柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.695 情報審美眼

 

USJコースター緊急停止、60人宙づり けが人なし」。5月1日の新聞の見出しです。

その映像も含め覚えていらっしゃる方が多いと思います。いやー、怖かったでしょうね。

私はジェットコースターが超苦手なので、やっぱり乗るのは止めておこうと思いました。

ただ、同時にこう思う人が多いだろうな、と思いました。

 

“緊急停止とかして、このジェットコースター大丈夫?

 

GW中のバラエティー番組でそういう発言をしているタレントがいました。

 

大丈夫です。緊急停止は安全装置のおかげです。何らかの異常や不具合を認識したら事故を

未然に防ぐために器具を停止させる。それが安全装置です。敏感過ぎず、鈍感過ぎず。

念入りに設計されているわけです。ある意味で人間よりも優れていますよね。このくらいの

腹痛なら大丈夫だ、と無理をして、後で入院という事故を発生させるようなことはありません。

ですから、このニュースの読み方は「USJのコースターの安全性には問題がない。」です。

 

DRAM市況を襲う仮想通貨バブル崩壊」。これは5月11日の新聞の見出しです。これを見て、

“ああ、コインチェックの流出事件もあったし、仮想通貨やっぱりダメじゃん”と思った人が

結構いたのではないでしょうか。ネット上にもそのトーンの書き込みが結構あります。

しかし、これダメじゃんと言われるべきは「仮想通貨」ではなく「取引所」です。

仮想通貨そのもののセキュリティは揺らぎもしません。セキュリティ上の課題があったのは

取引所です。

 

仮想通貨はまだまだ黎明期です。多少の混乱はあるものの、その利便性、可能性からして、

この仮想通貨の進展は止まらないだろうと思います。それよりも注目すべきは、仮想通貨を

管理しているブロックチェーン技術です。この技術は世の中の仕組みを変える可能性がある

と思います。先日、某勉強会で教えてもらったのですが、例えば、ブロックチェーン技術を

活用したスマートコントラクトが一般化すると、契約当事者たちの労が減り、仲介者たちの

仕事がなくなります。

(スマートコントラクトについて関心がある方はネットで検索してみてください。

 

世の中には情報が溢れています。その溢れる情報をどのように捉えるか。特にフェイク

ニュースや特定の意図をもった情報が混在している中で“情報審美眼”をいかに持つか。

 

情報そのものの真偽はその情報だけではわかりません。その情報について自分がどう思うか。

鵜呑みにせずに、自分の意見を持つこと。これを意識して実践していけば、あまたの情報に

翻弄されることはありません。

 

ドラゴン桜」というドラマがありました。阿部寛さん演ずる高校教師が落ちこぼれたちを

指導して東大受験をさせるという内容でした。この中で記憶に残る名言があります。

 

“・・・賢い奴は、騙されずに得して勝つ。

バカは騙されて 損して負け続ける。

これが、今の世の中の仕組みだ。

 

だったら、お前ら、騙されたくなかったら、

損して負けたくなかったら、お前ら、勉強しろ!“

 

そういうことだと思うのです。

 

 

おまけー1:日本視察旅行に来ている中国企業家向けセミナーに登壇しました。今回は2回目。

最初は日本語で話し、中国語へ通訳という流れだったのですが、途中から、参加者の一人から

“まどろっこしいから英語でやって”と言われ急遽英語に切り替えました。

しかし全員が英語を理解するわけではないので、その参加者が中国語で説明し、

その内容をみなでワイワイ話すというライブ感満載の講演に。実にワイルドでした。

 

おまけー2:週刊ダイヤモンド5月12日号「AI時代を生き抜く、プログラミング&リベラルアーツ」。

とても良い特集だと思いました。見逃した方へ。

http://dw.diamond.ne.jp/list/magazine?isd=2018-05-12