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柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.639 キャリア形成論

母校の上智大学で講義をしてきました。「キャリア形成論」という全14回の講座の

“トリ”でした。受講生は100名。全員が3年生です。

 

定刻より少し前に大学に着いたので構内をウロウロ。卒業して32年。それでも昔の

面影がかなり残っています。ピロティでこんな事があった、1号館の入口の階段で

こんなことがあった、メインストリートで・・・と昔の記憶がフラッシュバック

してきました。懐かしい限りです。

 

講義の前にキャリアセンターに立ち寄り、担当の方と少々打ち合わせをしました。

立派な施設です。面談ブースのようなところには学生がチラホラ。年配のカウンセラーが

その対応をしていました。ここだけは隔世の感がありました。自分が学生の頃には、

どの大学にもこんなちゃんとしたサポート機関はなかったと思います。

 

始業のチャイムと共に講義を始めました。最初の5分間は“これが大学生の現実か!”

という感じでした。あちこちで私語ざわざわ。遅れて入ってくる人も続々。

こっちは忙しい中スケジュール調整して来ているのになあ・・・、私の本当の時間単価

わかってないよな・・・と気持ちが萎えかかりましたが、次第に9割方の学生が真剣な

様子で話を聞いてくれるようになり、いつも通りのスイッチが入りました。

 

聞いている態度で見てみると、最もいいのが女性の外国人留学生、次が男性の留学生

らしき人たち、続いて女性の大半。男性は一部を除いて、聞いているのかどうかの

反応が弱い人たちばかり。最悪は一部の女子。完全に机にうつ伏して寝ています。

見事な眠りっぷり。

 

「キャリア形成論」というタイトルの講座ではありますが、キャリア形成に「決まった

やり方」などあるわけがありません。ただ、就活の前に知っておいた方がいいことは

あります。そういう話をしました。

 

例えば、仕事には「決まった“仕組み”の中で働く」ものと、「仕組みそのものを創る」

ものがあること。大企業や公務員は前者の仕事が多いこと。後者は中小、ベンチャー

自分で何かをやりたいという意思が強い人は中小やベンチャー、または起業という道を

選んだ方がいいこと。外資系は本社採用にならないとグローバル企業の醍醐味を感じる

ことはまずないのが現実であること。

 

企業が提供している商品やサービスが大好きだからという理由で企業選びをするのは

要注意であること。それは「顧客」の目線から好きなのであって、働く場所としての

判断ではないこと。担い手側には「顧客」側から見えない苦労や「現実」が山ほど

あるということ、など等。

 

講義後に提出してもらったリアクションペーパーを見るに、私の前の13回の講義の中で

「最初の就職先選びが人生を決める」的なインプットをした人がいたようですが、

それは大間違い。だいたい社会のことをまだ知らない若者が、最初の就活で自分に

合う仕事、会社に遭遇する方が奇跡です。

 

なんといっても、そこが自分の「居場所」だ、と思える会社、職場が一番です。

社会に出てから、自分の「居場所」を探していけばいいのです。

就職先で見つけるもよし、別の会社で見つけるもよし。

 

その昔、「毎朝、布団を蹴飛ばして起きる。会社に行くのが楽しくてしょうがない。

仕事っていうのはそういうものだ!」とおっしゃった超ポジティブな方がいましたが、

そこまでいかなくとも、「行くのが憂鬱」「(お金をもらえるから)仕方なく行く」

ではなく、自分の時間を費やすことに違和感がないような「居場所」を見つける

ことを目指していくのがよいのです。

 

そのためには、自分のモチベーションの源泉が何かを知ることが役に立ちます。

私の場合には一緒にいる人たちや関係者が「楽しい気分になる/嬉しいと思う/

感動する」がそうです。

 

かつて「外資系企業トップの仕事術」(ダイヤモンド社)という本の中で「周囲に

いる人が幸せになる。それが小さい頃からの私のモチベーションでした。」と

偉そうなコメントをしていますが、「幸せ」という言葉はやや崇高過ぎました。

実際には「楽しい気分になる/嬉しいと思う/感動する」ですね。

 

その対象がお客様であったり、一緒に働く上司、同僚、仲間であったり。会社や

仕事内容は関係ありません。コンサルティングでも研修でも、講義講演でもそう。

再生のために経営者として企業に入る場合もそう。すべて同じです。そういう意味では

私は非常に良いキャリアを歩んできたと思います。いろいろな会社、団体を経験して

きましたが、全て「居場所」でした。

 

社会人経験のない学生にこのことをストレートに話してもイメージできません。

なので、若い頃の経験談をしました。学生時代に志望していた職種ではない、

労働条件は過酷、修羅的事態の連続・・・。しかし、疲弊はしてはいなかった。

こうした経験談から感じてもらえればと。

 

頑張れ、後輩たち!

 

 

おまけー1:駒込の居酒屋でOTに出演している役者さんたちと新年会。

駒込駅は初めて下車しました。山手線で降りた事がない駅に行ってみるのは面白いですよ。

 

 

おまけー2:行ったことがないといえば、都道府県で「秋田県」「山口県」には行ったことが

ありません。(通過はありますが)他の都道府県は全て制覇。誰か呼んでいただけませんかね。

 

 

おまけー3:電車の中でのこと。おそらく中国人への説明。「ウルトラマン」を「売虎男」

と書いて説明している人がいましたが、かなり異なるイメージになっているはず。