Vol.467 いい研修
毎回思うのですが、柴田塾は「いわゆる"研修"」というよりも「気づき・学びの場」に
なっています。教わるのではなく、受講生が"自ら気づき、行動してみる場"です。
3日目には明らかに顔つき、動きが変わってきます。主催者として、この変化を見るのが
何よりも嬉しいですね。
私のスケジュールの関係で1か月に1回しか開催できませんが、できるだけ続けて
いきたいと思っています。(現在、11月まで満席。12月以降の申込みを受け付けて
おります。現職の部課長クラスの方、次世代幹部としてエントリーさせたい若手が
メイン受講生です。)
http://ibms.indigoblue.co.jp/course/program2.html
さて、今日のテーマは「いい研修」です。
いい研修には次の3つの要素が備わっています。
1. 良いコンテンツ
2. 良い講師
3. 良い仲間
まずは「良いコンテンツ」。研修で学ぶ中味が"良いもの"なのは当たり前です。
但し、読んでわかるものについては「研修」でやるのではなく「自習」にすべきです。
つまり、コンテンツの展開方法・手段が鍵だと思うのです。
研修は複数の人間が集まる場なのですから、複数の人間が関わるからこそ!という内容に
すべきです。一方的な授業でいけるものは全て"わかりやすいVIDEOラーニング"
(東進ハイスクール型)か、e-learningでいいと思います。
インプットしたものを、スループットして自分のものにし、それを何らかの形で使って
アウトプットを出す、このサイクルが回って初めて「学び」が成立します。
インプットしただけだと「学んだ気になる」だけです。
テストは知っているかどうかを確認するだけなので、使えるかどうかはわかりません。
「学び」は使ってみてなんぼです。使ってみて、まずは自分でできているかどうかを確認する。
併せて、自分以外の人から見て、使えているかどうか助言がある。この展開を意識した
コンテンツにすべきです。
「良い講師」は受講生を"その気にさせる"仕掛けやトークができるヒトです。
そのヒト自身の経歴や知識量の問題ではありません。この点について意識してきたのが
予備校の講師です。10年ほど前に代々木ゼミナールの名物講師をお招きして、
私が企画する会で講演していただいたことがありますが、まさに"その気"にさせるテ
クニックが満載でした。
最近、ひょんなことから実演販売の会社の社長と話す機会がありましたが、商品に惹きつけ
買わせてしまう、あのテクニックは素晴らしいですね。これは人を"その気にさせる"
最高のモデルかもしれません。
さらに「良い仲間」。これなしに"いい研修"にはなりえません。参加メンバーの中に
"どよん"とした人がいると、その"どよん"が伝染します。研修全体の空気もよどみます。
社内で研修を企画するとどうしてもここの部分が怪しくなります。これが選抜型の研修で、
それなりの参加の仕方をしないと次に呼ばれなくなる、という緊張感があると違います。
また、「他流試合」もいいですね。日常的に顔を合わせていない人と切磋琢磨する。
ここにも適度な緊張感があります。
ちなみに「良い仲間」づくりは研修運営側の仕事です。
研修運営側(人材育成部門)も、なぜコストをかけてこの研修を企画・実行しているのか、
ここを常に意識しておきませんと、緊張感が薄れ、"ただやっているだけ"のプログラムに
なってしまいます。そういうプログラムだと、参加者も"言われたから参加している
"モード全開になります。これは壮大な時間の無駄です。
研修運営部門のみなさんには、経営者から、この研修の目的は?と問われたときに
明確に答えられる強さと自信をもって研修を企画していただきたいものです。
その際にこの研修が会社の成長戦略にどのように貢献するものなのか、ここをきちんと
押さえていただきたく。
(一般的に良さそうだから、という研修はコストカットの対象になりますので。)
おまけ-1:「良い仲間」にたくさん出会えそうなイベントです。
IAF(国際ファシリテーション協会のアジア大会@日本、9月21日-22日)です。
http://www.iaf-asia2013.com/
9月22日(日)の午前中に私も出ます。日本で滅多に開催されないイベントだと思いますので、
ご自分を高めたい(特に英語の環境で)という方におススメです。
おまけ-2:先日の「詐欺」話の後話。秘書のSさんがA警察にて被害届の事業聴取をうけました。
(以下、彼女からの報告メールの抜粋)
・こういうケースはきいたことがない。ふぅ~むむむ・・・といって、腕組みをして、
何度も天井を仰いでおりました(ドラマにでてくる柔道やってましたみたいな刑事さん)。
・こちらとしては、事件解決は難しいと思っているが、今後に役立ててほしい旨をお伝え。
・今後はこういったメールがきても振込とかしないでくださいね。と言われて帰社(知ってます;;)
おまけー3:都心のプールに行くと、ほぼ必ず、短髪で白のビキニパンツの
日焼けした男性がいます。目が合うと"ニッコリ"されます。(あれは仕込みか。)
Vol.466 言語技術のススメ
スキッとしない毎日ですね。
さて、最近「言語技術」なるものに注目しています。
言語技術とは、自分の考えをクリアに主張する技術(スキル)のことです。
こんな感じです。「私はこう思う。なぜならば・・・・。だから、私はこう思う。」
この構成で自分の考えを1分で話せるようにする。それが言語技術です。
これができるようになると、ビジネス上の会話の質が明らかに上がります。
但し、日本人はこれが苦手です。なにしろ、そもそもの日本語の構造がこれとは
違いますから。動詞が文尾に来るので最後に主張する癖がついてしまっています。
「何々がこうして、あーして、で、こうなって、あーなって、
だから、私はこう思う(わない)」という流れで話すのが一般的です。
しかも、あーだ、こーだ言いながら聞き手の顔色を見て主張を調整することができるわけです。
これが一層主張をわかりにくくします。
一方で英語は主語の次に動詞が来ます。ですから、文頭で主張が明らかになります。
また、YES、NOを最初に言う癖がついています。ここでも主張が明らかになります。
この違いがあるので、英語圏の人達と交渉や会議をすると、
「日本人は何を考えているのかわからん!」となるわけです。しかも、英語力の問題もあり、
日本人は後手に回りがちです。
会議中は自分の主張をせずに相手の主張を頷いて聞く。その上で、後日「NO」と
返事したりするので「What!?」となるわけです。そりゃそうですよね。
これは昔から指摘されている課題です。グローバルにビジネスを展開している以上、
そろそろ、これを"永遠の棚上げ課題"ではなく、対処すべき課題として直視した方が
いいと思います。
それともう一つ。日本人同士の会話で主張を前面に出すと角が立つと言われます。
調和を図りながら会話する癖がついていますから。但し、公式の会議の場では調和を図ったような
玉虫の色の発言(どっちにでもとれる発言)をしておいて、後々違うことをするのは止めましょう。
また、議事録の回覧で発言内容をこっそり修正するのも止めましょう。
コミュニケーションチャネルに公式のものと非公式のものがあり、非公式の方がパワフルなのは
世の常です。職制を通じて伝えたものよりも、タバコ部屋や給湯室、最近でメッセンジャーに
よる"噂"の方がはるかに速く伝わります。これは、興味が行動のドライバーたる人間の性です。
それを否定しません。しかしながら、ビジネス上の対話でも非公式作戦はわかりにくい上に
非効率です。また、社内政治を生みがちです。
シンプルなやり方に代えましょう。それを推進するスキルが「言語技術」だと思うのです。
「言語技術」を意識した上で、会議や交渉の場では、主張の理由(ロジックと感情)を
構造化するようにする。これもスキルです。このための訓練で有効なのが「ディベート」
なのですが、古典的な「ディベート」を極めるやり方ではない方がいいと思います。
古典的な「ディベート」はポイントをつける勝ち負けを競うものです。柴田塾でも
「ディベート」的なプログラムを取り入れていますが、勝ち負けに焦点をあてるのではなく、
相手のロジックと感情を構造化するスキルに焦点をあてています。
自分と異なる主張なのはなぜか。それは判断基準が違うのか、判断要素が違うのか、
背景にある感情的なものが影響しているのか、これらを冷静に俯瞰する。
これだと思っています。
このトレーニングを意識的にやるべきだと思うのです。
本来はこの手のトレーニングは社会に出る前に終えていると理想的です。但し、残念ながら
日本の教育体系にはこの手のプログラムがありません。教育関係者のみなさんも問題意識を
持っておられるのはわかっていますが、何分、動かない。(動けない?)。
しかし、待っていられないと思うので、某就職支援のリーディングカンパニーと一緒に
プログラムについて議論を開始しました。たぶん、秋にはご案内できると思います。
昨日、某企業の選抜人材に対する6か月のトレーニングが開始しました。
この中でも「1分スピーチ」を取り入れています。前年度に同じことをやりましたところ、
半年後に参加者の発言の質が劇的に改善しました。今回も同じ効果を期待して。
おまけー1:その昔、ある方から日本人は「I don't think so.」と言われると腹を立てるが、
そこがいけない、と言われたので、早速その方に「I don't think so」と言ってみたところ、
明らかに気分を害していらっしゃいました・・・
おまけー2:昨晩、アメリカ人×3、イギリス人×1、日本人×3で会食。超盛り上がる。
しかも、フランス料理店で餃子に「スキ焼」というグローバルな会食。
おまけー3:先日、地下鉄市ヶ谷駅でバッタリお会いした知人の社会の窓が全開、
あまりの全開さに指摘できず。その後、エスカレーターを昇っていると、
下りには久方ぶりにお会いする知人の女性。会釈した瞬間、フレアスカートがふわー。
あまりの連続パンツ攻撃にこれは何かの暗示かと。(いまだに何も起きていませんが。)
Vol.465 個を強くする人事制度
多分これじゃないかな・・・的な人はたくさんいると思いますが、本人が確実にそれを自覚し、
会社もそれに基づき、その人のキャリア開発をしている、となるとかなりあやしいですね。
今の日本企業のほとんどが「できてない!」のではないでしょうか。
私はこれが今の日本の人事制度の最大の問題だと思っています。
会社から指示されるままに仕事を変え、年齢を重ね、気が付いてみると全て中途半端。
四十を超えて、"何ができるのか"と聞かれても明確に答えることができない。
そんな人材を輩出している人事制度はダメだと思うのです。
日本の組織の課題は(サッカー日本代表に関わらず)「個」の強化です。個々の社員が
自分は何をする人間なのか、より高い次元の仕事をするために何を強化すべきかを常々
自覚している・・・。「個」の強化のためには、これが大前提です。当事者意識がない中で
継続的な強化などできるわけがないと思うのです。
これは「なんとか長」というマネジメントポジションの話ではありません。「個」としての
「仕事人」としての話です。「長」の育成は次世代リーダー育成系の話です。これについては
計画的にやれている企業も少なくありません。私がIndigo Blueとして支援しているテーマ
の一つでもあります。
「個」の仕事人としての「実力」を強化するとしたら、まずは個々に自分の「仕事」の領域を
意識してもらうところからです。
仕事には大きく分けて以下の5つの領域があります。
1.営業領域(顧客に対して価値を提案、提供して対価をもらう仕事)
2.企画領域(ビジネスそのものやビジネスを発展させる事を考案し、それを実現化する仕事)
3.モノづくり領域(顧客価値そのものとなる商品・サービスをつくる仕事)
4.技術・開発領域(顧客価値をつくる源泉となる技術を開発する仕事)
5.管理領域(1から4の領域の仕事の評価・改善、及びそれらの仕事がうまく回るようにサポートする仕事)
業種・業態によってはこの5つ以外に独特の仕事があるでしょうが、どの企業・団体においても
概ねこの分類でいけるはずです。ちなみに、この5つはいわゆるバリューチェーンを形成する要素と
同じです。
個々人が自分はこの5つの中のどの領域の人間なのかを意識して仕事をする。または、その領域の
中で自分を高めるための機会に臨む。そういう環境をつくりましょう。
新卒の採用時点からこの問いかけが必要です。"どの会社に入りたいか"ではなく、"どの領域の
プロを目指したいか"です。大学のキャリアセンターや就職支援の会社には、特にこの視点を持って」
いただきたいですね。学生が会社を選ぶのではなく仕事を選ぶようにガイドしてもらいたいものです。
それぞれの領域で自らを高めていくために、必要な経験とトレーニングを積むことは当たり前ですが、
それ以前の問題として、元来の気質や性格的にむいている仕事に就いた方がいいに決まっています。
むいている仕事はちょっとやってみただけで、"好きだな"と実感できるはずです。
"好きこそものの上手だれ"。好きな仕事を思い切りやれる環境に身を置くと、加速度的に実力が
つくはずです。結果として、その会社の実力が上がります。(自分がむいている仕事は何かを
確認できる場があるといいので、現在某企業とそのための場づくりを検討中です。)
この仕事領域のことを"ジョブファミリー"と呼びます。個々の社員が自分の"ジョブファミリー"を
意識して、その中でより高い仕事ができるように自らを高めていく・・・。このような環境をつくれる
人事制度にしませんか、
ちなみに人事制度の根幹である「格付け」(等級とかグレード)もジョブファミリーごとに
その発展区分をつけて、個々人を位置づけすべきです。
ここを「長」を上位においた設計にすると、優れた「個」のゴールが「長」になってしまいます。
「長」は現場で"顧客価値をつくる"仕事ではありません。メンバーたちが"顧客価値をつくる"の
を支援する仕事です。デキる「個」を「長」にしていくと、現場からデキる「個」がいなくなって
いきます。私は、これは変だと思います。(組織的に弱くなります。)
私は「企画領域」の人間だと思います。そういう仕事が好きです。
が、「管理領域」の仕事をやっていたこともありますし、「営業領域」の仕事に就いていたことも
あります。これらは全て「企画領域の仕事」の深さと幅を広げるために必要な経験だったと思います。
これがジョブローテーションの意味です。現実的には"玉突き人事"もあるでしょうが、
とある領域でより高い次元の仕事をしてもらうために、意図的に他の領域の仕事に就かせる、
という配置をしてもらいたいものです。
(現在、某企業でこの考え方に沿って新人事制度を設計中です。
この企業の事例が世の中の先駆け事例になることを祈って。)
おまけー1:先日の詐欺話の続きです。「舟木美江さんから"娘の命に関わる問題です・・・。
8,000万円受け取ってください。・・・」というショートメールが届きます。
さすがにこれは確実に詐欺だと判断しているので返信していません。
おまけー2:Indigo Blueで体験型ケーススタディの小道具として必要なので携帯電話を大量に
同時に購入しようとしたところ、詐欺集団と思われ、購入希望が却下されました・・
おまけー3:「何に使うんですか?」
「研修です。」
「・・・どんな研修ですか?」
「プロの役者が役になり切って受講生に電話するんです。"おカネちゃんと払ってください"とか」
「・・・認められません。」
Vol.464 詐欺に遭いました・・・
気持ちがよくわかりました。しかし、詐欺は人の心理を巧みにつくもの。
お気をつけください。
先日、メールがポーンと届きました。タイトルはUrgent!
差出人はビジネス上良く知っている方。その方のGメールアドレスからでした。
()はその時の私の心境です。
I really hope this gets to you in time, I was involved in a robbery during my trip
to Istanbul, Turkey. I was mugged, all my belongings including mobile phone and credit
card were all stolen. I asked my bank to cancel my cards and place hold on my account
to avoid unauthorized access. I need your help flying back home.
Am cash strapped at the moment. I've made contact with my bank but the best
theycould do was to send me a new card in the mail which will take 3-5 working days
to arrive here. I need you to lend me some money to sort myself out of this
predicament, I will pay back once I make it out of Turkey.
Western union is the fastest option to wire funds to me. Let me know if you need
my details (full names on ID/location) to effect a transfer. Thanks
"自分は現在、トルコに旅行中だが強盗にあい、現金、携帯電話、クレジットカードを含む全て
の持ち物を盗られてしまった。申し訳ないが、帰国するためのお金をすぐ送金して欲しい。
帰国したら返す。送金はウエスタンユニオン経由でお願いする"という内容
メールの宛先はブランク。(記憶にあるメールアドレスをBCCにして送っているのだろう)
「大丈夫ですか? まずは大使館に連絡すべきです・・・」と大使館の住所と電話番号を
調べて返信したところ、以下のメールが。
Thanks, you are a life saver. am physically ok, I need a loan of ?850
to cover traveling expenses, the fastest way to wire money to me is via
western union. I will pay back once I am out of Turkey.
You can get this done by login on to www.westernunion.com
See details needed for transfer below.
On My name ID: ******
Address:Ibni-Kemal Caddesi No: 14-16 Sirkeci, Fatih, 34400 Istanbul
You will need to email me the reference number as soon as you make transfer so
I can receive money here. Other than this, how are you doing?
"大丈夫だが帰国するために850ユーロ(12万円)必要。以下のウエスタンユニオン経由で
送金をお願いしたい。ところで、そちらの様子は?"という内容。
"you are a life saver"という言い回しと、 "Other than this, how are you doing?"
という問いかけにこの方らしいと判断。
(お世話になっているこの方が大変な状況にあるのなら手助けしたい・・・)
一方で、"もしかして・・・"という胸騒ぎもあり、"こちらから電話するので連絡先を教えて
欲しい"とメールしたところ、盗難の事情聴取やらで動いており、場所を特定して電話をうけられない。
ホテルはチェックアウトしてしまったとの返信"。
念のためにFacebookのメッセンジャーで安否確認を送ったところ返信なし。
(スマホも一緒に盗られたのだろう。この話、本当かもしれない・・・)
そこで秘書にSさんにお願いして送金。
(ダマされている可能性も否定できないが、もし、本当にこの人が困っているとしたら
何とかしてあげたい)。Sさんは炎天下の中、ウエスタンユニオン取り扱い業者の「大黒屋」へ。
すると以下のメールが。
I received the money. I just got back from the airport and I was able to book a flight,
but I am having some trouble with the immigration authority. They insist that I need to
have a Basic Traveling Allowance (BTA) of ?1,200 on me before i can fly
Can you believe these people? I feel ashamed to ask you for more money but I don't
have a choice at this time. Would you be able to send the funds to cover that
and how soon? Let me know how possible this is.
Kindly give me a break down in figures of what I own you so far including western union
charges for my own record Thanks
(空港で1200ユーロないとダメと言われたので追い貸ししてほしい)
この時点で"詐欺"と確信。(精神的にうわーと撃沈。)
その日の夜遅く、ご本人から連絡があり、その方のPCがハッキングされメールアドレスを乗っ取られた犯行であることが判明。しかも手が込んでおり、この方から連絡がとれないように、アドレス帳が
消去されていたとのこと。
"ダマされているかもしれないが、万が一、本当だったら・・"という気持ちにつけこむ詐欺。
しかも金額がそれなりの金額。この手の詐欺がなくならない理由がわかりました。
Indigo Blue内でもメールのやりとりを全員に見せて共有。
人事の目をお届けしているみなさんの周囲でも同様の被害に遭う方がいませんように。
おまけー1:Indigo Blueの英国人のRからは「ああ、そのメール、俺のところにも来たけど無視した。
レイジ、送金したなんで信じられん。アホか」と。「じゃあ、今度、お前の名前で助けを求める
メールが来ても無視する」「あ、それは止めて。一度、確認して連絡がつかなかったら本当だと
思ってくれ。」(今回の手口と同じやないか。)
おまけー2:送金前にウエスタンユニオンのコールセンターに電話して事情を説明(事件のあらましも)
したところ、日本では取扱い業者に出向いて送金するしかないとして送金の仕方の説明を受ける。
後でウエスタンユニオンのサイトに「詐欺に注意」の案内を発見。説明時にそちらの案内も
してほしいものです。http://www.westernunion.co.jp/jp/anti_fraud.php
おまけー3:詐欺に遭って何が痛いか、というと経済的な損失よりも「気持ち」ですね。
Vol.464 ま、いいか・・・との戦いに負けない
仕事ではここが問われてますね。
どんな仕事でも「質」が求められます。その質が陰るのは「ま、いいか・・」のせいです。
仕事の最終的な評価は仕事を依頼した"顧客"(本当の顧客、上司、同僚、部下、他)が決めるものです。自分がどうこうではありません。但し、大前提として、自分がその仕事に納得しているかどうか・・。「ま、いいか・・」で仕事をしていないか・・・。
ここが問われると思うのです。
仕事がデキる人とそうでない人の違いは紙一重です。その紙一重を決めている要素は「ま、いいか・・」だと思います。この積み重ねがその人のアウトプットの総合的な質を決めます。
仕事がデキると思われている人でも「ま、いいか・・・」を連発してしまうようになったら「休憩」が必要です。質を維持しようとする気力が枯渇してるからです。ある程度「休憩」しても「ま、いいか・・」の頻度が変わらない場合には「現役引退」を考えましょう。
誰かの仕事の後方支援に回った方がいいと思います。(瞬間的な「気力」は効くはずです。)
どんな仕事でも限られた時間、予算の中でやることになりますので、完璧な仕事、理想的な仕事になることはほとんどないでしょう。その中でも自分が納得する仕事ができているかどうか。ここだと思うのです。
納得できない理由を自分以外に求めてはいけません。「誰かのせい」にした瞬間に
「自己弁護」が始まっています。「自己弁護」に逃げると「ま、いいか・・・」が
助長されます。
最近とある件で深く反省しました。スケジュールがかなりタイトになっていることから、ある案件の打ち合わせにほとんど参加できず、担当者任せにして案件当日を迎えました。
客観的に見た場合には、それなりのアウトプットは出せたと思うのですが、自分としては納得できない仕事になりました。その日は悔しくて、お気に入りの鉄板焼きを食べて早く寝ました。(ちなみに、こういう思いをしたときは、旨いものを食べて寝てしまうのが一番です。)
全ては自分の時間配分の問題です。もっとやりようはあったはずです。その翌日、翌々日の早朝に時間をつくり、仕事のやり直しをしました。次はこんな悔しい思いはしたくないので。
先日、某経済団体の会合でとある意見書の仕上げの会議の際に、各社のお歴々のみなさんが良しとする気配の中で自分の意見を口にするのは「ま、いいか・・・」となりそうだったのですが、それに負けずに意見しました。
複数の人が関係する中で発言するときに「ま、いいか・・・」(みんなが良いと思っているのであれば)となりがちです。それでも自分の中にひっかかりがあるのであれば、「ま、いいか・・・」に負けずに発言した方がいいと思います。但し、独りよがりの可能性もあるので、発言に固執しないようにしましょう。周囲がその発言を"なるほど"と思うかどうかは別問題です。(そこで固執すると"うざいヤツ"になりますから。)
年齢を重ねてくると、「ま、いいか・・・」が無い人は大人げないと言われがちですが、こといい仕事をしようとするのであれば、そんなことはないと思います。自分の仕事に責任を持つのであれば、そこは「ま、いいか・・・」と妥協せずに追求すべきだと思うのです。
それ以前の問題として、「自分の仕事」という意識が希薄だと「ま、いいか・・」の「ま、」もありません。言われたことをただやるだけ。これだといい仕事ができるわけがありません。
今日は柴田塾の3日目。午後2時からのプレゼンテーションに向けて受講生たちが
プレゼンづくりに没頭しています。(その合間にこのメルマガを書いています。)
一人もさぼっていません。全員が自分の仕事として真剣にアウトプットに立ち向かっています。
これは状況が生まれている原因は環境設定にあります。
・チームの人数を5名以下にしていること
・競争環境をつくっていること
・他流試合であること
・年齢、役職関係なく、全員が「1」であること
・いつまでに仕上げることが明確になっていること
こうした環境を社内でもつくることで「安穏と仕事する」ことに甘んじることなく
いけるはずです。その上で「ま、いいか・・・」に負けない集団にする。これが会社としての質へのこだわりを生み、結果として顧客から選ばれる集団になります。
そろそろ内職を止めて、受講生たちのプレゼンの中間チェックをします。
おまけー1:過去に電車の中で"お腹の大きな"女性に席を譲って「睨まれた」ことがあり、「ま、いいか・・」と目をつぶりがちの自分に喝! 昨夜、地下鉄で再度チャレンジ!
「・・・いいです。(=_=) 」と言われて終わり。("お腹の大きな女性"を見る目がないらしい)
おまけー2:疲れると夜に甘いものが食べたくなりますよね。アイスとか。
しかし、これは肉体改造にはNG.「ま、(今日は)いいか・・・」との戦いに2勝13敗の様相です。
道は遠い。
おまけー3:「Y氏の隣人」という漫画を知っていますか。なかなか深いです。
Vol.463 鍛え直し、はじまる
やることになりました。
数年前に人材の流動化促進を論ずる某会議で発言したことが蘇ります。
「大企業で滞留している人材をベンチャー企業にもっていっても使いものにならない。仕事の進め方、スキルセットが全く違う。報酬格差を埋める施策は本質論ではない。」(と私)
「じゃあ、どうしたらいい?」(と某霞が関の方)
「もし、やるのなら徹底的に鍛え直すしかない」
因果応報。
この話は大企業のリストラ、アウトプレースメントではありません。
それは私の仕事ではありません。むしろ、本気で中高年の"オーバーホールをしようというものです。鍛え直し後、会社を変わることもあるでしょうが、同じ会社の中で新規事業を担う(立ち上げる)も大いにありです。
大きな組織では「人が足りない」と言いながら、その実、余っています。安定収益や組織構造がある意味で"余剰人員"を含んだ体制を容認していることが多いです。一方で、こんな話を聞きます。
"既存事業の右肩下がり基調は否定できない。将来のための新規事業(成長事業)の立ち上げが必要。しかし、それを担える人材がいない・・・"
今回の"鍛え直し"は、その候補者を社内で調達して、徹底的に"鍛え直して"、その任に当たらせるというものです。対象者は35歳からという想定です。
20日間。みっちりやります。途中数日のお休みはありますが、まあほぼ1か月ぎっちりです。
20日間を4つのテーマに分けています。まず最初の5日間は、徹底的に「Throughput(スループット)」の強化をします。仕事はインプット、スループット、アウトプットの組み合わせ。知識、経験、情報をいかに整理、組み合わせてアウトプットにつなげるか。
これがスループットです。
同じような仕事を大企業下で長くやってきますと、視界が限定され、スループットが固定化します。ここをぐっとストレッチするトレーニングをやります。"イシュー・ウイング"(と私は称しています)の千本ノックです。課題を中心に置き、「Why so?」と「What happen?」を繰り返していきます。これを個人作業、グループワークで徹底的にやります。
第一期の仕上げは「体験型ケーススタディのその1」。絶対解のない状況下で発生する大問題、不測事態への対応演習です。「理と情」のバランス、情報収集、整理が求められます。
ちなみに第一期は4泊5日の泊まり込みになります。(朝、走ったりもします。)
第二期はアウトプット強化です。自分の考えを1分でまとめる言語技術。長文を200字にまとめる文章術。加えて、利害関係者が多い中でのコミュニケーション術。これらを徹底的にやります。
第三期は人を育成したり、動かすためのスキルセット・マインドセットを演習と実学で身に着けてもらいます。「コーチング」の進め方を学び、その後、大学生たちをリードしてビジネスコンテストでプレゼンテーションをしてもらいます。ここでは自分がプレゼンするのはNG。
大学生たちをいかに伸ばすことができるか。彼らとの信頼関係を築けるか。ここが問われます。
第三期の最終日は「体験型ケーススタディのその2」。
「その1」に英語によるコミュニケーションが加わります。英語力を鍛える最良の方法は"英語を使わざるを得ない環境に身を置くこと。これを実践してもらいます。(その後、自助努力でビジネス英語を鍛えるための演習をします。)
第四期は、実際の成熟小売産業をリサーチ、実地見聞してもらい、その成長シナリオをまとめてプレゼンテーションしてもらいます。このワークが20日間の仕上げになります。
9月に16名、10月に16名を対象に行うこの贅沢なプログラム。今回はトライアルという位置付から、某"霞が関"の予算下で行うことになっています。ということは参加フィーはミニマム。交通費とか宿泊費程度と思われます。(思われます、というのはこれはIndigo Blueの主催ではないので。詳細は近日中に公に発表があるでしょう。)
やや話が飛躍しますが、私は近い将来、公的年金の支給開始年齢が85歳になると思っています。国民皆健康施策、トレーニングブーム、若い時代の栄養状況から人間の寿命はどんどん伸びるだろうと思っています。今の日本人の平均寿命は82.9歳ですが、これが105歳くらいになるのではないかと。
公的年金は"現役引退後、20年程度"面倒を見るという思想でしょうから、支給開始年齢は85歳になります。実際、65歳から公的年金が支払われて、40年も支払いをしていたら、財源はどう考えてみても持ちません。
だからこそ、今の時代の"中高年"で停滞している(力を使い切れていない)人達がいたら、その力が錆びついてどうにもならなくなる前にその実力を覚醒させておくべきだと思っているのです。
おまけー1:ちなみにこの"鍛え直し"ですが、ある意味で「キャプテン・アメリカ」をたくさんつくるようなものなのですが、「キャプテン・アメリカ作戦」というネーミングは1秒でボツでした。
おまけー2:"イエティ、ヒマラヤ最後の謎「雪男」の真実"を読了。うーむ。納得いかん。
おまけー3:新著「遊んでいても結果を出す人、真面目にやっていても結果の出ない人」。これが増刷になるのが、今日現在のささやかな夢です。 (^_^.)
Vol.462 オフサイトミーティングの環境設定
今日は、オフサイトミーティングの「環境設定」がテーマです。
経営合宿、オフサイトミーティング、研修で外部の施設を使うことがよくあります。この場合、研修の専門施設、ホテル、貸会議室を使うことになりますが、理想的な施設になかなか遭遇しません。
多くの施設側の姿勢はあくまでも「場貸し」。そこで行われるイベントがうまく
いくようにサポートするという姿勢がありません。長時間にわたって議論する場合、環境設定は非常に重要なのですが、ここをわかっていません。もしくは環境設定は利用者側の責任と思っているのかもしれません。
環境設定の主たる責任は利用者側にあります。もちろんです。但し、施設側にもおカネをとっている以上、貢献責任があると思うのです。「貢献責任」というと重い感じですが、せっかくの「場」なので、うまくいくように力を貸して欲しいという期待があります。
まずはレイアウトから。基本形が昔ながらの「学校スタイル」「シアタースタイル」「ロの字」しかありません。まずはここからなんとかしてほしい。世の中の議論、研修は双方向になりつつあります。
"グループディスカッション中心にしたいので、「5人一組の島が5つが入る部屋」をお願いします"とお願いしますと、部屋の中で身動きできないくらいに「島」が押し込まれていたり、"・・・といいますと、どのくらいの広さを希望されますか・・・?"と聞かれることが一般的です。
グループディスカッションをする場合に最適な人数は5名です。この人数ですと、サボることができません。7名もあり得ますが、議論の「聞き役」が生まれてしまいます。全員参加を実践したいのであれば5名以下がよいでしょう。2名だと息がつまります。最少でも3名です。(グループ内でなんらかの意思決定を求めることになることがあるでしょうから、奇数設定がよいでしょう。)
この場合、直径140センチから160センチくらいの円テーブルを「島」にするのが理想的です。
しかし、この円テーブルを用意している研修会場にはまだ遭遇していません。ホテルには円テーブルがあるはずなのですが、直径180センチ級のものか、その半分のサイズしかなく、結果として長方形のテーブルを組み合わせて使うことが多くなります。
更には、この円テーブルの中央、または中央に穴を開けてその下に「人数分のコンセント」があること、会場内に「無線LAN」が飛んでいること、テーブルの高さを60.5センチ前後にしていること・・・ここまで気を遣ってくれると、余計なストレスなく議論に集中できます。
快適に議論をしようとしたら、その円テーブルを中心に24平米はスペースが必要です。
さらにフロアに人工芝がひいてあると最高です。靴を脱いで議論ができます。
部屋の空調が快適なことは基本中の基本です。寒すぎたり、熱すぎるのはNG。
換気が停滞するのもダメ。一つの部屋におじさんを大量に長時間いれておきますと、みなさんが予想される通りの"空気"になります。これを解消できるような仕掛けが必要です。アロマを焚くのも一案です。
天井の高さ、窓(外光が入る)も重要な要素です。但し、スクリーンに投影したスライドが見えなくなるような反射光が出てはだめです。プロジェクターは小型で騒音なし。解像度、明度が高いものを。
ホワイトボードは各島に1つ、メインの進行用に1つ必要です。プリンター付やPCに接続している電子白板だと尚よし。ホワイトボードマーカーはかすれないものを最低3色用意。
大型のポストイットとサインペンを片隅に用意。
休憩時には快適なBGM、リフレッシュメントとしてちょっとしたキャンディー、チョコレートなどを用意すると共に、ジュース、ウーロン茶、コーヒーを飲みたいときに飲めるように用意しましょう。
会議室の中で作成した資料を印刷するためのプリンターがあり、会場から接続できるか、或いはUSB対応していること。コピー機も必要。
食事の時間は研修、議論の進捗に併せてフレキシブルに対応が可能。ディスカッションが深夜に及んだときに対応可能なスペースを用意しておくこと。
研修、会議終了時にはさっと帰れるように、タクシーを配車しておくなどの気配りがあると最高。
こういう施設があると必ずリピートオーダーされます。
食事を充実させることでリピートオーダーを期待している施設がありますが、本質を見誤っています。研修担当者や事務局からすると「飯がうまい」ところがいいのは当然ですが、実際に利用している側からすると、時間が制約されているのにフルコースチックなサービスを用意されたり、午後の議論に影響が出るほどの量を提供されるのはむしろ迷惑。(わかってないな、と思います。)
こういう施設が出来ましたら、お知らせください。柴田主催の研修、経営会議、その他イベントではその施設を必ず使用します。ホテルの宴会部の方、研修施設の方、よろしくお願いします。(どうしたらよいかわからない場合にはご連絡ください。徹底的にアドバイスします。)
おまけー1:京急の中で新著「遊んでいても結果を出す人、真面目にやっていても結果の出ない人」を読んでくれているおじさまを発見! 写真撮ってFacebookに上げたいところですが、車中で写真撮ると捕まりそうな・・・ (・・;)
おまけー2:7月18日の「遊んでいても結果を出す人・・・」のライブラリートークですが先週水曜日に満席となりました。ありがとうございます! が、当日までにキャンセルになる方も毎回いるので、キャンセル待ちであってもぜひ!
おまけー3:「アルゴリズム体操!」の歌を歌えますか? どうしても「ALSOK」の歌になりませんか?