読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.406 目先の反発に負けてはいけない

GWはいかがお過ごしでしたか。私は、3分の2が仕事と移動。3分の1がOFFでした。
移動時間を利用して、積読の中からいくつか読んだり、AVENGERSを観るための予習として、
Marvel系のDVDを数本観ました。
日々のスケジュールに追われない数日というのもいいものです。

(AVENGERSについてはこちらをどうぞ http://www.marvel-japan.com/movies/avengers/


そんな中、京王プラザホテル時代の先輩のYさんに再会しました。

Yさんは京王プラザの労働組合時代に、
ホテルの人事諸制度づくりで議論し合ったパートナーです。
それだけでなく、ただ"青く尖っていただけの"私を組合活動に引きずり込み、
会社のこと真剣に考え、論ずることの楽しさを教えてくれた人です。

そのほかにも、 "天丼にご飯"という注文をしたり、夜勤明けでそのまま組合の仕事をし、
さらにそのまま夜勤に入る、という働き方を見せてくれたり・・・、"鍛え抜かれたぜい肉"
というフレーズを教えてくれたり・・・、エピソード満載の人です。

そのYさんが京王プラザホテル多摩の副総支配人に就任したと聞いて、
一度陣中見舞いに行こうと思っていました。


ロビーラウンジのデュエットでYさんと話しているときのことです。
コーヒーを運んできたウエイトレスに、私を指さし「この人がFHPをつくった人」。

FHPとはFlexible Human Resource Programの略。(完全に和製英語

現場の繁閑に応じて、バック部門(管理、営業支援など)の人間を
現場に派遣するプログラムです。
しかも、"応援"ではなく、シフトの中にしっかり組み込んでしまうものです。

当時、配膳会を通じて、毎日膨大な数の日雇い労働者の派遣を受けていました。
宴会場の稼働状況が日々変わるので、
必要なウエイターを必要な数だけ日々調達していたのです。
しかし、その経費たるや相当なもの。

そこで、ロータリークラブの例会とか、大型の立食パーティの下げモノなどの仕事を
バック部門の人間を"日雇い"の代わりに派遣して、経費削減を図ることにしました。
まあ、今風に言うとInsourcing。それがFHPです。

誰もが総論賛成。しかし、できれば行きたくない、というのが本音だったと思います。
みなホテルの仕事が好きで就職したわけですが、本業の仕事が暇というわけではありません。
ユニフォームに着替える時間、稼働する時間を考えると、
そのシフトがある日はそれなりに時間を食います。

しかし、会社の経費削減のため、ということで、"ほんのちょっとの文句"
(個別にいろいろ言われるくらい)でみなさんには対応していただきました。
私も退職するまで毎週月曜にはロータリークラブのランチのサービスに入っていました。

ちなみに、先のウエイトレスは本業が宿泊予約なのだそうです。
繁忙の時間帯にFHPでウエイトレスをやっているとのこと。
FHPを生み出して早や18年。今ではFHPという言葉が極めて
日常的になっているようです。もはや、導入時にあったような"ほんのちょっとの文句"もなく、
当たり前のプログラムになっているのでしょう。

長らくなじんできた働き方や動き方を変えるのは誰にとっても苦痛です。
しかも変えることで、当初は必ず混乱が起きます。
保守派からは、"だから、言わんことない"的な批判も出てきます。
しかし、そこに負けてはいけません。

もちろん、いきなり全体を変えてしまうと、変化に伴う副作用に耐えられませんので、
まずは小さい規模で試行して、必要な修正を重ねて、その上で本格導入するのが王道です。


ホテルに限らず、どの業態でも効率化を推進し続けてきて、
結構ギリギリのところまで来ていますね。
そうなると発想を変えないと、現場に無理を強制するだけになります。
無理の強要は、結果的に顧客側にもサービス側にも大きな問題を生みます。
ある段階まで効率化を進めたら、次は目先の反発はあっても変えることにチャレンジする。
それが現場を預かる人間の使命です。

顧客価値が上がるかどうか。ここから逆転の発想をしてみましょう。
例えば、小売りやサービス業だと、レジ・会計の待ち時間、お客が欲しい商品を探す時間、
買った商品を持って帰る労、そして営業時間、販促手段。
ここらに新たな発想の余地があるように思います。


社会の仕組みについても同じことが言えます。
人口動態、経済環境など、その仕組みが生まれたときと明らかに与件が変わっている中で
同じ仕組みに固執していては先が見えません。

変えたくない保守派の意見を聞くことは大切ですが、気にし過ぎると、
変えるためのプログラムが骨抜きになったり、歪曲されて変なことになります。
例えば、2010年に議論されていた「休日分散化」ですが、各方面からいろいろな意見が出て
、本質を見失ったまま、どこへやら行ってしまった感があります。
道州制」の議論もそう。この手ことは枚挙にいとまがありません。

新しいことをやろうとすると、そのプランのダメ出しに終始。では目指すべきものを
どうやって実現するかというと、代案はなし。ただのたたき合いの議論。
大人たちが公の場で、そういう議論をしてはいけませんね。



=======================================

おまけ―1:KFCの「バリバリ旨塩チキン」が気になって、気になって。ある日の20時過ぎ,
最寄りのKFCに行ったところ「今日の分は売り切れです。」 ここであきらめては・・と一駅移動。
ついに口にしました。が、やっぱりオリジナルチキンの方が好きでした・・・


おまけー2:想定外の事象が起きたときに、リーダーに問われるのが「今、なにをすべきか」。

これは経験をいかに応用できるかです。そんな総合応用力を鍛える「体感型ケーススタディ」。
5月28日(月)は「企業合併」、6月1日(金)は「自社製品による死傷事故」がテーマ。
いずれも少人数制なので、お早目に!

http://www.indigoblue.co.jp/seminars/b03-OT/about.html