柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.597 やはり学歴<人間力

3月12日・13日・14日と「PHAZE」第1期オーディションのファイナルイベントがありました。

「PHAZE」は以前にもご紹介しましたが、学歴不問で人間力のありそうな若者を全国から

発掘して鍛える場です。第一期では東京と京都で開催。説明会、予選、準々決勝、準決勝を

経て選抜された5人のFinalistが会場の幕張に集いました。

 

Finalistは20歳の大学生2名、高卒後、既に働いている22歳1名、22歳の外国人留学生1名、

すでに内定を得ている4年生1名という多様な顔ぶれです。

 

私はこの試みの発起人なのですが、本来業務の関係で日常的にこの試みに参加することが

叶いませんでした。ここまで、ずっと社団法人PHAZEのメンバーに運営をお任せして

きましたが、決勝戦の体験型ケーススタディ(OT)は日曜開催ということもあり、

幸いにも参加できました。

 

やって良かったです。

 

現在の就活では偏差値の高い大学に通う大学生が有利です。こうした“優秀な”若者は

“大はずれ”ということはありません。決められた枠組みの中で、優れたアウトプットを

出すのが得意な連中です。しかしながら集団で荒野を開墾していくような試みや、

利害関係や能力が異なる人間集団の中で影響力を行使するのは得意ではありません。

 

これは受験勉強で問われてきていないということ、

若いうちに“挫折”や“修羅場”の経験をしていないこと、

 

これらが影響していると私は見ています。

 

“学歴”というフィルターを外してみると、“挫折”“修羅場”経験をしてきた若者が

います。その経験がゆえに豊かな人間力の素地があります。他人の痛みがわかるのは

自分も痛みを経験しているからという所以です。しかし、その“学歴”のために、

普通の就活の中ではスポットライトが当たりません。書類選考で落ちてしまうのです。

 

経済的事情で進学できなかった。受験勉強以外のことに情熱を注いできた。だから

偏差値の高い大学には行っていない。しかし、今後、自分を高めて、影響力のある

仕事をしたいという成長意欲のある若者がいたら、彼ら彼女らが活躍していくための

架け橋をつくりたい。これがPHAZEです。

 

今回、Finalistたちに体験してもらったOTのテーマは「不測事態に直面した際、

立ち消えになりそうな大きな商談をプロジェクトチームとして成立させられるか」です。

 

これまで日本を代表するいくつかの企業でこのOTをやってきました。対象は選抜された

優秀な内定者やインターン、または中堅社員です。しかし、ほとんど毎回失敗します。

 

彼ら“優秀な”若者たちの多くは、目の前に展開される困難な出来事に呑まれてしまい、

主体性をもって課題解決ができなくなってしまうからです。また、頭ではわかっていても、

火中の栗を拾うことになると身体が動かないからです。更には人の感情を受け止める

ことができないからです。

 

この5名は違いました。思考のプロセス、深さにはまだまだ課題がありました。

しかし、課題解決に向けて熱を発しながら、動けました。

無駄な動きも多々ありますが、動けました。

 

最終的に「商談成立!」。私の記憶では初めての成功です。(素晴らしい!)

 

OT後の最終振り返りには次の予定があったために、参加できなかったのですが、

OT終了後の彼ら彼女らの表情を見ていると、この決勝の3日間を通じて気づいたことを

受け止めていることがわかりました。この5名の今後が非常に楽しみです。

 

第二期の活動を行うためにご寄附いただける企業・団体の方、お力添えいただける方を

募集しています。ぜひ、よろしくお願いします。

 

http://phaze.jp/news/

https://www.facebook.com/phazefun/

 

 

おまけー1:就活に詳しいNさんから聞きました。今の体育会系の学生は昔と大違いだと。

 

体育会系の学生と言うと“四の五の言わずに取り組む元気いっぱいの大酒呑みの若者たち”

というイメージですが、これが違うそうです。今は科学的なトレーニングをしているので、

何に役立つかを理解しないと動かないそうです。また、練習していないときは自宅で一人で

ゲームをやっていることが多いそうです。

 

確かに。昔は「練習中に水飲むな!」でしたが、今は違いますもんね。

 

おまけー2:一方で、某商社系の方々から聞きました。今でもこの会社では社長が

カラオケを歌うと何故か服を脱ぐ連中が多いと。おまけに“ホタル”なる芸

(ご想像にお任せします)も出ると。

 

“これ、新人がびっくりして辞めませんか?”(私)

 

“だから、あいつ辞めたのかー” (この会社の大阪本部の部長)

 

 

Vol.596 世代交代

なでしこジャパンリオ五輪敗退。残念でしたね。敗因は「世代交代の遅れ」と

分析する専門家が多いようですが、確かにそんな感じがしました。敗因を“チームと

佐々木監督との溝”とする報道がありましたが、何を言うかと思います。

佐々木監督はすごい実績を残した名将です。今回の結果はともかく、高く評価される

べき存在と思います。(退任会見もさわやかでした。)

 

実績を残したチームであればあるほど、世代交代は難しいものです。当然ながら、

周囲は「常勝」を期待します。その中で「世代交代」をも実現するのは難題です。

かつて(かなり、古いですが)ミュンヘン五輪で金メダルの男子バレーもそう、

V9後の巨人軍も、ヴェルディ川崎もそうでしたよね。

 

会社組織においても同じことが言えます。会社を大きく成長させたトップマネジメント

チームの世代交代は難易度が高い課題です。特に、そのチームがほぼ同じ顔ぶれで

長く会社をけん引してきた場合には難易度が更に上がります。

 

強烈な個性の直下に強烈な個性をもった人間は共存しにくいものです。この強烈な

メンバーが考えることを実践できるメンバーが登用、重用されがちだからです。

そうなりますと、当事者意識が強く、個性が強い人間は別の場所、すなわち社外に

活躍の場を求めることになります。結果として、直下の世代に“次を担える人材”が

いなくなります。

 

トップマネジメントチームの「世代交代」は人事の重要課題です。次世代を担う

可能性があると目する人材を見極めたなら、現体制下で登用するのではなく、

現体制の影響が比較的少ない場所でリーダーとしての経験を思い切りさせておくのが

良いでしょう。そういう子会社があれば最適です。

 

いよいよ世代交代を実行する。このときに必要なことは、「タイミング」と

「“リスクをとる”という決断」です。

 

世の中的には現体制の神通力が衰えてきてからの交代事例が多いのですが、これは

理想的ではありません。現体制の補強と新体制の立ち上げは違います。前者への

対応が重く、新体制も立ち上がらず、悪化の度合いが深まってしまいます。

 

現体制が十分に機能しているときこそ、チャンスです。自分を含めた現体制を

“後見人”として活用できる状態で一気に新体制への世代交代を行う。

これがベストだと思います。

 

人選は自分がいないことを前提で進める。これが大原則です。そうでないと、

まずは自分がコントロールしやすい人間を挙げがちです。更には、自分と比較した

ダメだしをすることになります。

 

自分と同じ視界と行動力、影響力を持った人間などいません。その目線を捨てないと、

“自分が見てやらないと心配だ”感を払しょくできません。これが世代交代の

最大の妨げになります。

 

自分の存在を前提としない。これが肝要です。やれそうなヒトがいたらやらせて

みるのです。やらせてみて、ダメだったら陰で支え、それでもダメだったら、

“自分の再登板を除いた”他の手段を考える。

 

世代交代が一番大変なのはオーナー系の企業です。上記のような仕組みも

オーナーの解釈ひとつでいかようにも変わってしまいますから。そういう会社では、

まさにオーナー自身が自分で自分を律して、世代交代を断行しないと絶対に

実現しません。

 

自分の存在を消して考えることができるかどうか。この進め方がオーナー経営者の

退任後の評価が決まります。引き際は美しくありたいですね。

 

 

おまけー1:友人のAさんの結婚式話の続きです。

 

共通の知人としてTさんと「ゆりかもめ」でヒルトンお台場に向かう中、「お台場・・」

という文字が目につき、“Tさん、着いた!降りるぞ!”とがーっと改札を出たところ、

「台場」ではないことに気づきました。(「お台場海浜公園」・・・)

 

歩いていく選択肢もあったのですが、天下の方向音痴2名。リスクをとらずに

次のゆりかもめで向かいました。なんとかホテルに到着。チャペルに入ったところ、

誰もいません。

 

“おー、さすがサプライズだなー”と私。

 

ところが、暫くしても誰も来ません。

 

“柴田さん、ここ違うんじゃないすか?” とTさん。

 

(違うチャペルだ!)

 

 

おまけー2:パスの私の部屋から向かいのビルのオフィスが見えます。いろんな会社が

あるなーという感じです。とある会社で新人らしき社員が全員の机をふいている

(昭和ですね~)のですが、机によってかけている時間が大幅に違います。

社内の人間関係が見えます。 (^.^)

 

 

 

Vol.595 内部通報制度

パスグループで「内部通報制度」を再整備しました。グループ会社が4社になりましたし、

昨年5月施行の会社法への対応、今後の成長計画をもにらみ、改めてグループ単位で

実行したものです。

 

ところで、内部通報はある意味で諸刃の剣。悪用する輩が世の中にはいます。

噴出した社員の声をどのように捉えるか。経営としての「澄んだ目」が問われています。

 

数年前の話です。とある会社(外資系)の本社のホットラインに一本の電話が入りました。

同社の女性社員からの通報です。

 

“セクハラ”されているので、助けてほしい。“

 

この会社の営業を統括するA氏から、仕事の指導と称して、宿泊を伴う地方出張に連れて

いかれたり、夜遅くまでお客様の接待に同席させられる。断れる気配がない。

これはセクハラではないか、と。

 

ホットラインで本件を受けた本社の担当者は、ここぞとばかりに動き始めました。

通報者から事情を聞き、事例を調べ、弁護士を登用し、通報者側の主張を固める資料を

十分に用意した上で、A氏との面談に臨みました。

 

A氏は実力者。ローカルの社内では誰もが一目置く存在です。論客でもあります。

それなりの準備をして面談に臨まないと、逆に詰められてしまう怖れがあります。

だからこそ、担当者はA氏に会う前に万全の準備をしたのです。しかし、A氏の話を聞く前に、

これだけの情報装備をしてしまうと、どうしてもA氏は“黒”という先入観が生まれます。

A氏への畏怖もあり、弁護士や外部専門家も登場し、どんどんA氏を追い詰めることに

なりました。最終的にA氏は退社しました。

 

しかし、その後しばらくして、本件の実態が判明します。A氏の存在を疎ましく思っていた

他部署の責任者B氏が、飛ぶ鳥落とす勢いのA氏を失脚させるために、この女性社員を

“使った”のです。(B氏とこの女性社員は極めて近い関係でした。)

 

その後、B氏もこの女性社員も退職しました。最悪の結末です。

 

A氏はこの女性社員のことを評価していました。この女性を鍛えて、将来は自分の後継者

候補にしたいと思っていたそうです。育成で最も効果的なのは自分の仕事の仕方を

近くで見せること。そう考えての“かばん持ち的”な接し方をしていたそうです。

それをセクハラと言われ、もはやこの会社で仕事を続ける気力が萎えたと。

しかし、もし、当人から直接、相談されていたら、それなりの対応もできた、

というのが後日談です。

 

この会社はアメリカ系の会社。外資です。私はアジアパシフィックの責任者から

この話を聞きました。

 

A氏のことを良く知るこの人物は、A氏がセクハラ疑惑の対象になるなど夢にも思わず。

この話を聞いて驚いたそうです。しかし、かつて一緒に仕事をしたことがある自分が

介入するとフェアではないと考えたそうですが、仮に自分が間に入っていたなら、

異なる展開になっただろうと悔やんでいました。

 

内部通報は弱い存在が声を上げるもの。それを受けた人間は弱い人間を守らないといけない。

この気持ちが過度に働いてしまうと判断を誤ります。通報者、対象者の双方、

関係者を取り巻く環境、十分に事情を理解した上で判断すべきですね。

 

さて、最近聞いた別の会社の話。なんと社長自身が立ち回って内部通報を仕立て

あげたそうです。こうなりますと、世も末。その会社の行く先が透けて見えますね。

 

 

おまけー1:3月5日に54歳の誕生日を迎えました。”54年物“です。

しかし、50歳になってから折り返している感じがします。

成長ホルモン的には36歳の判定なので、まだまだいけます!

 

 

おまけー2:友人Aさんの結婚式の後のリムジン周遊の中で、新郎のAさんが

“うー、飲み過ぎた。車停めて。トイレ、トイレ”。これにAさんの友人のIさんが

“膀胱パーンチ!”。ちなみに両名ともアラフィフです。

 

こうした、あほ過ぎるやりとりは同世代の女性にはまず見られませんね。

 

 

おまけー3:花粉症を気合いで止めています。毎年この時期はひどいのですが、

講演の前には、いつもピタリと止まるもの。要は気合いだ!と日常的に気合いで止めています。

 

これを税理士のK先生にお話ししたところ、“昨年も気合いで止めると仰ってましたよね。”

とニヤリ。そういえば気合いが持つのが1週間だった。

 

 

 

Vol.594 ”怒る”ということ

久しぶりに、“キレて”しまいました。とある電話終了後、机を叩き、壁を蹴るという

狼藉を働いてしまいました。さすがにCEO室の中からドン!という音がしたので一部の

社員が心配して“だいじょうぶですかー”と覗いてきました。いやいや恥ずかしい。

(手も痛い)

 

15年ほど前は、私はこの手のことをよくやってしまう残念な社長でした。当時の

あだ名が“瞬間湯沸かし器”。ひどいもんです。その後、あることをきっかけに深く

反省。立ち振る舞いを改めてきました。ずっと大丈夫だったのですが、超久々に

やってしまいました・・・。

 

外出後、CEO室に戻ったところ、壁についていた靴の跡がきれいになくなっていました。

誰が拭いてくれたか察しがついたので、その人のところに出向いて

“申し訳ありませんでしたー”とお詫びしました。(もうやりません。)

 

それにしても、なぜ人は怒るのでしょう。改めて考えてみました。

 

自分の思い通りにならないから。

自分のメンツが潰れた(と感じた)から。

侮辱された(と感じた)から。

 

かつて私が瞬間湯沸かしになっていたのは、これらの理由からだと思います。最近は

この手のことでは沸騰しません。人を思い通りにしようと考えること自体が不遜(ふそん)

ですし、そもそもメンツを潰そうとか侮辱しようとして発言する人はそんなにいるもの

ではありません。

 

言葉に対する内包(言葉から想起される概念)は人それぞれです。自分にとってはキツい

表現でも、ある人にしてみると日常的に使う言葉の範疇ということもあります。

そんなことで怒ってみてもしょうがないです。

 

仮にメンツを潰そう、侮辱しようと意図して発言されたとしても、それで怒ってしまうと、

ある意味で相手の思うツボ。むしろ、相手にそこまで思わせた自分の非を悔やむべきかと。

 

 

私が本当に怒りを覚えるのは、こんなことだと思いました。

 

自分を含め誰かが大事にしていること(人)がぞんざいに扱われたから。

気遣いに気づかず、自己中の発言を繰り返すから。

 

人が大事にしていることやヒトを粗末に扱うのはいけません。その人の気持ちを

ないがしろにしていることになります。その人のためを思っての発言や行為に

全く気づかず、自分の主張だけ繰り返す。これもいけません。その人のために・・・

という気持ちに泥を塗っています。

 

これらの人には目を覚ましてもらう必要があります。ですから、この手のシーンに

遭遇したときには自分を制御することなく怒ります。

 

ただし、今回の私のようにモノにあたってはいけません。モノには責任がありません。

その相手に直接やらないと意味がありません。電話を切って、その人を呼び出して

“怒る”のが適切なプロセスだったと思います。いつもはそうしてきているのですが、

今回の狼藉。まだまだ、修行が足りません。

 

修行が足りないと言えば、この“誰かが大事にしていること(人)をぞんざいに扱う”

、“気遣いに気づかず、自己中の発言をする”、気をつけているつもりではありますが、

私もやってしまうことがあります。

 

怒ってくれた方がどれだけありがたいか。すぐに自分の非を認識できます。

怒ることなく、飲み込まれてしまうとその時には気づきません。気づいたときには

時すでに遅し、ということもあります。思い出すだけでひやーっとします。

 

これは慢心、甘えから起こるものです。

 

私のようなポジションにいる方々へ。気をつけましょう。自分は何を言っても

(やっても)許されると心のどこかで思っていると、これをやってしまいますよ。

 

 

 

おまけー1:「天才」(石原慎太郎 著 幻冬舎)を読了。

田中角栄の一生を石原慎太郎さんが一人称で書いています。面白かったです。

かつて理解しなかった存在が,時を経て理解できる。同感します。

 

 

おまけー2:事情により、しばらく「禁酒」となりました。

 

 

おまけー3:Web版の「DRESS」。リニューアルして、ユニークユーザーが3倍に!嬉しー。

面白い記事が満載なのでぜひご覧ください。

 

https://p-dress.jp/

 

 

 

Vol.593 空気感を悪くする鈍感行動

経営会議の“空気が悪い”会社は間違いなく低迷します。

 

外的要因によって、あるいは特定の商品力によって伸びていたとしても、それは一時

(いっとき)のこと。長続きはしません。ゴーイングコンサーンであることを望むので

あれば、経営会議のような企業の方向性を決める場の“空気”感には気を遣うべきだと

思っています。

 

“空気”を悪化させる行動例です。

 

‐発言者に対して攻撃的なコメントをする

‐結論を敢えてはっきりさせないで終える

‐意見があるのに押し黙っている(のがわかる)

‐(業績悪化や失敗に対して)犯人探しをする

‐特定の人が延々と話し、誰も口をはさまない・・・ 等々

       

このような経営会議では、その場の“空気”がどよんと停滞しています。物事が進む

勢い(モメンタム)はどこにもありません。むしろ、外に向かうべきエネルギーが

内部の政治的なことに向かっています。敵は内部にあり、という状態になります。

 

この状態が当たり前になりますと、組織が“自分のことだけやる”集団になります。

周囲の人のことはおかまいなし。自分は自分のことをやる。助け合いはなし。

心ある人から辞めていきます。たいへん良くありません。

 

万が一、こういう“空気感”があるなら、大至急なんとかした方がいいです。

 

この“空気感”が全くわからないがいます。鈍感です。そういう人が上記のような

「鈍感行動」をしたり、その人の存在がそういう行動をとる人を生みます。

鈍感な人にわかってもらうこと。ここからだと思います。

 

自分がいるところの空気を悪くしようとする人はいません。空気感に対して鈍感なので、

自分の言動が空気を悪くしていることに気づかないのです。辛いものを食べても

辛さを感ずる味覚がないのでわからないようなものです。

 

この場合、リーダーがとるべきことは一つ。鈍感な人に自分の感覚を伝えることです。

しかし、伝え方があります。感じない人に“なんで感じないんだ!”と言っても始まりません。

 

“あの場面で、あなたがああいう発言をしたので、こういう気持ちになった人がいる。

そういう気持ちにさせたかったわけじゃないでしょ?”

 

こうした問いかけからです。

 

これまでの私の経験からして、この問いかけをするとハッとして、なぜ、自分が

その発言をしたのか、という説明を始める人が多い。OKです。これは“悪いことをした”

という意識による言い訳です。“悪いことをした”という意識を持たせること。

これが鈍感行動の改善の第一歩になります。

 

鈍感行動をとっている人が、その後自分の言動についてのフィードバックを求めるように

なってきたら大丈夫です。正常化が見えてきています。それがない場合。これは見込みなし。

鈍感行動の人を会議メンバーから外しましょう。そうでないと“船”が沈みます。

 

トップ・リーダーが鈍感行動をしていることがあります。これは厄介です。

トップに気づきを与えるのは社外役員、顧問、株主、金融機関の役割です。

内部の人間ではなかなかできません。トップが見込みなしの場合には全速力で逃げましょう。

(心中してもしょうがない)

 

 

おまけー1:「日本のこころの教育」(境野勝悟著 到知出版社)の中にある「さようなら」の意味。

「おとうさん」「おかあさん」の意味。グッときます。

 

 

おまけー2:近藤真彦さん(マッチ)の髪型を見て、“あ、あんな風にしようかな”と言ったところ、

すかさずウイッグのカタログを見せていただきました。

(このような形でニーズに応える営業は失敗します。)

 

 

おまけー3:先週もお知らせしましたが、音楽座ミュージカルの特別公演。ぜひ!男性もOKです。

(私も新宿駅から参加します!)

 

https://act.p-dress.jp/campaign/179/dress%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E9%99%90%E5%AE%9A%E9%96%8B%E5%82%AC-%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E5%BA%A7%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%9B%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%82%BF%E3%83%BC-%E6%B3%A3%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A6-%E3%83%8F%E3%82%B9%E3%83%84%E3%82%A2%E3%83%BC

 

 

Vol.592 Act Dress いよいよ!

先週のメルマガ「負けない、負けない、負けない」にたくさんの返信をいただきました。

ありがとうございます。

 

先々週から先週にかけて、私の周辺に(思いがけず)悲しい状況に置かれることになった

人が続出。その人たちを励ましたいと思っていたら、共感し過ぎて自分の気持ちが弱く

なりそうになりました・・・。これはまずい!と自分を鼓舞するために書いたような

ものです。

 

さて、先週は株式市場が底割れ。私がCEOを務めるパス株式会社の株価も最安値を記録。

株価チャートを見るにつけ、痛い想いをしています。しかし、負けません。

これからが「逆転」です。

 

やっとコミュニティ型マーケット事業が産声を上げました。

 

コミュニティ型マーケットは、

 

「人は、自分が信頼できる人、知人からの意見を聞いて行動する」

「自分が関係する商品・サービスに強い愛着を持つ」

 

という私の持論に端を発しています。

 

自分が参加していると実感しているコミュニティの中で、良いと思う商品やサービスを

相互に紹介したり、こんなものがあったらいい(やりたい)と思うものを企画し合う場が

できたら、主体性ある人たちに喜んでもらえるはずだと思いました。この「場」が

コミュニティ型マーケットです。パスの役割はこのプラットフォームの提供です。

 

その第一弾、Act Dressを2月13日にリリースしました。Act DressはDress会員を対象に

「やりたいこと」を実現するための場です。また、企業が感度の高いアラフォー女性たち

とのコラボイベントを企画したり、商品開発に巻き込む場でもあります。

 

ちなみにDress会員は“サードプレース(自宅でも職場でもなく、自分を実感できる

第三の場)”を志向する、主としてアラフォーの女性23,000人(現在増殖中)から

なります。

 

ぜひ、ご覧ください。

 

https://act.p-dress.jp/

 

(ちなみに3月10日の「音楽座ミュージカル特別公演」は柴田の超おススメ。

私もバスツアーから参加する予定です。)

 

私は昔から周囲の人を幸せにしたいと思ってきました。2006年に出版された

外資系企業TOPの仕事力」(ダイヤモンド社社)という本に

 

「周囲の人が幸せになる。それが子供の頃から今に至るまで、私のビジョンでした。」

 

と書いてもらいました。

 

当時、私は米系コンサルティング会社マーサーの社長。私へのインタビューを編集の方が

うまくまとめてくれました。それが「周囲の人が・・・」という言葉になりました。

活字になった自分の言葉を見て納得したことを覚えています。

 

これが私の原動力だと思います。ただ、歳を重ねるにつれて「幸せ」という言葉の持つ

重みを感じるようになり、軽々に「幸せにしたい」と口にできないと思うようになりました。

 

むしろ「幸せ」というよりも、「嬉しい!」「充実している!」「元気になった!」

こっちだと思います。

 

Indigo Blueでのコンサルティングや体験型ケーススタディ(Organization Theater)を

企画しているのも、PHAZE(学歴不問の人材育成塾)も原点は同じです。

 

世の中、売り手型の論理に基づく販促ばかり進化しています。私が考えているのは

買い手の側の進化です。「嬉しい!」「充実している!」「元気になった!」、

この感覚に消費活動が伴ってきたら、こんなにいいことはないなと思っています。

コミュニティ型マーケットがそのプラットフォーム第一号になる。夢ですね。

 

 

メルマガ読者の女性のみなさんへ。ぜひ、トライしてみてください。

(音楽座のイベントでお会いしましょう!)

 

 

おまけー1:久しぶりに某牛丼屋で朝ごはんを食べました。隣が“ネットカフェで

寝泊まりしていると思われる母親と女子中学生”、反対側の隣が“500円を拾った”と

思しきホームレスの男性。ディープです。

 

 

おまけー2:パスの会議室に名前をつけました。「Creative」「Challenge」「Empower」

「Growth」。私の部屋兼会議室だけまだ名前がついていません。どうしようかな。

(「Confession」にしようか「Surprise」にしようか思案中。)

 

 

おまけー3:女性の「ちやほやされる度」が下がるにつれ、「男性を見る目」が上がる。

そうなると難しいことになる、という説を唱える方のことを聞きました。

今度、Act Dressでトークショーをやってもらおう。

 

 

Vol.591 負けない 負けない 負けない

負けてはいけない。

 

この週末、辛い思い、寂しい思いをしている全ての人へのメッセージです。

 

目の前が閉ざされるようなことが起きると、誰でも暗澹たる気持ちになります。

自分の近くの空気の密度が変わります。周囲の音が消えたような感覚になります。

それでいて胸の奥にはきゅーっと差し込むような痛みを覚えます。しばらくすると、

胸の痛みは何か大きなモノを飲み込んだような感じに変わります。苦しい。

自然とため息が出ます。

 

我を忘れてできることがあると、それに没頭することで苦しさから逃れようとします。

しかし、これもしばしの気休め。ハッと我に返るとそこには「目の前が閉ざされるようなこと」

が横たわっています。何も変わっていません。ますます暗澹たる気持ちになります。

 

こんな状況にある人たちへ。

 

まずは声に出して言ってみましょう。

 

“負けない” “負けない” “負けない“

 

3回続けて声に出してみてください。力が戻ってくる感じがあるはずです。

 

大事なことは背筋を伸ばして、胸を張って声を出すこと。(自分に言い聞かせて)

 

“なんでこんなことになったんだろう”と自問して悩んでみても事態は変わりません。

一刻も早く、前を向きましょう。明らかに自分に非があると自覚している場合でもそうです。

いつまでもクヨクヨしていても始まりません。反省は大切です。

しかし、いつまでも自分を責めていてもしょうがありません。

 

あなたが落ち込んでいる姿は家族や友人や職場の部下、同僚に辛い思いを伝染させます。

周囲にわかってもらいたいという気持ちはわかります。しかし、自分の重荷を周囲に分けた

としても何も変わりません。却って、苦しくなります。周囲の悲しい顔、どうしたらいいか

わからない顔があなたを襲います。

 

最悪は家で家族に重荷を分けることです。家族なんだからわかってくれ・・・という想いに

なることはわかります。但し、家族はあなたの環境を100%理解しているわけではありません。

背景情報がない中で、自分が落ち込んでいるから慰めてくれ、は難しいです。

 

それでも、家族ですから気を遣ってくれるでしょう。しかし、そのポイントがずれてしまう

ことも多々あるでしょう。そこで怒りの矛先を家族に向けるのは最悪。最も大事な味方を

失うことになります。

 

あなたの問題に解決の道筋をつけるのはあなたしかいません。

 

“負けない” “負けない” “負けない”

 

この呪文で自分を解放しましょう。

 

10年ほど前外資系企業の社長をしていたときに本社とその周辺からの“攻撃”にかなり

精神的にやられた時期があります。そのときにこの呪文を唱えて乗り切りました。

それだけでなく、当時PCのパスワードも“負けない”にしていました。

朝、歯を食いしばって走りながら、この呪文を唱えました。

 

あとは笑うことです。大ピンチのときこそ、笑う。

 

笑う門には福来るといいます。真理だと思います。暗ーい感じのところからは運気も

逃げ出していきます。どんなに苦しくても笑っているとパワーが寄ってくるものです。

 

辛い境地にあるあなたが笑って元気にしていると周囲も安心します。ますます、

あなたのことを応援しようという気持ちになるはずです。

 

(このメルマガを清原和博さんがとってくれていたらいいのに。)

 

 

おまけー1:スペシャルミッションがあり、先週は、東京→大阪→高山→黒部→東京と

短期間で大移動しました。しかし、今年は本当に雪が少ないですね。

雪祭りの担当者にもこのメルマガを届けてあげたい。

 

おまけー2:「しっぱいしたら、はげます」 

小学生のコメントですが、中高年男性にしてみるとシュールです。

 

おまけー3:“しくじり先生”という番組がありますが、よく見ます。

自分の“しくじり”を人に話して笑えるようになったら一皮むけているはずです。