柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.643 仕事を人質にするヒト対策

仕事を“人質”にする人がいます。「その人の代わりがいない」「その人しかわからない

仕事がある」、これらのことをいいことに、尊大な態度をとる人のことです。多くの人、

特にその人の上位職にあたる人たちは苦々しく思っています。いつか切ってやろうと

思っています。

 

昔は違ったはずです。その人の仕事に対する情熱、専門性、経験を高く買っていたはずです。

しかし、この人が尊大化するにつれて、その評価が変わってしまいました。今ではいつか

切ってやろうとまで思っています。

 

リーダーがこうしたことにエネルギーを割かざるを得ない状況は健全ではありません。

顧客価値を高めること、訴求すること、生産性を上げること、収益性を高めること、

本来これらに注ぐべきパワーが別のことに割かれている状態です。組織のパフォーマンス

は上がりません。仮に上がっていたとしても、本来ならもっと上がっていてよいはずです。

 

仕事を人質にする尊大な人問題に悩むリーダーへ。放置はいけません。手を打ちましょう。

 

ただ、その前にやることがあります。自問です。

 

その人の尊大さを問題視しているのは自分だけ、ということはないか?

 

上位職としての自分の自尊心をないがしろにされたという感情だけなら、「その感情」を

呑み込みましょう。自分が我慢すればよい話です。(これは自分の修行と思いましょう。)

そもそも、その人が尊大化した理由を考えてみましょう。自分に対してのみ変わったのなら、

自分の言動が原因の可能性大です。

 

過去において、その人の貢献を評価しない発言をしてしまったのかもしれません。その人の

“梯子を外して”しまったのかもしれません。それなら因果応報。自分からその人との

関係性を改善すべく働きかけましょう。彼の尊大さの責任は自分にある、ので。

 

そうではない場合。複数の意見として、その人の尊大さが問題視されるような場合。

具体的には次のような行動が見られる場合には、その人を“切る”ための計画を立てましょう。

 

‐上位職を含む複数の人間の会議に頻繁に遅刻してくるが悪びれない

‐関係者で確認したスケジュールを自分の都合で欠席するが表面的な詫びしかしない

‐他者に対して協力的でなく、時に意地悪な対応をする

‐会議等の公の場で排他的で上位職を含む他者を批判する

‐自ら挨拶をしない

 

こういう状態の人は“思い上がって”います。いかに仕事がデキたとしても、このような

言動を繰り返す人は組織に置いておいてはいけません。“切り”ましょう。思い上がって

いるときには他者の声に耳を傾ける冷静さを持ち合わせていません。フィードバックでは

解決に至らないことが多いです。(むしろ悪化します。)

 

感情的に対応してはいけません。その人の代わりが務まる実力をもった人間を発掘・採用し、

準備します。その人の近くに置きますと、間違いなく潰されますので、その人とは距離を

置いたところに置きます。その上で、タイミングを見てスパーンと配置転換を図ります。

 

その際にはっきりと告げた方がいいでしょう。

 

“実力は認めるが、一緒に働く仲間としては認められない”と。

 

この場合、“引き継ぎ”は行われないもの、と考えた方がよいでしょう。十分な“引き継ぎ”が

ないための混乱は致し方ないと思っておきましょう。

 

しかし、このような対処に至ってしまう根本の原因はリーダーにあることを忘れてはいけません。

尊大化させた原因が自分である可能性は高いですし、仮にそうでなかったとしても、尊大化する

可能性のある人を重用した任命責任があります。ヒトを見る目がなかったということになります。

 

一方で“切られた”ことで尊大化している人の頭が冷やされます。元来、力のある人のはずなので

、その経験は必ず活きてくるものです。先日、某企業で昇進のトップを走っている2名から

聞きました。

 

「干された期間があったから今の自分がある」

 

 

おまけー1:先日、風邪で具合が悪いーという人を交えて長時間の打ち合わせをしました。

その翌日、その人から“すみません。インフルエンザA型でしたー”という衝撃のメールが。

数日経過していますが、今のところ発症しておりません。(潜伏期間何日でしたっけ?)

 

 

おまけー2:拙著の「入社1年目の仕事の流儀」、新入社員向けにお求めいただいております。

まだの新人教育担当の方へ。お急ぎください。(^_^)/

 

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Vol.642 外部人材活用のために

外部からの経営者の招聘、幹部の中途採用、女性社員や若い社員の抜擢。

 

これらの人事がうまくいくかいかないか。経営学の先生のメタ・アナリシスの結果を

待ちますが、私の経験則としては「成功確率は低い」です。

 

しかし、そんなこと言ってもおられません。外部人材の登用を成功させたいものです。

 

うまくいかない理由は明白です。「受け入れの準備」が不十分なまま迎え入れ、

時間の経過と共に、その招聘者・抜擢者の「スポンサーだった人」がいなくなるからです。

 

「受け入れの準備」とは、その抜擢者が影響を与えることになる社員たちの「心」の準備です。

とりわけ、直接的な影響が大きい人たちの「心象風景」には気を遣うべきです。

その人材を登用したことで組織感情が乱れ、動かなくなってしまうと元も子もありません。

 

まずは、この“直接的な影響が大きい人たち”に事前相談してください。その人事を決める

前のプロセスに参画してもらいましょう。なぜ、同じチームメンバーの中ではなく、

社外に候補者を求めたのか。何を期待してこの候補者を選定したのか。この2点を

説明した上で決める前に会ってもらいます。

 

社外に候補者を求めた場合に、その候補者が優れた経歴の持ち主であればあるほど、

来てもらえるかどうか不安なので、“多少の気になる点があっても目をつぶって話を

進める”ことになりがちです。そこを“直接的に影響の大きい人たち”には冷静に

見てもらえます。本当に採用すべきかどうかの意思決定のために有効です。

しかし、これは副次的なこと。主眼は“直接的な影響が大きい人たち”の「心」の準備です。

 

“直接的な影響が大きい人たち”との初対面の場で候補者がすべきことは、不安の払しょくです。

魅了できたら理想的です。“この人なら大丈夫だ。”と思ってもらえるかどうか。

この入社前の初対面の印象は極めて重要です。その人事がうまくいくかどうかの50%を

決めると言ってもいいと思います。

 

社内のあちこちでこの登用人事の行方について興味津々のはずです。“直接的な影響が

大きい人たち”は、どう思っているのか。ポジティブなのか、ネガティブなのか。

その動きをみて自分の動き方を決めようと思っています。組織心理とはそういうものです。

“直接的な影響が大きい人たち”が不安に思っていない、さらには期待していることが

表面化すれば、受け入れ準備としては万端です。

 

ちなみに候補者はここで人間力を問われています。初対面の人といかに良い関係を

つくれるか。組織のリーダーは自分にレポートするメンバー(部下)と「1:他」の関係と

「1:1」の関係の両方の関係づくりを意識する必要があります。

この初対面は「1:1」のスタートになります。

 

その役職が上であればあるほど、“直接的な影響が大きい人たち”の目は厳しくなります。

しかも、候補者が自分よりも年齢、経験が浅いとなるとその厳しさが増します。

 

候補者はその人たちと勝負してはいけません。自分の方が「学歴が高い」「専門性が高い」

「市場価値が高い」的な態度からの“マウンティング”をするのは愚の骨頂。

受け入れ側の目は一気に冷めます。“お手並み拝見。どうぞ勝手にやってください。”

となってしまいます。

 

10年ほど前のことです。とある大企業からお誘いをいただき、そこの副社長クラスの方と

会食しました。そのとき、その人のマウンティングがすごかった。自分はこんな著名な

人間とつながっている。こんな実績がある。自分で会社は動いている・・・“。

そんな話のオンパレードでした。その会社の社長さんと人事からは熱烈にお誘いいただいた

のですが、お断りしました。この人との”政争“が馬鹿らしいからです。

 

受け入れた後の採用を決めたスポンサー(上位職)のスポンサーシップも欠かせません。

どんなに優れた人でもミッションが大きければ大きいほど「山あり谷あり」になります。

最初からうまくいく人の方が少ないものです。結果を出すための仕込みにそれなりに

時間を要するからです。

 

しかし、結果が目に見えないとノイズが出てきます。このノイズの影響で“掌を返した

ような態度”の人たちが出てきます。持ち上げた人を一気に落とすのです。そういう声が

スポンサーの耳に入ってきます。スポンサーはノイズに負けてはいけません。自分で

最初に決めたタイムフレームがあるでしょう。1年とか3年とか。その間は何があろうと

(倫理的な問題は除く)スポンサーの旗を降ろしてはいけません。

 

スポンサーが旗を降ろしたと感じた瞬間にその抜擢者への風向きは一気に代わります。

抜擢者には居場所がなくなり、退出せざるを得ないという展開になります。これが

外部からの登用人事がうまくいかない典型的なパターンです。

 

今後、ますます企業を取り巻く環境が不確実になります。社内の純粋培養の人材だけだと

立ち行かなくなります。社外から自由自在に人材を登用できる“力”を身に着けたいものです。

 

 

おまけー1:Y氏の近くで仕事をすると「修羅場」が続出するので「ため」になります。

そのY氏の上司になるのと、部下・後輩になるのと、どちらが良いか。関係者にとって

究極の選択です。

 

 

おまけー2:関西人と話していると自然に関西弁になる人は英語の上達も早いと思います。

ただ、適切な英語ネイティブと話すことが条件ですが。

 

 

おまけー3:PHAZE2期の応募締切が2月14日に近づいてきました。みなさんの周辺の

24歳以下の(息子、親戚、部下など)で“やり抜く人材”にしたい人がいましたら、

ぜひお知らせください。

 

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Vol.641 この上司と働きたくないと思ったら

上司は選べません。どんな上司の下で仕事をするか。これは会社人生上、最大のリスク

ですよね。残念ながら、“一緒に働きたくない”という上司にあたることもあります。

(私にも経験があります。)

 

今日のメルマガは上司問題で悩む若者向けのメッセージです。ちなみに、パワハラ

セクハラ、モラハラ系の上司の場合には、すぐに人事や会社に設置されているホットライン

等に相談しましょう。今日のテーマの“一緒に働きたくない”上司は“その手”では

ありません。“無能”系です。

 

“すみませんが、もう無理です。あの上司の下では。”

 

これまで、いろいろな会社でこういう悩みを聞く機会がありました。相談者はいつも

優秀な若者。その理由もいつも一緒です。昔も今も、大企業も中小企業でも、営業系でも

技術系でも変わりません。

 

一緒に働きたくないのは、その上司に“自分の時間を無駄にされていると感じているから”

ですね。

 

一緒に仕事をしていても学ぶことがない、と思っていますでしょ。その仕事ぶり、指示、

全てにおいて残念な場面ばかり目につきます。特にお客様との対応で、“あれではダメだろう”

というシーンがありますよね。社内の調整も後手になることが多く、関係者からクレームが

来がち。「上」の覚えもよろしくない。あんな風になりたくない・・・、そんな上司ですよね。

 

直接的な被害もありますよね。上司が「上」の指示をよく理解していないので、何度も

作りなおす羽目になっていますよね。日常的にはメールで指示を仰いでも返信が来るのが遅く、

しかも、GoなのかNo Goなのかわからない返事。結果的に待っていた時間が無駄になります。

 

平日にやればいい打ち合わせを上司の都合で休日に設定され、家族や恋人、友人との時間が

取れなくなると、“いい加減にしてくれ”という思いになりますよね。

 

他にもあります。

 

“ここだけの話”として、本来は関係者限定のはずの人事情報を話してきませんか。

“君を信頼して話してるんだよ”という体ですが、自分の話もどこかで話されそうな気が

するので、うっかり大事なことを言えませんよね。

 

自腹でご馳走してくれたこともありませんよね。けちですよね。一緒に食事に行きたい

わけではありませんが、ちょっとしたときに、上司なんだから払ってくれてもいいですよね。

 

見た目も嫌。話している姿を見るだけで嫌。こうなると生理的にダメということになり、

採用時にお世話になった人事担当者に退職をチラつかせながら異動申請する。

この展開は珍しくありません。

 

しかし、そのアクションを採る前に考えてほしいことがあります。なぜ、そんなにダメダメな

人が「管理職」をやっているのか。“無能な上司”の下に就くことはどこに行ってもあります。

その度に退職していたら履歴書が汚れます。

 

「上」や人事の見る目がない、のではないのです。他にやれるヒトがいないからなのです。

特に中小企業の場合にはそうです。選択の余地がないのです。

 

ダメダメ上司も可哀そうです。上司として、どう振る舞うべきかの指導を受けたことも

ありませんし、ロールモデルもいない。そんな中での管理職登用のケースがほとんどです。

部下が期待するような「上司像」を演ずることなど到底できません。

 

「上」もそこはよくわかっています。それでも、「上」はそのダメダメ管理職に何かを期待して

、その役割を担ってもらっているわけです。それは何でしょうか?

 

ここを冷静に考えてみてください。自分の上司という目線で考えると“一緒に働きたくない”

という気持ちだけが膨らんできますが、違う目線でその上司を見てみると思わぬ側面が

見えてくるものです。

 

「あの上司の下から逃れたい」と思っているときは自分の世界が狭くなっています。

そこには上司と自分しかいません。しかし、その上司を客観的に見てみると世界が

広がります。気持ちの上で余裕が出ます。

 

更に良いのはその上司を反面教師として、そうならないようにしよう、と観察すれば

いいのです。学びは他でもできます。そこは自分次第です。ということで、

無能な上司のせいで早まって退職を考えたり、無理な異動申請をするのは止めましょう。

(もったいない)

 

 

おまけー1:24歳以下を対象にした「学歴<やりきる力」のPHAZE。二期生のエントリー締め切り

(2月14日)に迫ってきました。みなさんのお近くで“惑う若者”がいましたら、

ぜひお知らせください。選ばれなくても、予選に参加するだけで意味があると思います。

 

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いただければ旅行そのものが後でも割引が効きますよー)

 

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Vol.640 ”会食生産性”の向上のために

会食が続いています。しかし、以前ほどではありません。かつてはほぼ毎日。

ひどいときには一日で“ダブルヘッダー”ということもありました。最近は夜の時間も含めて、

自分の時間の使い方を前よりも意識しているので、週多くても3回までを原則にしています。

 

ちなみに自分の「時間の使い方」を意識する。これが人生を充実させる最大のコツだと思います。

 

現在私は、メモを仕上げる、提案をつくる、数字の検証をする等、個人として何らかの作業に

時間を費やすときには、必ず「何分で仕上げる」と決めてやっています。これがないと

ダラダラ仕事をすることになりますし、他の予定が立たなくなります。

 

この「何分で仕上げる」の見積もりはなかなか難しいのですが、続けていると、だんだん

精度が高くなります。そうなると、もっと短い時間で終えるには・・・という欲が出てきます。

これがいいのです。仕事が早く終われば公私関わらず24時間の中でやれることがたくさん増えます。

それに上になればなるほど、自分の生産性がそのチームの生産性に多大な影響を与えます。

上の人間”が自分の生産性を意識するのはその点からも重要なことなのです。

 

私が時間の使い方を意識するようになったのは30歳頃のことでした。当時、仕事が溢れ、

自分のサポートで派遣社員の方をお願いしていたくらいでした。これではいかんと

「知的生産性の向上」という名のセミナーに出席して感化されたのがきっかけです。

その後、自分の生産性が高まることは自分にとっても周囲にとってもいいことであると実感し、

常に“もっと、もっと”と思うようになりました。

 

頭が上がらない方々がいます。時短のお母さん社員たちです。意思のレベルが違います。

なにしろ、仕事に割ける時間が決まっていますから。この感覚を管理職が持つようになれば

組織全体の生産性が間違いなく改善されます。ヒマで仕事ばかりしている人、アフター5の

予定が全くない人、家に帰りたくない人、こういう人たちが管理職をやっている限り、

残業削減は進みません。

 

「会食」もそうです。多くの場合、双方で日程調整を行い開催される「会食」なので、

良い会食になった方がいいに決まっています。“会食生産性”の向上を図るための準備、

働きかけ。これを疎かにしない方がいいです。

 

まず、当たり前なのがゲストの嫌いな食材、アレルギーについて確認すること。これなしに

当日進めるのはたいへん危険です。中華が苦手な人を著名中華料理店にお招きするという

事故も起こり得ます。次にゲストがどこに住んでいるのかの確認です。中には葉山マリーナに

住んでいたり、栃木県から通っている人もいます。帰りやすい方面のお店、または時間設定を

する。これも基本です。

 

個室がいいか、オープンスペースが良いか。ゲストの好みももちろんですが、会食の話の

内容から決めます。(ちなみに私は“わいわいがやがや”と騒がしいところは苦手です。)

個室も座敷だと膝や腰の都合で快適ではない人がいます。ゲストのことを考えて選びます。

(ちなみに私は座敷が苦手です。)

 

メニューはあらかじめ決めておきます。当日、アラカルトで。というのは友人間の“飯”なら

まだしも、会食ではおススメできません。何を食べるかで双方で遠慮したり、そのために

時間を食うのは得策ではありません。

 

メニューを決めるときには量も重要です。多過ぎるのはよくありません。多過ぎると

会食そのものが苦痛になります。(会食ですとゲストが残しにくいですから)

ちょっと足りないくらいの分量が良いのです。

 

会食中になんらかのサプライズを用意すると会食に花が添えられます。誕生日などの

お祝いごと、または、その方の属性、趣味を反映した何かを用意しておくと話が弾みます。

 

お支払でゲストに気を遣わせないようにデザートが出たらさりげなく席を立ち、

会計を済ませてしまうのが良いでしょう。領収証の宛名は予約時に伝えておくとスムーズです。

 

手土産はご招待された側が持参するのが基本ですが、お招きする側が用意することも

もちろんあります。特にご家族を置いて会食に来ていただいた方がお帰りになったときに

、そのご家族が喜んでくれるようなものを用意するとカッコいいです。

 

最も重要なことはお店選びです。自分の気心がしれているお店でやるのが一番です。

ゲストをもてなすためのもろもろの事柄を気軽に相談できるお店をもっておきましょう。

 

最近私がよくお願いしているのが、麻布十番のHilltop Casitaです。

ここの店長の眞田さんに私の希望を伝えておきますと120%展開してくれます。スタッフも

ほぼ顔見知りなので安心です。今年になってからすでに3回出掛けています。オフィスからも

近いので助かっています。自分にとっての馴染みのお店を見つけること。自分のお店選び。

ここからですね。

 

 

おまけー1:ちょっと時間が空いたときに「台湾」に行ってみませんか。リセットできますよ。

 

パストラベルの「ちょっと台湾企画」ついに稼働です。立ち上げキャンペーン中なので、

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お書きください。

 

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おまけー2:まあまあ混雑している日比谷線の中で目の前の女性2名の会話。

 

「昨日食べ過ぎちゃった。2月から減量する。」

「わたしもー。わたしは3月からする。」

 

車内の多くが同じことを思ったはずです。

 

 

Vol.639 キャリア形成論

母校の上智大学で講義をしてきました。「キャリア形成論」という全14回の講座の

“トリ”でした。受講生は100名。全員が3年生です。

 

定刻より少し前に大学に着いたので構内をウロウロ。卒業して32年。それでも昔の

面影がかなり残っています。ピロティでこんな事があった、1号館の入口の階段で

こんなことがあった、メインストリートで・・・と昔の記憶がフラッシュバック

してきました。懐かしい限りです。

 

講義の前にキャリアセンターに立ち寄り、担当の方と少々打ち合わせをしました。

立派な施設です。面談ブースのようなところには学生がチラホラ。年配のカウンセラーが

その対応をしていました。ここだけは隔世の感がありました。自分が学生の頃には、

どの大学にもこんなちゃんとしたサポート機関はなかったと思います。

 

始業のチャイムと共に講義を始めました。最初の5分間は“これが大学生の現実か!”

という感じでした。あちこちで私語ざわざわ。遅れて入ってくる人も続々。

こっちは忙しい中スケジュール調整して来ているのになあ・・・、私の本当の時間単価

わかってないよな・・・と気持ちが萎えかかりましたが、次第に9割方の学生が真剣な

様子で話を聞いてくれるようになり、いつも通りのスイッチが入りました。

 

聞いている態度で見てみると、最もいいのが女性の外国人留学生、次が男性の留学生

らしき人たち、続いて女性の大半。男性は一部を除いて、聞いているのかどうかの

反応が弱い人たちばかり。最悪は一部の女子。完全に机にうつ伏して寝ています。

見事な眠りっぷり。

 

「キャリア形成論」というタイトルの講座ではありますが、キャリア形成に「決まった

やり方」などあるわけがありません。ただ、就活の前に知っておいた方がいいことは

あります。そういう話をしました。

 

例えば、仕事には「決まった“仕組み”の中で働く」ものと、「仕組みそのものを創る」

ものがあること。大企業や公務員は前者の仕事が多いこと。後者は中小、ベンチャー

自分で何かをやりたいという意思が強い人は中小やベンチャー、または起業という道を

選んだ方がいいこと。外資系は本社採用にならないとグローバル企業の醍醐味を感じる

ことはまずないのが現実であること。

 

企業が提供している商品やサービスが大好きだからという理由で企業選びをするのは

要注意であること。それは「顧客」の目線から好きなのであって、働く場所としての

判断ではないこと。担い手側には「顧客」側から見えない苦労や「現実」が山ほど

あるということ、など等。

 

講義後に提出してもらったリアクションペーパーを見るに、私の前の13回の講義の中で

「最初の就職先選びが人生を決める」的なインプットをした人がいたようですが、

それは大間違い。だいたい社会のことをまだ知らない若者が、最初の就活で自分に

合う仕事、会社に遭遇する方が奇跡です。

 

なんといっても、そこが自分の「居場所」だ、と思える会社、職場が一番です。

社会に出てから、自分の「居場所」を探していけばいいのです。

就職先で見つけるもよし、別の会社で見つけるもよし。

 

その昔、「毎朝、布団を蹴飛ばして起きる。会社に行くのが楽しくてしょうがない。

仕事っていうのはそういうものだ!」とおっしゃった超ポジティブな方がいましたが、

そこまでいかなくとも、「行くのが憂鬱」「(お金をもらえるから)仕方なく行く」

ではなく、自分の時間を費やすことに違和感がないような「居場所」を見つける

ことを目指していくのがよいのです。

 

そのためには、自分のモチベーションの源泉が何かを知ることが役に立ちます。

私の場合には一緒にいる人たちや関係者が「楽しい気分になる/嬉しいと思う/

感動する」がそうです。

 

かつて「外資系企業トップの仕事術」(ダイヤモンド社)という本の中で「周囲に

いる人が幸せになる。それが小さい頃からの私のモチベーションでした。」と

偉そうなコメントをしていますが、「幸せ」という言葉はやや崇高過ぎました。

実際には「楽しい気分になる/嬉しいと思う/感動する」ですね。

 

その対象がお客様であったり、一緒に働く上司、同僚、仲間であったり。会社や

仕事内容は関係ありません。コンサルティングでも研修でも、講義講演でもそう。

再生のために経営者として企業に入る場合もそう。すべて同じです。そういう意味では

私は非常に良いキャリアを歩んできたと思います。いろいろな会社、団体を経験して

きましたが、全て「居場所」でした。

 

社会人経験のない学生にこのことをストレートに話してもイメージできません。

なので、若い頃の経験談をしました。学生時代に志望していた職種ではない、

労働条件は過酷、修羅的事態の連続・・・。しかし、疲弊はしてはいなかった。

こうした経験談から感じてもらえればと。

 

頑張れ、後輩たち!

 

 

おまけー1:駒込の居酒屋でOTに出演している役者さんたちと新年会。

駒込駅は初めて下車しました。山手線で降りた事がない駅に行ってみるのは面白いですよ。

 

 

おまけー2:行ったことがないといえば、都道府県で「秋田県」「山口県」には行ったことが

ありません。(通過はありますが)他の都道府県は全て制覇。誰か呼んでいただけませんかね。

 

 

おまけー3:電車の中でのこと。おそらく中国人への説明。「ウルトラマン」を「売虎男」

と書いて説明している人がいましたが、かなり異なるイメージになっているはず。

 

 

 

Vol.638 レーダースクリーンの明晰さ

OT(Organization theater:体験型ケーススタディ)を開発して6年になります。

関係者によると、昨年はなんと121日もやったそうです。3日に一回、どこかでやって

いた勘定になります。開発者としては嬉しい限りです。ちなみに、その多くが

選抜された次世代リーダー候補者向けのトレーニング、またその選抜です。

 

OTは有事のビジネス・シミュレーションです。5名程度の受講生がチームとなって、

M&A、自社製品による死傷事故への対応、倒産リスク、海外子会社の再建等の会社の

危機的状況に立ち向かうというものです。上司、顧客、取引先等の利害関係者には

プロの役者が扮し、“そのもの”になって登場してきます。

 

OTを通じて受講生が問われるのは直接的には「不測事態における課題対応力」です。

より具体的には自分の“レーダースクリーン”の明晰度合い“です。

 

何かが起きた時に、または何か新しいことを展開するときに、リーダーは自身の

“レーダースクリーン”の明晰さが問われます。利害関係者は誰か、その利害関係者

それぞれにとってのベストシナリオ、ワーストシナリオは何か。これらについて、

瞬時にどこまで見えるか。“レーダースクリーン”が曇っていると対応が後手になり、

苦しくなります。

 

初めての事象、慣れないケースでは、緊張感から“レーダースクリーン”そのものが

ありません。なにをどうしたらよいか全くわからず右往左往という状態がそれです。

そのうち慣れてくると“レーダースクリーン”が表出し、先んじて動くことが

できるようになります。

 

普通の会社で普通に仕事をしていると自分の“レーダースクリーン”を磨くチャンスが

多くありません。”レーダースクリーン“を磨くのは“修羅場”の経験が一番です。

“修羅場”は自分のやる気、経験値、スキルをフル活用してもどうにもならない、

という状態です。そこでの痛い想いが自分の“レーダースクリーン”のバージョンを

高めてくれます。ところが、優良企業や大企業であればあるほど(当然ながら)

“修羅場”がありません。

 

かつて不測事態が発生したときに脆い企業、経営陣を垣間見ました。これはいかん、

と思いました。安定した世界にいると“レーダースクリーン”を意識しなくとも

過ごしていけます。しかし、それですと将来、経営陣になったときに困ります。

次世代のリーダーたちの“レーダースクリーン”を鍛える場を創ろう。

そう考えて開発したのがOTです。

 

現在、私はパスという上場しているグループ会社のCEOとして再建を担っていますが、

日々、リアルOTの連続です。思い起こせば、マーサーの社長時代、キャドセンターの

社長時代、CCCのCOO時代など常にそこにはリアルOTがありました。明らかにこれらの

経験が強く活きています。トップというのはそういうものなのです。

 

さらに、“レーダースクリーン”が明晰であったとしても、実行するために

必要なスキルがあります。

 

例えば:

 

「使える財務」:財務諸表が読めるではなく、事象・施策が自社の財務にどのような

影響を与えるのか。ネガティブな結果にならないための施策は何か。自らわかるのが

いいに決まっています。少なくとも、財務担当者が説明する内容を理解するだけの知識は必須です。

 

「相手が言わんとしていることをまとめて確認する表現力」:いろいろな人がいろいろな

ことを言うものです。みな言いたいことを言います。その中には「幹」の話と「枝」の話が

あります。これらを聞き分けて、本質的な「幹」の話をとりまとめて合意してもらう。

この力がリーダーには必要です。複雑な案件において、リーダーがこの力を発揮しないと、

組織が烏合の衆になります。

 

「自分が言いたいことをわかりやすくまとめて表現する力」:「伝える」のではなく

「伝わる」プレゼン、文章を創る力のことです。これがないと自分の意図が誤解されたり、

思うように組織が動きません。

 

これらの表現力は「英語」であってもそのレベルがあまり落ちないようにしないと

グローバル企業ではリーダーの役割を担うことができません。

 

「感情を受け止め感情に訴えるパッション」:人を動かすものは理屈ではなくパッションです。

相手のパッションを受け止め、自分のパッションを伝播させることができるか。

ここは人間性が問われます。 等等・・

 

OTの中ではこれらのスキルが十分でないと事態が悪化します。多くのエリート系の人材は

うまくできません。しかし、できないでいいのです。ここは「稽古場」なので。できない

ことで自分の実力について内省し、次につながればいいのです。そういう意味ではOT終了後

にアセッサーが個々にフィードバックしますので、自分の気づきの確認と気づいていない

弱点を知ることができます。

 

自分で開発しておいて言うのもおこがましいですが、こんなプログラムは他にはないと

思います。まだ見たことがない、体験したことがないという方に向けたOTの場があります。

ぜひ、OTを体験してみてください。

 

2017年 2月17日(金)~ 2月18日(土)

2017年 3月10日(金)~ 3月11日(土)

 

http://www.indigoblue.co.jp/program/ot.html

 

 

この他に女性リーダーの育成を意図したOTもあります。社内政治、できない部下への対応、

女性の目から見て不合理な上司への対応が求められるものです。こちらは新作。2月6日・7日に

特別開催の予定です。残席わずかですが、関心のある方はメルマガへの返信でお知らせください。

 

 

おまけ:オフィスの近くの中華料理屋でランチを頼んだところ、ごはんに髪の毛が・・・。

“あの、髪の毛が・・”と言ったところ、“何だと”と言って出てきた料理人はスキンヘッドでした。

こういう場合、どうしたらいいのでしょうか?

 

 

 

 

Vol.637 PHAZE

PHAZEの2期生の募集が始まりました。

 

PHAZEとは24歳までの若者を対象とした「将来やりきる人になる」ための学びの場です。

学歴不問、今なにをやっているかも不問。年齢制限だけあり。オーディションを経て

選抜された数名について、一定期間鍛える場を無償で提供し、その後のキャリアの

相談にのるものです。

 

3年ほど前にこの企画を発起しました。その後、志に賛同いただいたスポンサー企業の

ご支援の下、社団法人が設立され、現在、代表理事、世話人たちが運営してくれています。

 

3年ほど前のことです。知人の紹介で、某プロスポーツで活躍をした28歳の若者が

私のところを訪ねてきました。仮にAさんとします。Aさんは幼少時からそのスポーツに

明け暮れ、高校、大学ともにスポーツで入学。大学卒業後、めでたくプロへ。その後、

数年プロで過ごしたのですが、ここにきて怪我から引退することになりました。

さて、これからどうしたらよいか。その相談でした。

 

Aさんのそれまでの人生を聞くに“成し遂げた経験”が多々あり、団体競技なので

チームビルディングの経験もあり。好感度も文句なし。Aさんとしては“普通の

ビジネスマン”に転身したいのだが、PCスキルや文章作成能力など実務能力は未知数。

不安でいっぱい。そんな状況でした。

 

プロ選手だったといっても、知る人ぞ知るという知名度。オリンピックで金メダルを

とったり、スポーツ新聞の一面を飾るような華々しいことがあったわけではありません。

そうなりますと、(その彼には気の毒ながら)特定のスポーツを長くやってきた

Aさん以外の何者でもないのです。

 

しかしAさんは大丈夫だと思いました。柴田塾でお話ししているような「リーダーの要件」

「心のもちよう」「ポータブルスキル」についてお話ししたところ、何をすべきかわかった!

という晴れ晴れしい顔をして帰っていきました。成し遂げた経験がある人は、

苦労するかもしれませんが、ヒントさえあればなんとかできるものです。

 

一方で、さまざまな理由から、普通に進学を重ね、就活して就職という流れではない

若者がそれなりにいます。彼ら彼女らが“普通のビジネスマン”を志望したときに

極めてハードルが高いことを再認識しました。

 

文部科学省によると、高校中退者数は減少傾向にあります。一方で通信制の学校は

増えています。2013年年現在で全国で221校、生徒数は18万5589名(うち私立校生徒数:

11万585名)です。学校数は10年前と比較して2倍超増加しています。生徒数が減っている

中での増加です。つまり、普通の高校からのドロップアウト組が増えていることが伺えます。

 

彼ら彼女らの中で、“やり直したい”と思っている人がいるはずです。

その意欲を受け止める場があるとよいと思ったのがPHAZEの原点です。

 

ドロップアウトしたところからの再起であるが故の“強さ”があるはず。こういう人財を

大企業の中にいれることで“なまず”効果が期待できるのではないか、とも思いました。

なまず効果”とは「魚を移送するときに同じ魚だけにしておくと1割くらいが死んでしまうが

ナマズをいれていくと死なない“というものです。異端が入ることでの緊張感が組織全体を

ピリッとするという意味です。

 

更には、若いことに“暴走族のリーダー”をやっていたような人であれば、普通の道からは

ドロップアウトしているでしょうが、相当の人間力があるはずです。こういう若者がその気に

なったときに未来が拓けるような場があった方がいい。ちなみに多くの大企業のトップは

こういう人財を一定数欲しています。

 

昨年1期生5名が誕生。今年はこれからオーディションです。

 

困っているのは、“やり直したい”という若者へのリーチが難しいことです。大々的な

広告活動をするだけの資金的な余裕はありません。

 

みなさんの周囲でそういう若者がいましたらぜひPHAZEのことを教えてあげてください。

24歳以下であれば、就職してみたが、ちょっと違った・・・やり直したい、

というケースもOKです。

 

説明会が東京と京都で始まります。こちらのご案内をぜひお願いします。

 

http://phaze.jp/application/form_briefing/

 

 

 

おまけー1:仕事始めにパスのみんなと近くの八幡神社にご祈祷に出かけました。

初詣ですが、自分が住んでいるところの土地の神様に日頃の感謝するのが基本と教えて

もらいました。ということで、神社庁によると虎ノ門5丁目は八幡神社とのこと。

 

みなさん、初詣、違うとこに行ってません?(Indigoblueのメンバー、違うとこに行ってますぜ。)

 

おまけー2:諸般の事情で止めていた朝のジョギングを再開しました。

日々長い距離を走れるようになると“小さな達成感あり”。