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柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.356 ベテランと偽ベテラン

「Les Miserables」。
これまで国内外のミュージカルをいろいろ見て来ましたが、この作品がMy bestです。
その25周年記念のコンサートのDVDを入手しました。
http://shop.tsutaya.co.jp/dvd/product/4988102523039/

カーテンコールの後にオリジナルキャストが登場。
再演キャストらと2曲コラボレーションがあります。なかでも、主役のジャン・バルジャン
演じた4名によるカルテットの「Bring him home」は最高。
あまりの感動に涙が止まりませんでした。

4人のジャン・バルジャンを比較すると声量、テクニックともに現役キャストの方が上です。
しかし、全体的な存在感については圧倒的にオリジナルキャストが上。
なんでしょうね、この存在感。

オリジナルキャストのコルム・ウィルキンソンさんは1944年生まれらしいので、今年65歳です。
ベテランとはかくあるべし。

彼が歌いだすと、客席のみならずステージ上のキャストが一斉に彼に注目します。
そこには敬意のまなざしがあります。彼が演じたジャン・バルジャンの影響を受け、
修練したから今日がある。"あのジャン・バルジャン"と一緒のステージに立っている
というキャストらの静かな興奮が伝わってきます。

トッププレイヤーであればあるほど、その状態が長く続くよう鍛錬し、アピールするものです。
これは素晴らしいことです。しかし、自分のピークを自ら見極め、ピークアウトが見えてきたら、
バトンタッチを準備することも重要。それができると次世代にとっては、
ピークの印象しかありません。その存在が伝説となります。

この見極めを誤ると「老害」を発生させることになります。無意識のうちに若い世代に
追い抜かされていくことを怖れて、追い抜こうとする若い世代を駆逐したり、
"私が決めたのだから"として、自分の権威を一方的に押し付けたりする・・・。
このような展開が少なくありません。

当然ながら、そのプレイヤーを引き継げる、あるいはそのプレイヤーを超える可能性を
持った人材はその周辺からいなくなります。

残念ですね。全ては、常に自分がトッププレイヤーでないと気が済まない、という当人のa
志向にその原因があります。前を見て猛進してきたから、周囲が見えなくなっているのです。
これは、自分を消耗する歳の取り方です。そういう歳の取り方はしたくないですね。

いつまでも自分にスポットライトを当てろではなく、全体を明るくするには
どこにスポットライトを当てるべきか。そう考えましょう。

トッププレイヤーがそう思えるようになったときに、トッププレイヤーの世代交代ができます。
力あるトッププレイヤーがそういう立場に回ったときの組織は強いです。いつでも瞬間的に代役が
務まる控えがいることになります。それこそ、若い世代の用心棒。頼りになるベテラン誕生です。

ベテランはいざというときに若い世代を支えるために、それなりの鍛錬を続けています。
先のコルム・ウィルキンソンさんらオリジナルキャストの面々は明らかにそうでした。
ワンショットであれば、まだまだ超一流です。

一方で、ただ歳をとっただけ(という表現もどうかと思いますが)の偽ベテランは困ります。
ずっと言われたことをやってきただけ、組織の中で時間を費やしてきただけ、という方の場合には、
先のトッププレイヤー同様に、全体像が見えていません。そうなると(申し訳ないのですが)、
若い世代に比べて動きの悪いスタッフ以外の何物でもありません。

偽ベテランは鍛錬をしていません。ワンショットであっても、代役が務まりません。
もっとも、そういう人たちが鍛錬するような機会や動機づけが足りないということも
あるかもしれませんが。

幸いに私の周辺には、超一流のベテランの方々がいます。そういう方々と接するだけで、
自分が高められるような気がします。いつの日か、自分もそういうベテランになれるといいな
と思っています。



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関西方面の方、会場でお会いしましょう!