柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.658 働き方改革を本気でやるなら

もう18年も前の映画ですが、「マトリックス」の中のこのシーンを覚えていますか。

 

ヘリコプターを前にしてキアヌ・リーブスさん演ずる主役のネオが尋ねます。

 

「操縦できるのか?」

 

キャリー=アン・モスさん演ずるトリニティが答えます。

 

「まだよ。オペレーター、ヘリコプター操縦のコードを送って。」

 

その後、トリニティの脳にヘリコプターの操縦の仕方がインプットされ、

ヘリコプターは飛び立ちます。

 

https://www.youtube.com/watch?v=6AOpomu9V6Q

(そのシーンの抜粋です)

 

こんな風にスキルの習得ができるようになったらいいなと鮮烈に思いました。

 

脳に直接インプットするのはともかく、

そこに数日いたら基本的なビジネススキルが習得できる、そんな施設をつくりたいと

思っています。自動車免許の合宿所みたいなものです。

 

 

「働き方改革」「生産性向上」、これらを本当に推進するとしたら、

「管理職の無意識下の偏見」への対処と「全員のビジネススキル」のレベルを上げる

こと。この二つを避けては通れません。

 

「管理職の無意識下の偏見」とは、例えばこんなことです。

 

時間ではなく成果で評価すると口では言っていながら、毎日遅くまで頑張っている

社員、休日出勤を厭わない社員を(よくやっている)と評価してしまう。

女性の活用と言いながら、難しい案件への配置の際に男性社員から考えてしまう・・・。

 

これについては別の機会に書きますが、こっちの対処は難易度が高いです

 

「全員のビジネススキル」のレベルを底上げすること。こちらはすぐにできるはずです。

ただ、対象とするビジネススキルは絞り込んだ方がいいです。

あれもこれも詰め込んではいけません。対象とすべきは「ポータブルスキル」、

どの会社だろうが、何の仕事だろうが、必要となるスキルです。

 

具体的には「話し・書き・対人スキル」です。この3つでいいと思います。

 

「話し」は自分の考えを短い時間で相手に伝えるスキルです。

「書き」は読み手に伝わるメモを書くスキルです。

「対人スキル」は「相手の関心事を察知する技術」と「相手に伝わるように話す技術の

掛け合わせ」です。

 

この3つを徹底的に「反復訓練」するのです。それこそ3日間集中的にやるイメージです。

 

この3つの全てに共通しているのが「伝える」「伝わる」です。なにしろ、社内外の

トラブルのほとんどの原因は「伝える」「伝わる」がうまくいっていないことによります

。逆に言えば、そのトラブルが減れば物事がスムーズに進むはずです。トラブルは組織に

ストレスを与えます。ストレスはパフォーマンス向上の妨げになります。

 

この改善なくして「働き方改革」「生産性向上」はありません。

 

こうした超基本的なことで、かつ組織のパフォーマンスを上げることに直結することには

時間とお金をかけて良いと思います。また、組織開発的な対話の促進の場づくりに

時間とお金をかけるのも良いと思います。

 

マーケティング理論や財務諸表の読み方などのMBA的なものはe-learningのメニューを

用意して、必要に迫られた人や向学心の強い人が自助努力としてやればいいのです。

集合研修を設定する必要はないと思います。

 

その分、選抜型の研修に十分な時間とお金をかけるべきです。

それが研修費用の戦略的な使い方だと思います。

 

いろいろなことを学ばせようとして、一つも一定水準に到達しないよりも、

全ての基礎となる「話し、書き、対人関係」を底上げした方がいいに決まっています。

 

 

「話し」「書き」「対人スキル」のコンテンツは既にありますので、これを組み合わせた

パッケージ・プラン「Trinity(トリニティ)」を近くご案内したいと思っています。

 

 

おまけー1:「田島さんですよね、メルマガ読んでます!」こう話しかけられて困りました。

(田島じゃないし。)「“入社1年目の仕事の流儀”も買いました。」(あれ、それ僕の本だ。)

「田島さんはどちらにお住まいなんですか?」(田島じゃないし。)

 

 

おまけー2:電車の中で聞いた“明らかに間違っている”彼氏の発言

 

女子:やばー、あたし、今日で30歳だ。

男子:ボルトと同じ年だね。

女子:・・・

 

(これが間違っていることがわからない人は要修行です。)

 

おススメコーナー:月1のNHKおはよう日本「おはビズ」(サラリーマンの掟)ですが、

次回は8月21日(月)の朝6時10分頃の予定です。今回は「メールのさばき方」がテーマです。