柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.674 ”全力自由人”宣言

先日、数年ぶりに会ったマーサー時代の同僚から「柴田さん、雇われ経営者を降りて

どうですか?」と聞かれました。「100倍幸せな毎日だ。」と即答しましたが、

まさにその通り。今は“全力自由人”として毎日を楽しく過ごしています。

 

自由人とは、自分の時間を自分で設計して、自分で価値をデリバリーしている人のこと。

「時間」には当然、仕事もプライベートも含みます。2007年からの10年間は自分で

決めたとはいえ、“修行期間”でしたので、それなりの制約がありました。

今はありません。名実ともに“自由人”になれました。

 

ここに「全力」をつけているのは、何事に対しても全力で向かいたい、向かわねば

ならない、と思っているからです。

 

自由人になって、交流範囲が格段に拡張しました。従来のスコープ(仕事範囲)を

超えて、いろいろなことに関わるようになったので、これまで会えなかった人、

会ったことがなかった人にバンバン会えるようになりました。これがすごくいいです。

特に各方面のプロフェッショナルの方々とお会いする機会が増えたのがいいですね。

大いに刺激を受けています。

 

誰もが知っているその道の第一人者の方が「毎日が8月31日状態」であることを

知りました。華やかに見えて実はたいへんな毎日。それでも意欲的にアウトプットを

出し続けているバイタリティに、自分はまだまだだと思いました。遠慮しないで

どんどんやろうと思いました。

 

誰も私が遠慮していると思っていないかもしれませんが、実は“やりすぎ”に

ならないように自己調整していました。“やりすぎ”なんてない。

自分にブレーキをかける必要はない、と思いました。

 

彼ら彼女らは、まさに“全力自由人”です。私もその一人になりたいと強く思いました。

 

もちろんこれ、長く働くという意味ではありません。目指すは単位時間あたりの

アウトプット価値の最大化です。このためには、質を上げ続けるためには

インプットも休息も必要です。

 

先日、都内と栃木で私が開発した「Business 3 Gates:通称B3Gというショート

プレゼン、交渉、説得力を実践するプログラム」が同時に開催、同じ日に別の都内で、

やはり私が開発したOT(体験型ケーススタディ)が行われていましたが、柴田はその

どれにも出番がありませんでした。素晴らしい。これぞ理想的な展開。

 

Indigoblueのメンバーたちが、かつて私が作成した資料をコピーして、提案したり、

デリバリーしている姿を見て、どんどん開発しようと思いました。そこに私の使命あり。

 

また、「柴田の講演を聞いた、本を読んだ、お会いしたい」という声にもこれまで

以上に応えるようにしています。意欲あるが様々な理由から惑っている若者たちの話に

耳を傾け、柴田が感じることを“心のまま”に話す機会も増えています。

わが身を振り返るいい機会にもなりますし。

 

同窓会的なものもどんどん企画しようと思っています。“柴田がやると言わないから、

いつまでも同窓会ができない”とクレームあり。その通り。かつての生徒会長、

学級委員、クラブの部長としては“やるぞー”と声を上げないといかんと思いました。

 

ということで、今日のメルマガは“全力自由人”宣言!でした。

 

 

おまけー1:大阪ミックスジュースなる飲み物を発見。関西出身のIndigoblueのY君に

“これなに?”って聞いたところ、“ふつうのミックスジュースっす”との返答。

うむむ・・と思い、店員に“大阪ミックスジュースって・・”と聞いたところ、

“ふつうっす”との答え。そうなると当然注文します。

 

・・・違いました。東京と違う!大阪はバナナ味が強い!(東京は桃味が強いと思われる。)

 

おまけー2:11月から日経産業新聞の裏一面の「Smart times」に月1くらいで

寄稿することになりました。以下は11月29日掲載分です。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO23996690Y7A121C1XY0000/

 

 

 

Vol.672 働き方改革の原動力

「働き方改革」を手伝ってほしい、語ってほしいという依頼が連続しています。

時流ですね。私の考えは(何もなければ)11月29日の日経産業新聞のSmart timesに

掲載される予定です。ぜひご覧ください。要は何のための「働き方改革」なのか、

誰のための「働き方改革」か、これらを取り違えないようにすべし。これが論点です。

 

働き方改革の当事者は個人です。これは自分のためなのです。会社が社員の長時間労働

回避すべくフロアの電気を消して回っているのは本質ではありません。この改革は

個々人がその気になって取り組まないと実現するものではありません。

ま、これは改革すべてに言えることですが。

 

これまで一日12時間働いていたものが8時間となり、4時間になったら、いろいろなことに

時間を使えます。すごくいいじゃないですか。仕事はアウトプットの連続です。

自分へのインプットをしておかないと枯渇します。休みももちろん必要です。

 

大前提は、そうなっても収入が変わらないこと、です。長く働いたら手当が出るという

思想はシフトで働いている職種以外にはむきません。ホワイトカラーの仕事にとっては

生産性向上の足かせ以外の何ものでもありません。自分の仕事は自分で管理し、

関係者への影響やアウトプットのクオリティも自分で責任を持つべきです。

だとすると、時間の使い方も自分で管理した方がいいに決まっています。だからこそ、

ホワイトカラーエグゼンプションを導入せよと昔から主張しているのです。

(これを「残業代ゼロ法案」というネーミングにすること自体、悪意があります。)

 

集中できる時間帯をつくる、作業の工数を減らす、余計な仕事をしない、アウトプット

作成能力を高める、これらは個人の生産性向上の王道です。ただし、こうしたことを

やってみようとする原動力が必要です。その原動力の源泉が「睡眠」「

生活のリズムの安定」「笑い」「“身軽さ”」だと思います。

 

「睡眠」の大切さは言うまでもありません。人によって必要な睡眠時間は違うでしょうが、

まあ7時間くらいは眠りたいものです。“柴田さん、睡眠とれてますか?”と私の

スケジュールから案じていただくことがよくあるのですが、大丈夫です。結構長く寝ています。

何もなければ10時半には寝てしまいます。

 

「生活のリズム」。これはルーティン的なことだと思います。私の場合は朝に走ること。

早朝からスケジュールが入っているときはできませんが、朝走ることで一日のリズムが

安定します。一日のウォーミングアップです。

 

「笑い」。大笑いした翌朝は目覚めがスッキリしていますよね。「笑い」に勝る癒しは

ないと思います。深刻な議論をするときこそ、アイスブレークで笑いが出るように

意識しています。会議の前にシーンとしている会社がありますが、あれは辛い。

 

そして「身軽さ」。最近、靴をビジネススニーカーに、スーツをジャージ素材に

変えました。これは本当にいいです。特に靴。おススメコーナーでご紹介しましたが、

Otsukaのビジネススニーカーは本当に良いです。見た目はビジネスシューズですが、

実態は足にフィットしたスニーカーなので走り出したくなります。スーツもジャージ

素材だと身体にフィットし、かつ楽です。更にはカバン。Tumiにしては珍しい軽くて

収納スペースがたくさんあるカバンに替えました。スイスイ歩けます。

このスタイルに変えてみてください。仕事へのモチベーションが底上げされますよ。

 

ぐっすり寝て、朝走り、どこに行っても笑いがあり、かつ身軽。私の場合、

これが“もっともっとやろう!”という原動力です。

「働き方改革」個人編はこういうところからですね。

 

 

おまけー1:“ウチの会社はナマハゲが多い”という若者がいました。(電車の中の会話から)

なまはげ?””生はげ” (あー、そういうこと)

 

おまけー2:これはすごい組み合わせ。2月の来日コンサート行きたいなー。

https://www.youtube.com/watch?v=_gCDVA4V1Cc

 

 

 

Vol.671 担々麺、硬め?辛め?からの示唆

Indigoblueのオフィス近くに山椒が効いた麻婆豆腐を出してくれるお店があります。

ただ辛いだけという説もありますが、たまに食べたくなります。一人でふらりと

行くことが多いのですが、その日もランチタイムにカウンターで食べていました。

私が食べ終わりそうな頃、40代とおぼしき男性が隣にどかっと座ってきました。

 

“担々麺、かためでお願いします”

“タンタンメン、カラメデ!”

 

明らかに店側は「硬め」を「辛め」ととっています。この男性、スマホをいじっており、

これに気づいておりません。見知らぬ人ですが、ここは持ち前のお節介マインドを

発揮するときです。

 

 

“あの、さっき、硬めって言ってましたよね”と私。

“あ、はい(なんだこのおじさん?)”

“たぶん、辛めってオーダー入ってますよ”

“え!”

 

普通でもそこそこ辛いのに、それ以上辛くなったら食べれません。

 

“すみませーん”

“ハイ” とネパール人らしきウエイトレスがやってきました。

このお店はたぶん7国籍くらいの方が働いているので共通言語はカタカナ日本語です。

 

”担々麺、硬めでお願いしましたよね?“ とその男性。

“カタメ? カラメデショ?”

“辛めじゃなくて”

“タンタンメン、カラクナクテ イイカ?”

“・・・いや”

“ハイ、カラメ!”

 

麺硬めとか、この店では無理なようでした。(一風堂さんならまだしも)

 

こういうコントのようなやりとりが社内でもよくあります。さすがに、日本語の

聞き取りに端を発するようなことではありませんが、“思い込み”によるものは

散見されます。同じ言葉でも異なることをイメージしていることはままあります。

 

「残業が多くて問題だ」

 

上司がこう言っているのを聞いて、どう思いますでしょうか。

あ、最近のトレンドから「労基署が来ることを心配しているのかな」と勝手に推測して、

「36協定違反者はそう多くありませんよ」と返したところ、「!?」という反応。

 

「ちがうよ。こんなに働いていると身体を壊す人が出るんじゃないかと思って・・・」

 

相手が発した言葉を鵜呑みにせずに、その意図することを確認する。この場合ですと

「そうですよね。来月もこんな状態だとよくないですよね」と反応すれば、

「そうなんだよ、身体を壊す人間が・・・」と会話が良い感じで展開していきます。

 

営業の場合はもっと深刻です。クライアントが発している言葉を勝手に推量し、

提案して大スベリ!ということがよくあります。相手が意図していることを質問を

しながら確認していく。このスキルがあるとないとでは大きく結果が違ってきます。

 

賢いと自認している人ほど質問が苦手です。質問や確認すると自分の理解度が低い

(=頭が悪い)と思われないか、と潜在的に心配してしまうからです。違いますね。

自分がわからないので教えてほしい、という姿勢でどんどん質問する。それにより、

話し手と共通のゴールが見えてきます。これがコンサルティング力です。

 

質問のタイミングは重要です。一番良いのはその場で聞くこと。しばらくしてから

メールで質問するのは嫌われます。その場で会話しながら聞く。ここに頭の回転の

速さを使いましょう。

 

ちなみに質問の王道は「Peel for pain(それを放置するとどんな悪いことが

起きるか?)」と「Peel for gain(それが解決するとどんな良いことが起きるか?)」。

この2種です。私がコンサルタント時代に某アメリカ人講師に叩き込まれました。

どんな場合でも有効だと思います。

 

 

おまけ:どんな場合でも有効と書きましたが、家庭内では別だと思います。

なので、以下の本をお薦め。

 

おススメコーナー:「鈍感な男 理不尽な女」(黒川伊保子著、幻冬舎)納得感満載。

おもしろいです。

http://www.gentosha.co.jp/book/b9207.html

 

 

Vol.670 納豆と目玉焼き

“納豆もらえますか?” 大阪でよく利用するホテルのクラブハウスでお願いしました。

ここ数年、大阪出張の際には、たいていこのホテルを利用しています。

客室から堂島川を望み、堂島川沿いに立つオフィス群に思い出あり。

さらに、ここはどこにいくにも便利です。

 

この日の朝は和食の気持ちだったので、納豆をお願いしました。和朝食なら納豆は

欠かせません。さすがに大阪。納豆は言わないと出ないようです。

 

“卵どうしましょう?”とクラブハウスのお姉さん。

“あ、お願いします。” さすがに気が利きます。

 

で、出てきたのが納豆と目玉焼き。・・・目玉焼きです。

 

“ん? 大阪では納豆に目玉焼きをかけるのか・・・? 

 

周囲を見ると日本人は私だけ。うむむ・・・と思っていたら、

インドネシア系のゲストと目が合いました。

(そうか、ナシゴレンと同じか。)

 

ということで、ごはんの上に納豆をかけ、その上に目玉焼きの黄身をのせて

いただきました。(うまい。)しかし、納豆に目玉焼きというのが文化的に驚きでした。

自分にとって当たり前のことが違う。違うことが当たり前になっている。

これが異文化に触れるということだな、と改めて実感しました。

 

そうなのです。自分にとって当たり前のことが違う。しかし、成果は出ている。

(この場合は“うまい”です。)確かに納豆の上に目玉焼きが乗っかっているのは

変に見えますが、そう思うこと自体、偏見なのかもしれません。食べてみたら、

うまかった。ということは問題なし、ということです。

 

最近、“発達障害”により退職、退学を余儀なくされたという若者の話を聞く

機会がありました。彼らはある分野では飛び抜けて優秀です。ところが、

ちょっととしたことが得意ではありません。

 

「朝起きることができない」

「文章を読むのが著しく遅い」

ケアレスミスが多い」

「革靴をはくのが苦手」

「同時に二つのことができない」

 

こういう“発達障害”ならではの特徴があります。その結果、“あいつは使えない

(使いにくい)”という評価・評判になり、その結果、いづらくなり退職、

退学せざるを得なくなったとのことでした。退職までは至らなくても、

居場所に困ってしまう。そういう人が結構いるようです。

 

惜しいですよね。見方を変えれば、余人をもって代えがたい人材です。

朝、定時に来ることが求められない仕事にアサインすればいいのです。

同時に二つのことができないのなら、一つだけのアサインにすればいいのです。

おそらく、普通の人ができない相当難しいことでも、やってのけるはずです。

 

発達障害”を自認している人がこう言っていました。“僕の取り扱い説明書が

あるといいのに”。そうなので、“取り扱い説明書”をつくって、それを意識して

仕事をお願いする。そういうことだと思うのです。それにしても、“発達障害

という言い方がいけません。室町時代であれば近眼も障害の一つです。

もうちょっとポジティブ言い方があって然るべし。

 

 

さて、くだんの「目玉焼き納豆」の続きです。

同じ日、某大阪本社の幹部人材12名にお会いしたので、聞いてみました。

 

“大阪では納豆に目玉焼きをかけるんですねー”

“は? 何言うてますの。”

 

 

翌朝、顔なじみのスタッフに聞いてみました。

“あ、生卵は衛生上の理由からお出ししていません。目玉焼きやゆで卵の

黄身をトロトロにしてお出ししています。”(最初にそう言ってくれ。)

 

 

おまけー1:そういえば、名古屋で冷やし中華を頼んだときに、

当たり前に「マヨネーズ」がかかっていたことに文化の違いを実感したことを

思い出しました。目玉焼きに「ソース or 醤油」論争もそうですね。

 

おまけー2:11月10日のNHK SONGS「井上陽水×玉置浩二・安全地帯」、いい番組でした!

31年ぶりという「夏の終わりのハーモニー」はもちろんでしたが、

井上陽水ソロの「ワインレッドの心」は珠玉。

 

http://www6.nhk.or.jp/songs/prog.html?fid=171110

 

 

 

 

Vol.669 自分に”空き”をつくる

休みました!連続で5日間。プライベートの用事があったので、まるまる予定なしは

11月3日の1日だけでしたが、仕事からほぼ完全に離れた1週間でした。以前はPC持参の

休暇でしたが、今回はPCにほぼ触らず。さすがにスマホは保持。ただし、急ぎ以外の

メールへの返信はせず。時に圏外。仕事の電話もほぼせず。

 

元来、人が休まないときに休みたい派なので、お盆やらゴールデンウイークは

ふつうに仕事をします。今回のような連続休暇は半年から1年前に計画して

スケジュールをブロックします。

 

休みは大事です。日常的に忙しい人ほど意識して連続休暇を取った方がいいです。

そうでないと自分の仕事のクオリティが劣化します。

 

前にも書きましたが、Vacationは身体をVacant(真空)にするものです。自分の中に

「空き」がないと学ぶことができません。創造的なことなど全くできません。

定期的に自分の中に「空き」をつくらないと摩耗するだけです。

 

少し前に祝日を地域別に設定してはどうか、という案がありましたが、これは私的には

ありえない施策でした。休みは自分で計画するものです。誰かが決めたカレンダー任せに

してはいけません。平日に堂々と休みましょう。

 

記憶に残る名言があります。私が駿台予備校時代に古文の桑原先生

(名物講師の一人でした。)がこう仰ってました。

 

「予備校生だからといって夏休みに海に行ってはいけないということはない。

我慢せずに行きなさい。思い切り遊びなさい。ただし、日が暮れてくるころに

胸が痛くなってくるはずです。“遊んでいていいのか・・・”と。そうしたら、

その痛みをバネにして思い切り勉強すればいい。」

 

“こんなに忙しいのに休みなんかとれるか。”

忙しい日が続くとやる気ではなく惰性で仕事をしている自分がいるはずです。

ちがいます。だからこそ休むのです。忙しいは「心を亡ぼす」と書きます。

 

それではいい仕事ができるわけがありません。思い切り休めば、仕事をしたくて

ウズウズしてくるはずです。それを原動力にいい仕事を思い切りした方が

いいに決まっています。

 

“余人をもって代えがたい”と言われるような存在になること。

 

仕事人として、これは目指すべき姿です。ただし、自分の代わりになる人間がいないと

休めなくなってしまいます。中には無意識のうちに自分の代わりになるような

存在を潰す人がいます。自分の存在意義を脅かす存在を恐れての所作ですが、

これほど馬鹿馬鹿しいことはありません。そんなことで自分のポジションを失う

程度の仕事ぶりなら、休む以前に他の人に取って代わられています。

 

誰かが自分の代わりを務めたとしても、自分は自分。同じことができる人間はいません。

自分の“代打”で他の人が登場したら、自分の価値がより輝くチャンスと思うくらいの

余裕が欲しいものです。そう思えるだけの仕事をしましょう。

 

向こう半年の自分のスケジュールの中で意識的に休みをいれていない人へ。

すぐに休みを計画しましょう!

 

まずは日程を押さえる。そこからです。(何をするかはそのあと)

 

 

おまけー1:前回のメルマガでエレベータの中の「おなら事件」について書きましたところ、

大勢の方から「こちらも、おならをすればいい」というアドバイスをいただきました。

世の中には自分の意思でいつでもおならが出せる人がたくさんいることを知りました。

(私はまだまだです。修行します。)

 

おまけー2:新種のオランウータンがスマトラ島で見つかったニュースにドキドキ。

ヒマラヤの雪男はもろもろ調べてみるとどうやら熊らしいのですが、

中国の野人や北米のビックフット(サスカッチ)が発見される日も近い!

 

 

おススメコーナー:NHKEテレデザインあ5分版」。

毎朝、7時25分から5分間、なかなか良いですよ。

 

 http://www.nhk.or.jp/design-ah/

 

 

 

Vol.668 人材の生殺し

“自分はここにはいない” 

 

この感覚。辛いですよね。自分が入る余地がない。人はこう感じたときに”疎外感“を覚えます。

 

私の場合、そう感じたらそのことに時間を割くのは止めます。なにしろ、ストレスが溜まります。

精神的にも弱ります。この逆はいくらきつくても大丈夫です。疲労しても疲弊しません。

 

先日、朝7時半から打ち合わせが始まり、その後、9時、10時半、11時と小刻みに打ち合わせが続き、

11時半からはランチミーティング、その後、13時半からは、とある会議のファシリテーション

その直後の15時から別の打ち合わせ、その後、場所を変えて17時から面談一件、終了後、

某所で2時間の講演。こういう日はアドレナリン出まくりなので、一日中元気でした。

私的にはよくある一日です。

 

ところがその翌日は「居場所がないなあ」という会議やイベントがポロリポロリ。たいした

スケジュールでもなかったのにぐったりしました。その日の夕方に地方に移動しましたが、

いつもは創作活動に没頭できる移動時間も集中できず、Youtubeなどを見てダラダラ過ごしました。

 

なので、“あ、ここは自分の居場所ではないな”と思ったら、適当な理由をつけて速やかに

消えるようにしています。その方が自分にとっては精神衛生上、健全なので、

 

私はある意味でラッキーです。自分の意思で“消える”ことができますから。しかし

、誰もが私のように“適当な理由をつけて消える”ことができるわけではありません。

明らかに居場所がないと感じていても、そこに居続けなければならない。

そういうケースの方が実態としては多いと思います。

 

“何もしないでいいこと”を心から享受できる人もいるようですが、多くの人はそうでない

と思います。誰もが自分が関わっていることであれば、なんらかの貢献をしたい、

役に立ちたいと思っているはずです。それが素直な心の動きです。

 

ところがそれが叶いません。力を注げることがない。“自分はここにいない”という

疎外感を感じながらも、そこに居続けなければならない。これは疲弊します。たとえば、

 

・ “あ、いいですよ”と祭り上げられ、やることがない

・意見を求められない

・みなが忙しくしているが、役割がないので何を手伝えばいいのかわからない

・何か手伝えることはないかと主体的に動くと“ありがた迷惑”の反応がある

 

こういう状態が続くと、出勤しても息を殺して定時を待つことになります。生き生きと

仕事をしていないので、真の笑顔はありません。疲弊が積み重なると老衰します。

そういう人が増えていくと組織から元気が失われていきます。

 

人材の生殺しです。

 

こういう“社内失業”系の人が散見されたら、そういう人だけを集めて、具体的な

ミッションを与えましょう。ただし、ミッション与えて放置はダメ。こういう人たちは、

気の毒にも“まっとうに仕事をすること”から離れて久しいので、どう動いていいのか

わからないのです。ここは動機づけのためにも立場ある人が干渉し、意見をし、ときに

ダメ出しをしたり、敢えて無理難題を言いましょう。それが、この人たちの過去の経験を

呼び起こし、復活につながります。

 

人のために仕事をつくってはいけない、と言う方もいますが、そうですかね。

それによって生き生きと働く人が増えていけば結果として業績もアップするのではないでしょうか。

 

見た目が実年齢よりも老けている人が多い会社は要注意。

 

 

おまけー1:先週、最もどうしたらよいかわからなかった話。

 

とあるビルのエレベータの中での出来事です。比較的よくいくビルなので、そのビルに

勤める女性となんとなく顔なじみになっています。ある日、その女性とエレベータで

二人きりになったときのことです。

 

突然、その女性のおなかがキュルキュルと大きな音をたてました。

 

さすがに照れ笑いをしながら、こちらに会釈してきます。私も“いやー”という感じで会釈。

その女性が私に背を向けた瞬間、今度はおなら! ・・・空気が凍り付きました・

 

何も起きていない、聞こえていないふりしかできません。

上にいくまでの時間の長いこと、長いこと。

この場合、どう反応するのが良かったのでしょう・・・

 

おまけー2:OTの新作の打ち上げを企画。幹事役のMさんから「**さんも呼んでいいですか?」と

メールがあり、「お正月の食べ物が麻雀で相手の捨てた牌であがる」と返事したのですが、

返信ありません。しばらくして「お後がよろしいようで」と返事。(つきあっていただき感謝。)

 

 

おススメコーナー:ビジネススニーカー、本当におススメです。カッコいいうえに楽ちん。

スーツに合います。特に大塚のこのシリーズ!(また買おう)

 

http://www.shoe-collection.jp/fs/shoe/RG-6007

 

 

 

Vol.667 日産の無資格検査に思う

日産の西川社長の19日の夜の記者会見。辛かったですね。

トップに正しい情報が提供されていないことが露呈していまいました。

 

4年ほど前に某巨大企業の社長さんとお会いしていたときのことを思い出しました。

突然メモが入り社長さんが驚愕の表情に。その後、その企業は何度も記者会見を開き、

大型のリストラを発表しました。このケースでもぎりぎりまでトップに正しい情報が

伝わっていませんでした。

 

企業経営において情報は血液のようなものです。組織のあちこちで動脈硬化が起きて

しまうとまともな経営などできません。社内情報がタイムリーに正確に伝わるか。

これはトップにとって死活問題です。

 

さて、今回の日産の「無資格検査」のケース。おなじみのNHKのおはビズのEyes onで

特集されていました。他のメディアでは伝えきれていない点まで紹介しています。

是非、ご覧ください。

 

https://www3.nhk.or.jp/news/contents/ohabiz/2017_1020.html

 

“明らかにいけないこと”が現場でまかり通ってしまう現象。更には問題が露呈しても

変わらない状況。これらは信じられないレベルのことですが、似たようなケースは

結構あります。私自身も過去に複数、同じようなケースの改善に関わったことがあります。

 

なぜ、現場でこのようなことが起きてしまうのか。

 

日産の内情については知りません。あくまでも私の経験によりますが、

次のような事象がその背景にあることが多かったです。

 

・工場のオペレーションに生産技術、生産管理、品質管理等多くの部署が日常的に意見している

・それぞれの主張は直接現場の長に行く(生産部門長経由ではない)

・しかも、それぞれの主張に一貫性がない(自分の利害優先の主張である)

・非日本人からの主張が非常に強い

・同時に厳しい生産性向上要請がある

・ビジネスプロセスに現場からすると無駄がある

(日産の場合には「メーカー基準の検査」と「国の検査」のダブり)

・無理難題を多くこなしてきた年齢の高い派遣工が現場にいる(若い係長が意見しにくい)

 

このようなことが重なると現場では“とにかく、“計画通り生産量を出せば文句ないでしょ

シンドローム”に侵されます。とにかく予定通りにモノをつくることが最優先”となります。

“無風状態”でも厳しい目標が設定されているところに、あれこれ言われても対応できない。

自分たちが発信する以外の情報については、見たり聞いたりしますが、すべて“聞き流し=無”

となります。

 

仮にシンドロームに侵されていない誰かが、何かしようとしても現場の“ドン”のような人の

人睨みで消えてしまいます。

 

「プレッシャー×情報過多」の中で生き延びるためには、現場としては“聞き流すしかない”

のです。自分の目の前のことだけが“有”で、あとはすべて“無”(関係のないこと)

という捉え方になります。

 

これが風土として根づいてしまうと厄介です。風土は個々の社員、パート、派遣工の

行動特性から形成されます。ここを治療するにはショック療法と相当の労力と時間を要します。

 

日産の西川社長の記者会見は一人で誠実に対応していました。応援したいと思いました。

ぜひ復活していただきたいと強く願います。がんばれ、ニッサン

 

 

おまけー1:10月22日は選挙。政党は決めたものの、小選挙区で投票できる人が見当たりません。

現職者の成果がわかりません。新人の政策提案力がわかりません。どう投票したものか。

 

おまけー2:最近の若者は「折り鶴」が折れないのが普通だそうです。

そういえば、6月に広尾病院に入院したときに「千羽鶴」をまったく見かけなかったです。

 

おススメコーナー:「Miss Saigon」の25周年記念コンサートのDVDが日本でも発売されました。

映像構成が素晴らしい。臨場感のある映画を見ているような感じです。

しかし、なんといっても珠玉は最後のオリジナルキャストを交えたフィナーレです。