Vol.474 中高年の"錆"を落とす!
「人活プログラム」とは、成熟産業で経験を積んできた方々を"鍛え直して"、
成長産業へ転身させ、そこで活躍してもらうようにするプログラムのことです。
経産省さんの肝いり案件です。(前にもメルマガで書きましたね。)
9月4日に開講して20日間、受講生のみなさんには「インタビュースキル」「イシューツリー」
「論理的思考力」「1分スピーチ」「200字論文」「ディベート」「コーチング」
「Global work」「「某レストランの事業戦略づくり」・・・等々、盛りだくさんの
メニューに取り組んでもらいました。Organization theater(OT:体験型ケーススタディ)にも
期間中2度チャレンジしてもらいました。
さぞかし大変だったと思います。(最初の5日間は泊りがけですし。)
私がこのプログラムを構成する際に念頭に置いたのは、"錆とり"です。大企業に長く務めて
いると、あちこちに"錆"がつきます。これをとってピカピカにする。これが主眼でした。
仕事をする筋肉は「Input ?Throughput-Output」のプロセスで鍛えられます。
「Input」とは、様々な情報や経験値を自分の中に取り込むこと。
「Throughput」とは、取り込んだものを他と融合させたり、切り分けたりと、
"自分のモノ"にすること。
「Output」は実際に行動の中で使ってみること
気をつけないと、このプロセスに"錆"が溜まります。
同じことを長くやっていると「Throughput」がパターン化して、「Output」が固まります。
その頃には「Input」も入口が狭くなっており、見えるものも見えなくなっていますし、
聞こえるものも聞こえなくなっています。
私が"同じ仕事を長くやってはいけない"と発言しているのはこのためです。
特に大きな組織に属している人は要注意です。大企業に属していると、右のものを左に置いたり、
同じ話を何度もしたりしていても、毎日が過ぎます。サッカーの試合に例えるならば、
同じチーム内でパスを回す行動をずーっとやっていても、なんとかなる感じです。
誰かが攻撃してくれますし、誰かがキーパーをやってくれます。
この動き方を長くやってしまうと、仕事をする筋肉が錆びついてしまうのは当然です。
ここを根本的に鍛え直す。これが今回のプログラムの力点でした。
開講時に気づいたのは、各受講生のInputからOutputまでのスピードが非常に遅くなっていること、
またInputの量が多くなるとフリーズすること。まずはここから。彼らの情報処理量を増やす
必要がありました。
脳機能学者の方にも相談し、「百マス計算」も取り入れてみました。多少なりとも効果があったと
思います。(実は私自身、疲れや同じことを長くやってしまい脳の処理スピードが落ちていると
感じたときには「百マス」計算をやって自分自身を回復させることがあります。)
次に気づいたのは、"自分がやる!"という意識が弱くなっていること。課題が時間内に終わらない。
終わらなくとも"悔しい"とも"申し訳ない"とも感じていない。これは、長らく所属する組織で
それで良かったからです。 "自分がやらないといけない"環境下にいなかったからです。
やれなくても"あきらめられていた"のでしょう。
PCについてもそう。仕事で日常的にPCを使っていないという方がいました。誰かがやってくれて
きたのでしょう。しかし、このプログラムではそれは許しません。20日終えてパワーポイントで
プレゼンができるまでに習熟してもらいました。
英語についてもそう。誰かが対応してくれたのでしょう。しかし、このプログラムでは助っ人は
おりません。外国人講師が長時間にわたって質問攻めにして、日本語脳に"ひび"をいれて
もらいました。
この、ある意味でスパルタ的な20日間を経て、最後に、某企業の事業計画づくりに取り組んで
もらい、本日、無事終了しました。(徹夜を強いておりませんでしたが、徹夜をして
仕上げてきました。)
修了式の中で感極まって涙を流す方がいました。
そうだろうと思います。所属している会社からは、ある意味で「自由契約」宣言を受け、
訳も分からない中でいきなりの5日間の泊まり込み。次から次へ休む暇もなく投げかけられる
課題。さぞかし大変だったろうと思います。
チームIndigo Blueは、"ダメだ"と言わず、各人にスポットライトを当て続け、励まし、笑い、
誉め続けた20日間でした。
このプログラムを現場でフルに支えてくれたのが、Indigo BlueのシニアパートナーのTさん。
研修の外でも受講生たちをサポートし続けてくれました。さすが、日本を代表する小売D社で
社長代行まで務めた方です。
関係者のみなさん、お疲れ様でした。10月期は10月9日から開講です。
おまけー1:「昔の彼に良く似てるわ」、名古屋のパートナーのNやんが年上の女性に
よく言われるそうです。この意味について、高山の某居酒屋で激論しました。
おまけー2:この居酒屋。刺身の7点盛、飛騨牛、鶏ちゃんを頼んだところ、
刺身の前に味の濃い肉が連チャンで登場。
「こんな味が濃いとご飯ものを頼みたくなっちゃうよ」
「それがウチの作戦です」(と素直な若い店主)
おまけー3:高山の緑の窓口で、「名古屋での乗換新幹線、どうします? 接続のにしますか?」と
窓口の女性がニヤリ。この"ニヤリ"の意味がわかる人は高山通です。
Vol.473 競争戦略のススメ
「成長戦略」には「競争戦略」が必要。それがあると実行レベルが格段に上がる!
一般に「戦略なるもの」は、ビジョンの実現、数値目標の達成がゴールです。
そこに「打倒、A社!」という具体的な競争目標を掲げてみませんか。
それだけで戦略が具体化します。「競争相手」が見えていないと、せっかくの戦略も
抽象化・一般化します。現場もどう動くべきかはっきりしません。いきおい上を見て
動くことになりがちです。
競争戦略を前面に出すのを嫌う人も結構います。競争を前面に押し出すのはいかにも
"なりふり構わない"印象がありますからね。「敵」という表現を使うと、特にそういう
イメージがあります。
但し、ここで言っているのはそういう事ではありません。あくまでも「競争相手」です。
全力で追い越そう(勝とう)とする相手です。スポーツで誰に(どのチームに)勝とう!
と思い、そのために鍛錬し、知恵を使うのと同じです。
例えば女子バレーで対中国。(この前のワールドグランプリでは負けましたが、ロンドン
五輪では日本が勝ちましたね。)中国に勝つために、中国チームの凄さを知り、尊敬し、
それでもどうすれば勝てるかを考え、研究し、鍛練するわけです。その結果、全力を
出すことができれば、勝っても負けてもそこに変な後腐れはないはずです。
このメンタリティをビジネスの現場でも持とう!というのが今日の主張です。
戦略は頭デッカチ(会議室でつくった数字のオンパレート)ではいけません。
それだと現場が動きません。「打倒A社!」はわかりやすい。一担当者であっても、
自分の目の前のA社の動きをしっかり研究して、それよりも良い手を考え実行すればいい
ということになります。
A社を打倒したあかつきには、どのくらいの経済規模になっているのか、リターンとしては
どのくらいが見込めるのか、ここから数字の世界になります。この逆で数字を前面に
出してしまうと(一部の人たちを除いて)、感覚的に目指しにくいのではないかと思います。
"競争相手"ですが、せっかくなのでデカい相手に勝負を挑みませんか。夢は大きい方がいい。
メダカがクジラに勝負を挑むのもいいじゃないですか。
もちろん、そこには現実的なステップが必要です。まずは「対金魚」。次が「対鯉」、次が・・・
と追い越していき、最終的に「対クジラ」までいけばいい。しかし、この対戦も「対クジラ」を
見据えての対戦にしましょう。(いわゆるベンチマーク戦略とはこのことを上品に言った
ものだと思います。本質的には競争戦略です。)
人材育成上も競争相手を置くことは有効です。足の引っ張り合いや中傷合戦をする輩には
早々に競技場から出ていただきますが、フェアプレーで挑むのであれば、大いにやったらいい
と思います。
思えば私も中学、高校、大学、そして、これまでの全ての職場で"意識せざるを得ない存在"
がいました。その人を意識し、どうすればその人に"並べるか"を考えていたように思います。
それがあったからこそ、若いうちからいろいろなチャレンジができたのだろうと思います。
そういう環境を組織内につくるのもマネジメントの役割です。パフォーマンスのバランスを
見て配置をしましょう。またはヘッドカウント上、十分であっても競争環境をつくるための配置、
採用もありだと思います。
但し、社内の場合に気を付けるべきことは「相互のリスペクト」づくりとセットでやることです。
これがない風土が荒れます。「相互のリスペクト」づくりは時間の共有と成果の共有(ナレッジシェア)
が基本です。
さて、競争戦略に戻ります。競争戦略は"追いつけ・追い越せ"だけではありません。
いかに下に抜かれないか、ここも大事なポイントです。業界のリーダーに上り詰めた瞬間から
"下向け"の競争戦略を意識しておかないとやられます。
かつて、日本は欧米諸国(特にアメリカ)を強烈に意識して、国を挙げて競争戦略をやってきたと
思います。その後、Japan as NO.1 など言われ、競争感覚が弱まった(奢った)後に、
対日本戦略をやってきた韓国に抜かれ、今度は中国に・・・という感じです。
ここはなりふり構わず、競争意識をもって臨むことが必要だと思います。
最近、再度、この想いに着火しました。
おまけー1:体験型ケーススタディ「Organization theater」をいろいろなところでやるように
なって気づきました。大企業でしかも業界リーダーで安定しているところの参加者は、
選抜された方々でも、"組織内のパス"が多い。前に攻めていかない。もどかしいですね。
おまけー2:そのOrganization theaterの紹介映像です。(45秒なので見てください (^_-) )
http://www.youtube.com/watch?v=WSO3VrpwUgc&feature=youtu.be
おまけー3:久々のご案内です。"数字で語る"ための基礎力講座、"ビジネス数学講座"に
珍しく若干の空きがでました。ご希望の方は以下からお申込みください。先着順です。
10月開催 ビジネス数学入門講座 (3回コースで21,000円!)
日時:2013年10月9日(水)、16日(水)、23日(水) 19:00~21:00
場所:Indigo Blueオフィス(東京都港区虎ノ門5-1-5 虎ノ門45MTビル3F)
Vol.472 クレームの本質
大変気に入っています。テラスの床に寝転がって夜空を見上げていると、たまに
流れ星がちらり。東京の夜空もいいものです。
(ちなみに今、このメルマガも外のテラスで書いています。)
ここからは、残念な話。
この引っ越しが終わって、封筒にいれておいた「現金」が紛失していることに気づきました。
引っ越し作業をお願いしたのは大手のA社。営業担当は現場上がりの若い女性。
現場を知り尽くしているからこそのきめ細やかな提案をしてくれて大変好感をもちました。
また、当日の現場を仕切っていたリーダーも20代前半の若者でしたが、丁寧な仕事ぶりで
こちらも好印象でした。
必要最低限の生活用品以外は引っ越しの前々日までにパッキングを終え、当日はピストン
輸送でいけるだろう、というのが営業担当からの提案でした。なにしろ、引っ越し前の
マンションの目の前で大規模工事が行われており、大きなトラックが停車不可でしたので。
ただ、徒歩7~8分のところへの移動だったので、これでいけるだろうというのが
営業の読みでした。
当日の朝、現場リーダーから電話。"車がパンクしたので乗り換えて行く"。このため、
当初計画の開始時刻よりも1時間押しでスタート。しかも、現れわれたのは2トントラック。
現場の作業員は4名。(1名は荷台ですね。)
ピストン輸送を数回。陽が落ちても終わる気配がない。"お任せパック"ではありましたが、
さすがに終わる気配がないので、途中から私も軍手をして、えっさほっさと一緒に運び入れを
やりました。それでも終了したのは22時45分。いやー、長い引っ越しでした。
さすがに夕食もとらずに頑張ってくれた作業員のみなさんには、おにぎりとお茶を差し入れ。
(もちろん、ポチ袋も)。"遅くまでありがとう"という気持ちでした。
ところが「現金が紛失」。
もしかして、どこかに移動させたかと家中を探しましたがありません。もとより、移動させた
記憶がありません。他の貴重品類は自分で運びました。この現金は、"もしも"の時用のもの。
置き方も"へそマロン"的にとあるボックスの中に密かにいれておいたのです。
ただ、そのボックスがクリアボックスで裏から見ると封筒が丸見えでした。
(置いてあったときにはクリア側が裏だったので気づかなかった・・)
しょうがないのでA社に電話して状況を説明しました。現金入りの封筒なので、あったこと自体を
証明する術がありません。変なゆすりと思われては心外なので、当日の対応に感謝を述べ、
かつ現金を置いておいたのはこちらの過失であることを認めながら相談したところ、
お客様センターから連絡を受けた同社の人から着電。
-現金はお客様が管理することになっているはず
-当社ではかつて一度も作業員がお客様の現金に手を付けたことはない
-警察に訴えるならご自由に
まあ、木で鼻をくくったような対応。
さすがに腑に落ちず、数日して再度お客様対応センターに電話して別の人に相談したところ、
今度は丁寧な対応でした。そのヒトからつないでもらった担当者もこちらの主張に耳を傾け、
調査を約束してくれました。
ところが1週間経っても連絡はなし。調査状況を聞くために電話したところ、この担当が不在。
折り返しの連絡をお願いしたのですが、なしのつぶて。その後数日して再度電話したところ、
やっと折り返しの電話があり。
「当日の作業員に聞きましたが、誰もその封筒のことは知らないそうです。」
当たり前です。こんな聞き方では誰でもそう言います・・・
実は、もはや無くなった現金のことではなく、この会社の職場環境をなんとかしてあげたい
という気持ちになっています。そもそもは現金を置いておいた自分が悪いのですから。
それなりの大金でしたが、無くなった現金を返してくれとは思っておりません。そこではありません。
-朝7時(集合)で解散が23時
-休憩は昼の1時間だけ
-荷物を運びながらの恫喝(当日バイトの若者への"なにやってんだ!"系の厳しい指導)
-荷台に荷物の見張りとして1名を乗せて移動
-途中であまりに終わる気配がないのでHELPを要請してはどうか、と勧めたところ、
簡単に呼べない仕組み(おそらく担当者にペナルティが課せられるのでしょう)の様子
この劣悪な環境で仕事をしていて、目の前に現金入りの封筒があったりしたら、魔がさす
可能性は否定できません。また、この手のトラブルが多いせいか、何度か電話しているのに
全て担当者任せの対応です。それなりのポジションの人間が電話してくるとか、状況確認に
自宅までやってくるとか、全くありません。若い担当者任せ。さすがにその若い担当者が
気の毒になりました。
この問題の本質は劣悪な作業環境と会社の風土にあります。ここをなんとかしないと
この手のことが繰り返し起こります。何らかの事情で予定作業時間に終わらない場合に、
それが一番迷惑なのは顧客です。顧客からHELPを要請してはどうか、と言われても呼びにくい
仕組み(風土)、これではいけません。
この会社の経営陣がこのことに目を向けない限り、解決はありません。なかには癖の悪い
クレーマーもいることでしょう。私もその一人として思われているかもしれませんが、
私(顧客)が意見することがこの会社の経営者に届けばいいなと思っています。それが
この会社の現場で働く人達を救うことになれば幸いだなと。
おまけー1:「100円SHOP」でレジで10円玉を落とし、手を差し入れたところ
100円玉を発見。更に100円を発見。1円も発見。しかし、なくした10円は出てきません。
「あのー、201円落ちてましたよ」(とカウンター越しに渡す)
「はい、あと10円ですね」
おまけー2:最近「寝坊する夢」を頻繁にみます。さすがに「夢判断」で調べたところ、
"イヤなことから逃がれたいと思う気持があるようです。" (なんだろう?)
おまけー3:と、ここまで書いたところで、この引っ越し業者の取り付けの洗濯機の
ホースが外れ水浸しに。(要はこの業者がダメなのだと確信 (・へ・)
Vol.471 空気を読むを科学する
スキルとなれば学習可能になります。
私は比較的、空気を読むことができる方だと思います。過去、会議や営業プレゼン等の場で、
相手方の空気を読み、話題や力点をその場で変えて対応するということをやってきました。
これが救いになったことは多々あります。私が米国コンサルティング会社のコンサルタント
時代に受注率が高かった一番の理由はこの力だと思います。
一方で、それが出来ずに撃沈している人がいます。なんでそういうことになるのか・・・
不思議でした。明らかに相手が"違うよ"とか"不快"というメッセージを出しているのに、
それに気づかない。しかし、わからない人は一向にわからない・・・
これは何だろうと思っていました。
男性脳とか女性脳とかがその原因だ、とする方もいます。なかなか興味深い分析なのですが、
私の関心事はそういうことではなく「空気を読む力」をいかに学習可能なものにするか、
ここです。
私は比較的、昔から空気を読める方だったと思います。最近では、会議のファシリテーションを
しているときに、意見がある人がなんとなくわかるようになりました。意識してわかろうと
するとわからなくなりますが、自然体でやっている時にはたいていわかります。(不思議ですね)
こんな感じです。誰かが何かを発言します。それを聞いている参加者の中で、その意見に
反論や疑問がある人の反応を感じます。そのヒトの周辺の空気が一瞬ですがふわっと薄く
なるような感じがするのです。それを感じるので、「**さん、いかがですか?」と
その方が手を挙げる前に意見を促すことができるのです。
このふわっとする感じですが、感じたその瞬間に反応しないとすぐに消えてしまいます。
ある時、"あ、あの人、何か言いたいはず"と感じたのですが、直ぐには反応せずに、
その後全体に対して"意見のある方は?"と問いかけたのですが、もうその時には消えていました。
言いたいことがあると思われた方の周辺の空気の濃度は、他の方々と同じになっていました。
おそらく、その方が理性的な判断により、"言わないでおこう"と意識したことがそうさせた
のだと思います。
その前の"意見を言おう"とした空気感はおそらく無意識の反応です。意識的に自分の感情を
外に出さないようにしていない限り、人間は結構いろいろなメッセージを外に発していると思います。
ある方に言わせるとこれは"気の動き"ではないかと。柴田さんが読んでいるというのは
気の動きではないかと・・・。そうかもしれません。しかし、そうだとするとなかなか
学習できるものではないように思います。そう思って、悶々としていたのですが、
もしかして突破口があるかも・・・と思い始めました。
昨日、"微表情の動きから相手の真の感情を知る"理論とプログラムを開発したWezowski博士夫妻に
お会いしました。ちょうど柴田塾の9月期開講中だったのですが、会場まで来ていただき、
隙間の時間でお会いしました。
博士らのプログラムはベルギー発なのですが、今や米国、スペイン、フランス、ノルウエー等、
多国籍展開しているそうです。ハーバード大学でも講演をしています。
http://www.youtube.com/watch?v=foJ5czHZVcw
この方法論が日本でも適用可能かどうか意見を聞きたいというのが会談の目的でした。
"人間は感情の生き物。それを直接的に表現するが、意図的に隠そうともする。
しかし、どうしても、無意識のうちにわずかな表情が一瞬現れてしまう。隠しきれるものではない。
この一瞬のわずかな表情の動きを読む力をつけること、それが微表情読解力である"
この力をつけることで車のディーラーや保険の外交などの営業面で20%以上実績が上がった事例が
多くあるとのこと。また、EQが10%以上改善されるとの実績もあるとのこと。
私が言う「空気を読む」というのはこの微表情の変化を読んでいるのかもしれません。
彼らにそのことを投げかけましたところ、「おそらくそうだろう」とのこと。
ついては彼らの方法論がどれだけ日本人に適用できるのか興味を持ち始めました。
ということで、そのトライアルプログラムを急きょ開催することにしました。
関心のある方はぜひ以下にてお申込みください。
「微表情力を読む - トライアルプログラム」 (英語、部分訳あり)
Patryk & Kasia Wezowski, the Founders of the Center for Body Language.
9月17日(火)18時半~20時半 場所:都内
参加費:無料
担当:Indigo Blue コンテンツラボ研究員 阿部 仁
※ プログラムの中で参加者の表情の変化を撮影します。
参加ご希望の方は以下までお申込みをお願いします。
info@indigoblue.co.jp
メールの中に「微表情を読む」参加希望、お名前、所属会社と役職、年齢、性別をお書きください。
申込み締切は9月10日(火)午後5時とさせていただきます。
(応募者多数の場合には抽選となる可能性もあります)
他にも声の周波数の変化から感情の動きを把握する仕組みを応用できないか、と検討を始めました。
「空気を読む」を科学する。進捗してきました!
おまけー1:日本人が西洋人に比べて表情の動きが乏しいのは祖先が寒い地方出身で顔をコートで
覆っていたことに由来する。顔の表情以外の手段で感情を伝えることになり、その結果、顔の筋肉が
動かなくなった。(左右の眉毛の筋肉がくっついた)しかも、口を開けると寒気で喉を痛める。
このため、言葉以外の"雰囲気"を読む力がついてきた・・・という説はなかなか興味深いですね。
おまけー2:レストランでお客様用のメニューに値段を載せないのも「空気を読んで」いますね
Vol.470 外資系人事マネジャーへ。今後に備えよ。
知人が世話役をやっている「外資系人事課長の勉強会」にちらりと顔を出してきました。
参加者はおよそ20名。この手の勉強会はいいですね。スケジュールの都合で滞在時間
2時間弱でしたが、久しぶりに自主的勉強会の息吹に触れることができました。
その昔、マーサー社長時代に「10年後の人事を考える会」なるものを企画していました。
「人事」は経営上、最重要機能の一つなのですが、ややもすると「人事・労務の管理人」
になりがち。この最大の原因は多くの担当者の意識が「管理人」だからです。
「ビジネスを伸ばすのも凹ますのも人次第」なのですが、そこへの意識が薄い。
ここを変えるための場をつくりたい。これが当時の問題意識でした。
そこで、外資系を中心とする人事マネジャーたちが長期的かつ幅広な視点から世の中の
動きを考察し、その結果、人事の役割はどうなるかを議論する会を始めたわけです。
私がマーサーを離れて既に6年。現在、この企画がまだ存続しているのかどうか知りませんが、
当時の参加者とのつながりはいまだにあります。共に勉強した仲間の絆は強いものです。
さて、これからの時代、外資系の人事マネジャーたちは従来にはない使命、動き方を
求められることになると思います。そのための準備を!というのが今日のテーマです。
外資の本社の観点からすると、多くの企業で日本マーケットの評価は「?」だと思います。
そもそも、日本でビジネスを展開するということは、"そこに市場があるか?"、
または、"そこは重要な機能を置くに値するか?"の2点の質問に対して、そのいずれかに
「YES!」だからのはずです。ところが、中期的に見てそこが怪しくなったというのが現状です。
"そこに市場があるか?"についてはジェネリック医薬品、再生可能エネルギー分野等の
一部を除くと明らかに「黄色信号」です。なにしろ、人口が減っていますから。かつ、
政府の財政から今後、消費税や社会保障費が上がることが明白。外資系法人への税制面での
優遇措置も弱い。加えて、放射能汚染問題、地震・・・成長戦略が明らかに書きにくい。
それが日本です。一方でインドネシア等の東南アジアを見るに"伸びしろ"があります。
海外投資という点から相対的に劣位です。
機能面の判断をする際に、上記の規制系の条件に加え、良質な労働力が潤沢にあるか、
が問われます。が、これも「黄色」。いつまでたってもグローバルな環境で仕事ができる
人材が増えないし、若年層の多くが「別に・・」と反応が薄い。バリバリやれる人材はいるが、
起業か日本の外で就職。
本社の判断としては今まで以上に「撤退」というオプションを現実的に持つことになります。
そうなると、容易に想像できるのが社員の入れ替えです。撤退しやすい形にシフトしようと
なるでしょう。
これに追い風なのが今後の労働市場の変化です。
経験はあるが定年で退職。但し、元気。なおかつ、住宅ローン、養育費、または確定拠出年金の
運用成績が低調のために老後の生活資金が必要という人材がたくさん出てきます。
いわゆる"元気でカネのない高齢者"が労働市場にたくさん出てきます。
この人達は"別に・・"の若者よりも物分りが良く、かつ熟練しています。なおかつ、
賃上げ圧力も弱い。数年後には引退することが明らかです。この人達を量的に主力人材とせよ、
という指示がきてもおかしくありません。場合によっては、全員を業務委託にして
法定福利費をセーブしようと考えるかもしれません。
このような指示が来たときにどう対処するか。外資系人事マネジャーとしては、
そうなったときにどう対応するかについての準備をしておいた方がいいでしょう。
しかし、これは「守り」です。一番いいのはグローバルのマネジメントチームに
日本人をたくさん輩出することです。これが「攻め」。そうなると、撤退はなくなります。
本社機能、またはそれに準じたものが日本に残ります。この状態になるよう仕掛けていくのが
良いでしょう。つまり、人づくりです。
いかにそれぞれのビジネスラインで日本を超えたポジションに人を出せるか。ここです。
外資系の育成にかけるおカネの使い方は「選抜人材へ集中投下」、その他については
「自助努力への支援」です。ここをうまく利用しましょう。
日本以外のロケーションで活躍できる人材づくり。日本企業の課題でもありますが、
外資系企業ではこれを進めておきませんと、死活問題になりかねません。
外資系人事マネジャーのみなさん、プライオリティをぜひここに!
(さもないとリストラを命じられて、その実行をし、転職・・を繰り返すことになりますよ。)
おまけー1:人づくりは社内にモデルとなる人物がいることで相乗的に進みます。
モデルの影響力を活かしましょう。
おまけー2:影響力と言えば、"ハゲ"もそうだと思い始めました。ハゲは親の影響です。
遺伝よりもむしろ影響です。
親がハゲていると、それを日常的に見ている息子は"俺も・・"という自己暗示にかかります。
これが髪をして"抜けてもしょうがない"という状態にマインドコントロールしているのではないかと。
おまけー3:個人でコンサルタントをしている方、将来的にそれを目指している方へ。
9月22日と23日のこの会合。実践的な勉強の場として最適です。お薦めします。
https://www.facebook.com/iafjapan
Vol.469 文句マン(ウーマン)
「前向きな毎日」を過ごすための「魔法」です。
意見を求められたときに、ダメ出し癖がついている人が結構います。
特に管理職や職業コンサルタントにこの傾向が顕著です。改善点を言うことが
仕事だからです。
「***はいいんだけど・・・、(ダメ出し)(ダメ出し)・・・」
こういう展開のコメントになりがちです。
職業柄しょうがないのですが、ダメ出しが求められていないときにも、
これをやってしまうと、ただの「文句の多い人」(めんどくさい人)になります。
話題と言えば、誰かについての"否定的見解"ばかり。レストランに行けば、
何がまずい、サービスが悪いと・・・と至らない点を並べ立てる。何か物を買っても、
ここが悪い、あそこが気に入らないと・・・、まあ文句が多い。
一言で言うと、"文句マン(ウーマン)"です。
そこに悪意がないのはわかっています。良くなってもらいたい、期待に応えて欲しい
という想いが高じて"文句"になっているのもわかっています。洞察力や観察力、
感度が高いからなせる技であることもわかっています。
しかしこれ、あまりに毎回だと周囲の人はさすがにいい気持ちがしません。
周囲の大人たちは適当に合わせていますが、それも程度問題。直にできるだけ
関わらないようにしようとなります。まず、"文句マン(ウーマン)"は「飲み会」に
誘われなくなります。そのヒトが来ると説教系、文句系の話が多いとわかるからです。
(めんどくさいですよね)
一方で"文句マン(ウーマン)"はその性質上「飲み会」的なイベントは好きなので、
自分で主催します。最初はつきあいから参加している"普通の人々"も、だんだん
"文句マン(ウーマン)"の会には行かないようになります。そのうち、来ているのは
"文句マン(ウーマン)"だけ、というそれは恐ろしい会になります。
私自身、気をつけないと"文句マン(ウーマン)"に変身することがわかりました。
自分はそんなことはないだろうと思っていましたが、先日、気の置けない人から
"文句ばかりだ"と諭されてハッとしました。まだまだ修行が足りません・・・。
で、"Never complain!"。これを常に意識することにしました。
改善指導が必要な場合でも、そのヒトの良い面をピックアップするようにしました。
仕事がうまく回らないことあっても、誰かのせいにしたり、誰かの不出来を
嘆かないようにすることにしました。
嘆いていても何も変わりません。しかも、嘆いているネガティブな想いは
自分の精神衛生上よろしくありません。嘆いている暇があったら、自分で前向きに動かす。
こっちの方がいいですね。
結果として、誰かの仕事についても、自分がやってしまうことになります。
その分の工数(消費時間)は増えます、しかし、その"誰か"が大人であれば、
そのことに"気づきます"。次からの動きが変わります。当人を前にしてグダグダ
何かを言っても、お互いにネガティブな想いが沈殿するだけです。
例外があります。大人になる前の"見習い"に対する対応です。
この段階の人はまだ視界が狭いので、"やってしまう"と自分の至らなさに気づかない
可能性が大です。その場合には改善すべき点をはっきりと伝えるべきです。しかし、
そこで"ネガティブな感情"を付帯させてグダグダ言ったり、"どうせ・・だから"とか、
"いつも・・・だ"とか余計な一言はなしにしましょう。コンプレイン(文句)ではなく、
アドバイスでいきましょう。
ところで、"文句マン(ウーマン)"の中で最も難儀なのは、"自分はこんなに
努力しているのに報われない"という怨念系の"文句マン(ウーマン)"です。
"報われない"には理由があるはずです。そこを自分は常に正しい。自分が
報われないのは自分以外の誰かが悪い、世の中が悪い、と思っている、そういう
"文句マン(ウーマン)"にたまに遭遇しますが、これは正直手がつけられません。
気の毒だなあと思います。
迷惑ランキングで上位なのは、"文句マン(ウーマン)"の年配者です。年配者になると、
同じことを何度も言う傾向がありますが、"文句マン(ウーマン)"にこれをやられると
困ります。今、名古屋から帰京中のグリーン車の中ですが、後ろの席の"年配文句マン
(ウーマン)"がずっと同じ文句を延々と話しています。隣の席の若者辛いだろうな。
(新横浜過ぎても続いていたら、「ええかげんにせえ!」と言おう。(文句ではない)
おまけー1:身体を軽くしたいと考て、ジムでパーソナルトレーナーをつけたはいいが、
なんだか身体が大きくなってきた感じ。体重も一向に減らず・・・この作戦、失敗かも。
(・_・) (文句ではない)
おまけー2:トレーナーにこのことを(文句ではなく)言ったところ
「身体を作り変えているのですから、そりゃ時間がかかります。で、6か月コース更新しますね?」
おまけー3:家の前で建物の取り壊し作業が着々。結果としてゴキブリが異常発生。
(逃げてきているのだ・・・)ゴキブリホイホイ理論で言うと、信じられない数が
いることになります・・・(文句ではない)
Vol.468 お休みのために
休みの前日は目覚まし時計をかけずに寝ましょう。太陽の光やセミの声で目を覚まし、
ゆっくりと時間を気にせず朝ごはんを食べ、思い立ったことをしましょう。
時間を存分に使えること。これこそが日々忙しい人にとっての「贅沢な夏休み」です。
「休み」、Vacationは身体を空っぽ(Vacant)にすること。空っぽになるから新たな
ものが入ります。これが「休み」の効能です。日常的にも忙しく、かつ家庭サービスも
・・・という方々にとっては実行ハードルが高いかもしれませんが、"何もしない"日を
計画しましょう。(専業主婦の方にも。もちろん「休み=Vacation」が必要です。
奥様向けのそういう日も計画しましょう。)
先週、1日ですが、そういう日を堪能しました。前日の夜には録っておいた
「Animal planet」を鑑賞。その後、鎌倉の海へ。積読リストから「粉飾 特捜に狙われた
元銀行員の告白」を持参。浜辺でサンデッキに寝そべりながら生ビールと共に
数時間過ごしました。
こういう休み方はすぐにできます。なんだか、情報処理が遅くなっている人、怒りぽく
なっている人、仕事が嫌いではないのにモチベーションが落ちている人・・・、Vacationが
必要です。"何もしない"日を計画実行しましょう。強くおススメします。
("何もしない"休みの翌日、自分の処理能力の高さ、寛容度の広さを実感しますよ。)
ところで、私が"休み"に担当した「Animal planet」と「粉飾 特捜に狙われた元銀行員の告白」
が非常に興味深い内容でしたので、夏休み特集としてみなさんにも共有します。
まず、「Animal planet」。これは160カ国以上、3億5千世帯以上で配信されている
世界最大級の動物エンターテイメントチャンネルです。CATVを引いているご家庭であれば
視聴可能と思います。
http://www.animal-planet.jp/index.html
今回私が見ましたのは「人魚伝説」から「失われた真実」と「新たなる真実」の2本です。
いやー、これはスゴイですよ。そもそも、我々はまだ海の中の生物について5%程度しか
知り得ていないと言われていますが、これらの作品はそれを納得させてくれます。
「新たなる真実」の一部が以下のYoutubeに紹介されています。
今年の3月にグリーンランド近海の600メートルの深海で撮影された謎の生物の映像です。
http://www.youtube.com/watch?v=iuXPdQqMYW0
インターネット上では"偽物"論争も巻き起こっていますが、私はこれはホンモノだと信じています。(詐欺に遭いやすい人間が言っているので説得力がないかもしれませんが・・・ ^_^; )
そもそも人類が進化の過程で「水中」で生活していたという"アクア説"を直感的に信じている私にとっては大興奮の番組でした。ちなみに"アクア説"は以下をご覧ください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E7%94%9F%E9%A1%9E%E4%BA%BA%E7%8C%BF%E8%AA%AC
「「粉飾 特捜に狙われた元銀行員の告白」。これも読みごたえがあります。
中小企業経営者が銀行融資をうけるために決算を"粉飾"するのは日常的。かつ必要悪として
みなが暗黙的に認めている・・・、という書きぶりがややストレート過ぎる印象はありますが、
多くの方に読んでいただきたい内容です。特に大企業にお勤めの方におススメです。
かつて破綻したベンチャー企業の再建に関わって、何が勉強になったかというと、中小、
ベンチャー企業ではまさに"生きるか死ぬか"という状況がそこにあること。これは大企業にいると
味わえません。大企業にいると無意識のうちに"大企業マインド"が醸成されてしまいます。
自分がやらなくても誰かがやってくれる・・・
この瞬間に動かなくてもなんとなかる・・・
私自身がこの「甘え」に気づかされました。そんな「甘え」の中で経営していると"持ちません"。
(ここは大企業でも同じだと思います。)
研修で具体的な指示を出さずに課題を提示すると、大企業から派遣されている管理職の方は
「様子見」をする傾向があります。一方で外資系、ベンチャーから派遣されている管理職の方は
すぐに動きます。この反射神経の差が「甘えられる環境にいるかどうか」の違いだと思います。
著者は最終的に有罪判決を受け、収監されたようです。なかなか身につまされる内容ですが、
世の中の一面を知るに良い本です。
ということで、今週は比較的スローな1週間になると思います。みなさまなりの「お休み」を
お過ごしください。(来週の人事の目はお休みです。)
おまけ:9月22日のIAF(国際ファシリテーション協会のアジア大会)の翌日23日に
「体験型ケーススタディ」のデモンストレーション(日本語)を都内で行います。
http://www.indigoblue.co.jp/seminars/img/OT201206Diamond.pdf
(体験型ケーススタディのご紹介:週刊ダイヤモンドから)
「体験型ケーススタディ」を体験されたい人事担当者、事業責任者の方を対象に
特別に"無料"開催します。12名様までの特別開催とします。
ご希望の方は、以下まで「9月23日の体験型ケーススタディ1日版受講希望」として、
お名前、所属、役職、ご連絡先を記入の上、お知らせください。
(応募者多数の場合には抽選とさせていただきます。 <(_ _)> )
info@indigoblue.co.jp