柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.655 進歩がないから、ずっと忙しいのかも

「忙しい、忙しい、と言っている人は自分を進歩させていない。」

 

某企業のトップから聞きました。その通りだと思います。

 

自分の処理能力を高めるための努力と工夫。これを自然にやれるようになると、

時間に余裕が生まれます。そうなると、仕事の質が高まり、幅が広がります。

仕事の醍醐味や楽しさも増します。いい事尽くしです。

 

ちなみに(自分で言うのも何ですが)自分の処理能力・処理速度は年々高まっていると

思います。多くの方から睡眠時間のことを心配されますが、平均で7時間~8時間は

寝ています。夜遅くまで仕事をすることはほとんどありません。自宅でPCと格闘する

こともほとんどなくなりました。しかし、仕事の内容は数年前よりも明らかに多様化し、

量も増えています。仕事に追われている感はありません。

 

その秘訣の一部をご紹介します。

 

意識すべきは「アウトプット作成力」のスピードを速くすることです。

代表的なアウトプットとは「資料の作成」、「仕事の段取りの設計」、「メール処理」です。

 

まずは極めて基本的なことから。

 

パソコンのキーボードのタッチのスピードを上げましょう。ブラインドタッチは当たり前。

思考と同じスピードで言葉を表示できるようにしましょう。最近はスマホ音声認識の精

度が上がってきているので、音声認識でやれるものはキーボードを打つよりも音声入力の

方が確実に早い。検索系のことはスマホ音声認識を使いましょう。

 

マーサー時代の同僚の岡田充弘さんが

 

「仕事が速い人ほどマウスを使わない! 超速パソコン仕事術」

 

という本を出しています。ぜひ、こちらを参考にしてください。PC操作でマウスを使っては

いけません。本当にそう思います。マウス慣れしていると、移動中に作業ができません。

 

https://www.amazon.co.jp/dp/B01GCNU864/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

 

ワード、パワーポイント、エクセルといったツールの操作に慣れましょう。特にパワポ

プレゼン資料をつくるコツを習得しましょう。パワポ禁止という会社も出てきていますが、

これは余計な資料を時間かけてつくる人がいるからです。

 

プレゼンの主役はあくまでも「話し手」。「話し手」のメッセージをより鮮明かつわかりやすく

伝えるための資料ならば全然問題ありません。そのコツをマスターし、それを表現するための

ツールとしてパワポをスラスラ使えるようにするのです。

 

コツは「ストーリー」です。自分が伝えたいメッセージをストーリー展開させること。

「空」「雨」「傘」という古典的な流れをマスターするのは基本。

「背景→目的→手段→費用と効果→代替案との比較」。こうした流れを徹底的に自分のものに

するのです。

 

 

応用編としては「会議の生産性の向上」。これまでも何度か紹介していますが、会議後に

関係者が誤解なく、遅滞なく動けるようなディレクションができることが目標です。

そのためのファシリテーションをリーダー自らが行うことで自分を含めて、関係者の処理能力が

上がります。これにより、議論の“先祖がえり”や会議後の“確認パレード”をなくします。

 

必要なコツは「Wrap up(とりまとめ)」と「可視化(みなが同じ内容を見る)」です。

 

 

他にも工夫すべき点はたくさんあります。私ももっともっと処理能力を上げて、“もっと楽したい”

ので、常に真似できることはないか、いいツールはないかとアンテナを伸ばしています。

 

根本的なことは時間が貴重であるという感度を高めること。「5分もある!」という感覚を

持つことだと思います。

 

「5分」あればメール数本処理できます。ぼけっとしているとあっと言う間に「5分」は

消えます。ONの間はこうした隙間時間を無駄にせず、できることをどんどんやる。

この姿勢が処理量を高め、結果として“楽に”なります。

 

日々、何時までに何を仕上げる!と考えて、持ち時間を意識して仕事をしていくと

次第に身体がそのスピード感を覚えて速くなります。PCの操作もそうです。

 

 

この発想に障害となるのが「時間給的発想」です。生産性を高める(投入時間が減る)と

報酬が減るという状況だとホワイトカラーの生産性の向上へのインセンティブが働きません。

ずいぶん前から「ホワイトカラー・エグゼンプション」を解禁せよ、と言ってきましたが、

最近の報道を見るに、またしも残念な展開です。

 

働き方改革の本質は、個々人および組織の生産性が高まることで、

 

国民がより創造的、文化的、ひいては更なる生産的な活動に時間を使えるようになり、

豊かな心が育まれ、経済活動への刺激が行われ、結果として日本に住む人・働く人の

幸せレベルが上がる

 

ということではないのでしょうか。

 

想定されるネガティブ要素対策の議論ばかりしていると、本質を見失います。

 

 

 

おまけー1:声のことでご心配をおかけしました。まだ別人の声ですが、仕事には

支障がないようになりました。ある方から声楽家を治療される先生をご紹介いただきました。

診てもらいます。

 

 

おまけー2:先日、天文学的な確率の出来事に遭遇しました。乗ったタクシーが連続して

小さな接触事故を起こしました。(私は全く無事でした。)これは“当たり日だ”と思い、

早速サマージャンボ宝くじを買いました。

 

 

おススメコーナー:本はKindleなど電子ブックで読むのがおススメです。場所をとらない、

いつでも読める、検索できる、重くない。Kindleに代えてから、書棚を持って移動している

ような感覚です。(Kindle対応していない本を買うのが躊躇されるくらいです。)