが不健全であることに気づくはずです。

私は同様のことをしている他国の責任者とその顛末を目の当たりにして覚めました。

 

自分と異なる視線を持っている人は大事です。なにしろ、自分に足りない要素を

もってくれているのですから。そういう人を仲間にできるかどうか。

ここでリーダーとしての器を問われます。

 

むしろ、チーム内で相性が合わない人たちがいたら、その間に入って触媒役を果たす。

リーダーがチームの組織感情を安定させる「調整弁」になるべきです。

 

未熟なリーダーは“合わない人を外す”という自分にとって楽な選択をしがちです。

しかし、後々、自分にそれが返ってきます。誰かを排斥した人は誰かに排斥されます。

これが世の常。

 

この「人間関係」が故に各地で問題が勃発しているようですね。実態はわかりませんが、

報道内容からすると「政界」でも「芸能界」でも。やれやれ。

 

 

おまけー1:この手の問題解決に有力な手法は「合宿」です。しかも、特別プログラムあり。

関心のある方はぜひ、見に来てください。2月19日(金)に「リソル生命の森」で体験会やります。

 

https://indigoblue.co.jp/ei_trial/

 

次年度開始前に「ややこしい状態」は改善しておくに越したことはありません。

 

おまけー2:東北新幹線那須塩原駅で革ジャンにジーンズの60代とおぼしき男性が

乗ってきました。車内はガラガラなのになぜか私の隣の8号車3Bに。どさっと座るなり、

弁当を広げてムシャムシャ・・・。

(心の声:ガラガラなのになんで隣を売るかね・・・)

 

宇都宮を越えたあたりで食事が終了。その後、荷物をまとめていなくなりました。

(なんだったんだろう)