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柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.623 なんで新卒採用するの?

10月1日はいわゆる内定式の日でした。今年は1日が土曜日だったので、その前後に

内定式をする会社が多いと思います。私が会長を務める株式会社マードゥレクスでは

9月30日にやりました。

 

今日のテーマは「新卒採用の可否 ~ “なんで新卒の採用をするの?”」です。

 

新卒が組織の中に入ってきますと、組織が活性化します。新卒に変な姿を見せられない

として襟を正す中堅、もはや自分が一番下ではないとして独り立ちを意識する若年層など、

新卒の投入は組織の中に間違いなく良い影響をもたらします。また、学卒者に雇用の

機会を与えるという点からも新卒採用はやるべし、と思っています。

 

しかし、ちょっと待ってください。そもそも新卒採用は何のためにやるのか、新卒を

どうしたいのか、この辺りをアップデートせずに、これまでやってきたのと同じ考え方・

進め方でやっている企業が多いのではないでしょうか。今日のメルマガはそれについて

の問題提起です。

 

新卒採用の時期になると、多くの企業で当たり前のように新卒採用の準備を始めます。

大企業の「要員管理」という観点からすると新卒の一括採用は非常に便利な仕組です。

定年による退職で一定数の人たちが毎年辞めていきますので、ヘッドカウント維持の

ために一括で相当の人員を確保できるのはありがたいわけです。これは画一的な労働力

を大量に確保することが求められる製造業、サービス業、大規模システムエンジニア業で

適したやり方です。いや、やり方でした、と過去形で書いた方がいいかもしれません。

 

画一的な労働力というのは「顔のない採用」です。極端な話、人数(頭数)確保です。

事業を成立させるために必要な労働力を若くて(賃金が安くて)一生懸命やってくれる人が

来てくれればいいのです。サービス業や製造行の現場では、その昔は新卒を“使い捨て”

していました。「753」という話がありましたよね。中卒で7割、高卒で5割、

大卒で3割が入社3年で退職するというやつです。これを問題視する一方で、

安い人件費の人が一定期間で入れ替わってくれるのは人件費管理上ありがたかったわけです。

 

今後、この手の「顔のない採用」ニーズは「AI」の進展と共になくなっていくはずです。

実際、AIの話が出てくる前から人材活用に問題意識のある企業では違う考え方で新卒採用を

進めています。「顔がある採用」です。個々のキャリアアップをしっかり考えた採用です。

但し、個々のキャリアアップを語る前にその会社の中長期計画と求められる人材像が

整理されている必要があります。

 

まずは、自社のバリューチェーンの中でそれぞれのバリューを最大化するためにどのような

人材が必要なのか。これを質・量の両面で捉えましょう。その上で現状の人員を評価し、

過不足を解消するための施策を展開します。

 

更にはどの人材を会社としてプロパー(新卒から)で育てるべきかを考える。重要な視点は

「専門性・経験」と「組織“特殊関係資産”活用力」の掛け合わせが個人のパフォーマンスを

高め、かつ会社のパフォーマンスを高めるポジションを特定します。

 

ちなみに「組織“特殊関係”資産」とは、その会社における社内ネットワーク力、言語化

されにくい社内経験の蓄積のことです。その会社の商品へのロイヤリティの強さも含まれます。

 

次にそのポジションはどのくらいの年数で独り立ちできるのかを考える。その上で、今、

3年後、5年後、10年後において、計画している中長期戦略の事業規模を維持するために

何名育成しておくべきか。これを考えます。そこから新卒の採用計画を立てます。

 

それ以外は中途採用による欠員補充です。特に「組織“特殊関係”資産」の割合が小さくとも

パフォーマンスを挙げられる職種については中途採用により即戦力人材を獲得しましょう。

 

個々のキャリアアップですが、従来は「部長」「課長」に育成するためという発想が

多かったのですが、これは高度経済成長期の話。今は違います。今考えるべきは、

「専門性の高まり」です。「専門性の高まり」のキャリアアップの件は別に書きます。

(長くなってしまったので。)

 

 

おまけ:(このメルマガではパスのことはあまり触れてこなかったのですが、

9月27日に苦渋の決断をしました。皆様へのお知らせまで。)

 

http://www.pathway.co.jp/blog/20160927.html

 

しかし、へこたれてはおれません。やるべきことをやるのです。