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柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.607  ”お代官”管理職対策のススメ

静かに賢く老いるということは満ちてくつろいだ願わしい境地だ(尾崎喜八『春愁』より)。

 

本当にそう思います。最近、30代前半の新進気鋭の経営者にお会いすることが多いのですが、

彼らが若さゆえに見えていないことを話すときにそう感じます。昔の自分は違いました。

こうした若者たちに“嫉妬”して、競り合うような発言をしていたと思います。今は違います。

この若者が首尾よく育つために、役に立ちそうなアドバイスをしたい、自分がこの若者の

ために何ができるか、そう考えられるようになりました。

 

こう書きますとなんだか枯れているみたいですが、そんなことはありません。自分史上、

最高の熱量を感じながら毎日過ごしています。しかし、自分と誰かを比較して熱くなったり、

優越感を感じたりということがなくなりました。とても熱いが静か。こういう心境です。

 

一方で、私と同世代以上で良くない“老い方”をしている人が結構いますね。特に誰もが

知っているような大企業で見かけます。

 

‐自分の存在を強くアピールする

‐それでいて実務はできない

‐手も動かない

‐若い人間や業者の時間を使う

 

これは“老害”です。

 

この中で特に“手が動かない”は深刻です。“手が動かない”とは自分で文章を書いたり、

資料をまとめることができないという意味です。こうなってしまうと「使い道」がありません。

会社側もその処遇に困りますが、本人も本当は辛いはずです。

 

自分のプライドを守りたいので何かと口だけは挟む。自分が真剣に考えていることを

認めてもらいたいが故に、会議の場で流れに反する発言をする。ちゃぶ台をひっくり返す。

忙しい若者や業者を“拘束”する・・・。

 

かつてアメリカ企業にいたときには、上になればなるほど、質的に高い仕事をたくさん

していました。だから報酬が高いというロジックでした。昔の日本企業は上になればなるほど、

仕事をしない。お代官みたいな管理職が多かったです。これが日本の大企業が失速した

主要因だと思います。

 

お代官管理職とは「提案を持ってこい。チェックしてやる。」という存在です。

ダメだしはしますが、創発的なアドバイスや育成支援はしません。

もちろん、“手が動きません”。

 

2016年の今でも一部の日本企業の50代の上級管理職に“お代官”が散見されることに驚きます。

歴史が長く、仕組みで儲かっている会社だとお代官管理職でも十分に生きていけます。

だからです。しかし、これを看過していると会社としてもちません。

 

今後大いなる変化が間違いなく起きます。グローバリゼーションはこれまでとは次元が

違う状況になるはずです。また、多くの方が指摘しているようにAIの発達はそれこそ、

従来の仕事のあり方を変えます。しかも、これは10年以内にそうなると思います。

 

お代官中高年を大量に抱えていては身動きがとれなくなります。以下の「ポータブルスキル」

(どの会社であっても、どの仕事であっても有用なスキル)を徹底的に鍛えることを

おススメします。

 

・議論をまとめ、納得させるファシリテーションスキル

・情報を整理し構造化するスキル

・聞き手を惹き込むプレゼンテーション

・わかりやすい文章・資料をつくるスキル

・相手の表情を読み、表情で語るスキル

 

この中で「わかりやすい文章・資料をつくる」は基本中の基本です。しかし、PCスキルが

お粗末でできないというレベルの人もいます。これはかなり重症。万が一、そんな人が

まだいるようであれば、大至急なんとかしないと大変な重荷になりますよ。

 

 

おまけー1:紫田シリーズその2です。

 

“紫田じゃなくて、柴田だよ”

“アメリカが長いので・・・” (この切り返し、使える)

 

 

おまけー2:「尾崎喜八」の冒頭の詩ですが、男性合唱経験者であればすぐにピンときますね。

 

https://www.youtube.com/watch?v=uBg9ApqDDFo

 

 

おまけー3:ここ数日「かつら」という言葉をよく目にします。造園「かつら」、

桂さん、とんかつ「かつら」・・・

 

これは何かのメッセージか?