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柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.454 年相応の働き方

「仕事をする上で年齢は関係ない、全ては当人のやる気と実行力次第」

 

これが私の持論です。最近、ちょっと違う側面もあるなあと思い始めています。

"年齢は関係ない"、と言い切っていたのは私自身の"若さ"ゆえの勇み足。

「年相応の働き方」というものがありますね。

 

このメルマガでも紹介しましたが、某企業の特別採用の新入社員5名を対象とした

「普通ではない研修」を先週終えました。素材としては優秀。しかし、経験値が

全くない若者たちなので、特別枠だろうが普通枠だろうが、"与えられる仕事に

四の五の言わずに、全て真正面から取り組むこと"。しばらくはこれに尽きます。

 

この年代には"デキないことが当たり前"という特権があります。

しかし、そうは言っても、いつまでも"お客さん"や"足手まとい"では困ります。

だから、わからないことがあったら質問する、どんどん失敗して学ぶ。これいいのです。

 

但し、自分のためではなく周囲にためという姿勢。ここが大事です。実力不足の

自分でも何かお役に立てるように頑張るという姿勢。これが年相応の働き方に

なります。これにより、周囲に"あいつを何とかしよう"という想いが生まれます。

 

変に"自分はできますから・・・"的な態度でいると、周囲が助けなくなります。

そうなりますと、その新人君はその時点で見えている範囲の仕事しかできなく

なります。いかに素材として優秀であっても、社会という器の中で見えていることは

大した範囲ではありません。

 

ちなみに、インターンやアルバイトからそのまま入社して正社員になり、仕事を

変えないと、この"自分でできますから・・・"的状態になりがちなので要注意です。

 

20年前にホテルで新人の配属案を考える際に、この点に注意していました。

学生時代にAというレストランでバイトをしていた人が入社後も同じレストランに

配属され、即戦力として我が物顔で仕事をしていたのですが、そのレストランの

仕事以上のことができない人材になりました。類似のケースが散見されていたので、

本人のため、会社のためにも、これではいけないと思っていました。

 

しかし、この"デキない"ことはある年齢になったら理由になりません。

 

25~26歳になっても社会人としてのマナーやTPOをわきまえた動き方が身について

いないのは理由になりません。30歳を超えているにも関わらず、自分でPDCAサイクル

回せないのは理由になりません。誰かに言われないと動けない、タイムマネジメント

できない。周囲への気配りがない。これらは理由になりません。

一言、"仕事がデキない。"で終わりです。

 

(もちろん、誰かの指示の下、言われたことをきちんとやる、という働き方の方が力を

発揮できるし、心地良いという人はそれを極めればいいのです。その範囲の中で

"仕事がデキる"人になれます。)

 

こんな風に社会人としての年齢、経験から期待される働き方がありますね。

 

最近とみに思うのは50代後半の働き方です。

 

「仕事をする上で年齢は関係ない、全ては当人のやる気と実行力次第」。

理念としてはその通りなのですが、これを50代後半以上の年齢になっても120%

実践していると、下の世代が育ちません。特にリーダー職の人がいつまでもこれだと

下から成長の機会を奪ってしまいます。

 

私は常々、事業の責任はアラフォーからアラフィーのリーダー適性のある人間が担い、

それより上の世代でリーダーを経験してきた人間が若いリーダーが見えないことを

カバーしたり、若いリーダーのメンター役になる、これが良いと思っています。

 

経験を積めば積むほど、いろいろなことが見えてきます。これはリスクヘッジ

いう点からは望ましい状態です。しかし、あらゆることが想定されてしまうと

身動きがとれなくなります。いきおい、意思決定が遅くなります。

 

難しいこと、新しいことは"やってみないとわからない"ものです。組織を

ぐいぐい前に動かすことを考えると、その勢いのある若いリーダーに舵をとらせた方が

いい。万が一、船が沈みそうになったときにはベテランの経験値が救いになります。

また、リーダーが視界を失ったときにはベテランがそっとナビゲーションできます。

 

これが50代後半の働き方ではないかと思うのです。

 

50代後半になりますと、さすがにアラフィーやアラフォー時代と比べると体力的に

劣ってきます。持久戦になると弱くなります。また、新しい技術や考え方への

適応力も比較的落ちてくるのが一般的です。それでも、自分が決める、

とやっていますとその影響が組織全体に波及します。

 

50代後半がその経験を活かしたポジションから若いリーダーを支える、或いは

人の育成に専心する、組織感情を安定させるために人と人をつなぐ、そんな動き方が

できると理想的だと思うのです。これこそ、年相応の働き方だと思います。

 

定年でおしまい、というのもなんだかなーと思います。60代の「年相応」の働き方が

できればいいじゃないですかね。

 

 

おまけー1:生来、"いたずら"が好きでいろいろやってきました。40歳くらいのときです。

自社の受付から声色を使って電話。社内のアシスタントに

 

「こんちはー、お弁当150、お持ちしました。」

「ええっ!」

 

みたいなことをやっていたところ、いい歳して、しかも"社長"のくせに何やっているのか、

と周囲から注意されました。その後、"年相応"のいたずれに変更しています。

 

おまけー2:昨日、某HALSUITで購入したスカイブルー系のジャケットを着て

MTビルの前に立っていたら「すみませーん。台車は地下でいいですか?」と

自動販売機の業者のお兄さん。

 

この格好、MTビルの管理人の制服と同じだ。うむむ・・・

 

おまけー3:その後、地下鉄の構内で「すみませんー、定期売り場はどこですか?」

と新人風のOL。

 

この格好、メトロの方々の制服と極似だ・・・