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柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.392 後回しにするから大事(おおごと)になる

後回しにするから大事(おおごと)になる。これは真理だと思います。

"これは怪しい"と直感したことは、たいてい後で問題化しますよね。
どんな問題でも、それが小さいうちに対処しておいた方がいいに決まっています。
ところが「嫌なこと」「面倒臭い事」であればあるほど後回しにしがちです。

できれば触れたくない、関わりたくない。自分が傷ついたり、何かを失うような心配があるので、
ついつい目をつぶってしまう。これは人間の感情としては当然です。

しかし、それで何もしないでいると、本質的には何も解決していないので、
その問題がむくむくと成長してしまう。
そのうち、自分だけでは手がつけられない状態(大事)に・・・。
こんなことが結構あります。


最近、とある管理職の方からこんな相談を受けました。

中途採用した男性社員が期待外れ。試用期間終了まであと1か月。どうしたものか・・・。

面接が盛り上がり(ウマが合ったのでしょう)、勢いで採用してしまったが、
実際に仕事をさせたところ、スピード感に欠け、気配りが全くダメ。
入社してわずか数日で周囲からすっかりダメ印をつけられてしまった。
そんな感じなので、ちゃんとした仕事をお願いすることができないままで2か月が経過・・。

周囲に聞くと、ほぼ全員の評価が×。しかし、自分が気に入って採用したので、
無下に×をつけるわけにもいかない。しかし、一緒に仕事をしてみると、周囲が言う通り確かに×。

こういう場合には試用期間の中で白黒はっきりさせるのがいいに決まっています。

しかし、面接のときに「ぜひ、力を貸してほしい!」と力強く握手しているので、
なかなか本人に面と向かって×と言うことができない。
一度高い評価をしてしまっているので、わずかの日数で掌を返すような態度がとれない。
その人からどう思われるか、が怖いからです。

一方で、周囲からは、"いつまであのヒトを放置しておくのか・・・"
と批判モードの目線が拡大中。その目も大いに気になります。
まさに八方ふさがりの状態です。

人からどう思われようと全く関係なし、わが道を行く。100%こういう方は例外ですが、
多くのヒトは周囲のヒトに良く思われたいと思っているはずです。少なくとも嫌われたいとは
思っていないはずです。そうなりますと、この八方ふさがりがひどくなればなるほど、
感情的な問題に発展し、爆発。言わなくてもいいことまで、
この中途採用の方に言ってしまう展開になりがちです。

言われた中途採用の方も、まともな仕事もさせないでなんだ!と感情的になり、
"出るところに出ましょう!"と反応。結果として、弁護士事務所が儲かる展開に。

この手の話を良く聞きます。


顧客からの小さなクレーム、社員からの苦情・内部告発、取引先からの忠告・・・。
これらの話は楽しい話ではありません。経営者としては放置しておくうちに消えてもらえると
ありがたいようなテーマばかりです。

しかし、臭いものに蓋をしても解決にはなりません。そのうちにメディアで叩かれたり、
記者会見で頭を下げることになりかねません。そうなると大事です。
"あの時に対処していれば・・・"と思っても後の祭りです。

僕が大好きな三谷幸喜さんの作品には「その場しのぎ」を繰り返すことで、
どんどん問題が大きくなり、それに巻き込まれる人たちが増え・・・そこに人間ドラマが生まれる、
というモチーフが多いです。
このテーマが大衆に受けるのはそこに「人間らしい弱さ」があるからかもしれません。

映画やドラマの世界ならいざ知らず、自分が関わっている現実の世界では「大事」は少ない方が
いいに決まっています。大事になる前になんとかしましょう。

件の中途採用の場合には「試用期間で満了。本採用はしない。」、或いは本人と話して
「試用期間の延長」が良いと思います。



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おまけー1:今日のテーマは自分への戒めでもあります。 (-_-)


おまけー2:名古屋近辺の方へ、柴田塾を名古屋でやります。2月9日~11日です。
http://www.indigoblue.co.jp/seminars/a01-shibata-juku/event20120209.html

 
今年、名古屋でやれるのはこの1回だけと思いますので、お近くの方はぜひ!


おまけー3:糖質制限用の食材。その多くが"なんじゃこれ。(;O;) という味"。
世の中甘くない。