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柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.405 Hospitalityはすべてのビジネスマンに必要

数年前、デジタルハリウッドの社長を務めていたときに、これからのキーワードは
「Business × Digital × Hospitality」と発言しました。
そのテーマで何回か講演しましたので、覚えていらっしゃる方もいるかもしれません。

当時は「Digital」に重きを置いてお話ししました。ちょうど、小中学生の携帯電話の使用を巡り、
変な議論が勃発していたからです。授業中に鳴らす、危険なサイトを閲覧する等、
使い方に問題があるので「全面禁止」にする。これが声高に叫ばれていた頃です。

私はこれに全面的に反対でした。
使い方に問題があるのは、使い方をきちんと指導していないからに他なりません。
Digitalツールの陰の部分だけを論じて判断するのは間違い!だと思いました。
劇薬にしかり、原子力にしかり、みな使い方次第では凶器になるものばかりです。
しかし、だからといって「全面的に禁止」としていては人類の進歩はありませんでした。

新たに生まれてくる強烈なツールをどう使いこなすか、ここに我々の挑戦があると思っています。

Digitalコミュニケーションは様々な可能性を生んでいます。
大事なことはその本質を理解することです。
しかもそれは「赤信号中に横断歩道を渡らない!」のように、
低年齢から刷り込んでおいた方がいいに決まっています。

小学校の総合学習の時間や、先生方の研修にデジタルハリウッドの杉山学長を派遣します!
と言って回っていたのはそのためです。
(杉山先生、ご協力ありがとうございました。 <(_ _)> )

この主張は今も変わっておりません。大事なことはDigitalコミュニケーションの本質を理解し、
実践することだと考えています。

例えば、私は会議中にメモをPCで取ることを奨励しています。これを"けしからん!"、
と見る方がいらっしゃいますが、PCでメモをとればすぐに共有できますし、
加工・検索も楽です。何が"けしからん"のか、全く理解できません。

但し、会議に参加している全員がPCを叩いているのは、"けしからん"と思います。
一名がPCに記録し、後のメンバーは顔を上げて議論に参加すべきなので。


さて、前段が長くなりました。今日のテーマは「Digital」ではなく「Hospitality」です。

Hospitalityというと、一部の接客サービス業に関わるテーマと思われがちですが違います。
これは、全てのビジネスに関係しています。ITと同じです。
かつて、「IT」と言えば特殊な"くくり"でしたが、今やIT抜きに語れるビジネスはありません。
完全にビジネスのインフラになっています。Hospitalityについても同じです。
全てのビジネスに関わる人の行動のインフラです。

Hospitalityとは「先を読み、最適な対応をする力」(柴田の定義)です。

こんなことをしたら、こんなことを言ったら、相手がどう思うか、喜んでくれるか、気を悪くするか、
こうした配慮につながるのがHospitalityです。また、この情報をあの人に伝えておくと、
仕事がうまく進むはずだ・・・、これもHospitalityです。

これがあるかないかで、組織の中の感情動向が変わってきます。みなが周囲に対して、
Hospitalityを発揮するようになると、いろいろなことがスムーズになっていきます。
組織感情を悪化させる最大の要因は「聞いてない」。これが激減します。

Hospitalityの原点は、相手について関心を持ち、そのヒトが達成したいと思っていること、
その逆で避けたいと思っていることを察知して、そのための行動をとる、ということです。
これを上の人から率先してやっていくと変わっていきます。


先日、とあるホテルのレストランに行ったときの話です。
19時に「柴田」の名前で予約していました。レストランに定刻の5分前に到着。
入口ではレストランのマネジャーと思しき黒服がうやうやしくお辞儀。

"いらっしゃいませ。"

"柴田です"
"えー・・と、柴田さま・・・、柴田さま・・・" 
グリートレスとおぼしき女性も予約表を覗きこんでいます。
(これ、これっという感じで指を指しています。)


"あ、ありました。はい、柴田さま。お連れ様がまだですが、よろしいですか。"

19時にどのようなお客が来るのか、何百名もくるわけではないので、
事前に予約リストを見ておき、それらしきお客がきたら、名前を聞いたら、
すぐに"柴田さん、お待ちしておりました"と動くのが当たり前の動きだと思います。
しかし、ここまではHospitalityではなく優れたサービス。

実は私は、このレストランを使うのは数回目。となると、
"柴田さん、今日の宴席ですが、どのくらいのスピードでサービスしましょうか?" とか、
"柴田さん、最近痩せられましたね。メニューもダイエット系でいきますか?"といった、
私個人に関わる話題を振ることもできるはずです。

これができれば、Hospitalityがあるなあ、と感じられます。
Hospitalityは"誰にでも"ではなく、"特定の誰か"に対するものですから。


このホテルのレストランは残念ながら、そのかけらもなし。店内の案内時も私の歩くペースや
動作におかまいなくずんずん進み、挙句の果てに、一度も私の顔を見ることなく
"上座"の椅子をひいてくれました。サービスという点でも失格。

"全然、お客のことを見ていないねー" 思わず、言ってしまいました。

優れたビジネスマンと会食しますと、そのHospitalityに驚かされることがあります。
オランダ時代にある方のお宅にお招きいただいたときに、「文ちゃん(当時の私のあだ名)は、
コンタクトレンズをしているので、部屋の湿度を上げておいた。」 見事です。



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おまけ:5月の柴田塾@東京ですが、5月24日・25日・26日です。まだ、若干空きがあります。
リーダーとしての総合力を鍛える場です。
自社の幹部、幹部候補を他流試合に派遣しませんか?

http://www.indigoblue.co.jp/seminars/a01-shibata-juku/event20120524.html