柴田励司の人事の目

Indigo Blue メールマガジン

Vol.683 日本の人事制度はなし崩し的に崩壊する(前編)

「当たり前」がそうではなくなってきている。ところがルールや規範が追いつかない。

突き詰めて考えてみると、なんで違反なのかもはや不明。むしろルール違反をした方が

ベター・・・。しかし、ルールは変わらない・・・。そうなるとルール違反者が大半

となり、なし崩し的にルールが改訂されていきます。時代を切り拓くような行動の

多くがルール違反からだったりします。時代の変化とはそういうものだと思います。

 

ルール違反とまではいかなくとも、「例外」が例外でなくなる、ということは

よくあります。ルールよりも実態を優先しようとしたら、例外を認めざるを得ない

わけです。気づいてみたら例外の方が普通になってきたというのがそれです。

この状態にあるのが「人事制度」だと思います。

 

多くの大企業の人事制度はこんな感じです。

 

職能資格制度、または職能資格制度を基盤としつつ管理職層に役割(職務)グレードを

導入。ライン以外の処遇職として専門職制度を設置。役職定年制あり。地域限定社員あり。

 

この制度は以下を前提としています。

 

新卒で入社。同じ時刻に出社して上司の指揮命令下で仕事する。勤続年数に応じて、

早い遅いはあるものの昇格。昇進する。同期のほぼ全員が初級管理職までは昇格する。

“うちの会社”という意識の下、ロイヤリティをもって定年まで勤めあげる。

 

これが機能していたのは事業構造が一定だったからです。当時は「同じ仕組み」を

拡散させ、かつ、そのための生産性を高めていけば業績が向上しました。優秀な人材は

社内ネットワークが広く、社内経験を積んだ人でした。そういう人が高く評価され、

昇格・昇進しました。職能資格制度はそのために最適な制度でした。

 

その後、社内ネットワーク、経験を積んだだけでは成果を上げることが難しくなり、

会社全体の事業も停滞します。膨張する人件費の抑制を目的に導入されたのが

「役割(職務)グレード」です。これにより「正当な理由・合理性」により、

給与を下げる仕組みが導入されました。

 

それまで「生活保障の原則」「労働対価の原則」という考え方で設計されていた

給与制度に「社内公平性(年齢や社歴に関係なく同じ仕事なら同じ給与)」

「外部競争力(他社で同様な仕事をする人と同等な給与)」という考えが導入されました。

これにより、同じような仕事をしている人を外部から採用しやすすること、

または外部から引き抜かれないようにすることが図られました。

現実的には前者のみが適用されたのが実態ですが。

 

しかし、これは人の成長や会社を成長させることを目的とした人事制度ではありません。

どちらかというと管理目的です。事業戦略は反映されていません。このため、

事業の現場で奮闘する人たちに人事制度やその運用元の人事部に対する不満が常にある

というのが現実です。“人事制度が邪魔をしている”という声をよく聞きます。

 

副業解禁は劇薬です。「資格制度」を崩壊させると思います。副業解禁でより

スポットライトが当たるのは「優秀な人」です。社内外で「力量」で評価されることが

当たり前になってくると、本人にとって社内の資格(位置づけ)の意味が薄れます。

社内での昇格や昇進は“どうでもいいこと”になっていきます。

しかし、この動きは止められないと思います。私も副業解禁には賛成です。

 

(来週に続く)

 

 

おまけー1:満員電車の中のことです。「あ、僕インフルなんで。」

その瞬間、その若者の周辺が空きました。(お、これ使える)と思ってもやらない方がいいです。

次の駅でその若者は降ろされてました。

 

おまけー2:呼び出したタクシーが通知よりも15分遅れてきました。

 

“すみません、すみません。ナビが道間違えまして” 見るとナビが破損しています

。助手席には破損した欠片が・・。“何度も間違えるので指導しました。”

運転手さんの手袋にも破損した欠片が・・・(このタクシーに乗って大丈夫か)

 

おまけー3:「会長って何するんですか?」よく聞かれます。この哲学的な問いの答えですが、

「(会社の発展のために)好き勝手する」が最も合っているかもしれません。

 

 

 

Vol.682  なんでもトップのせい、ではない

”トップが、トップが、“と、なんでもかんでもトップのリーダーシップのせいにする

コンサルタントや大学の先生がいますが、トップをやってきたものの目線として、

わかってないなぁと思います。

 

何をすべきか、どう振る舞うべきか。考えていないトップはいません。トップともなれば、

常にこれらのことを気にかけています。そのレベルの問題はあるかもしれません。

しかし、ひとたびトップという役割についたなら、相応に考えているのがふつうです。

 

トップは社内外からいろいろと言われるものです。何か問題が発生した場合にはすぐに

批判されます。これは仕方ありません。そういう役回りですから。しかし、改革を

支援するという専門家から「トップが、トップが」という主張をされると白けます。

そういうことではないのです。そんなに単純なことではないのです。

 

全社的な問題で何かを変えることにしたとします。この場合、トップの後押しなしに

全社的な課題に取り組むのは確かに難しいです。トップ以外の誰かが強くドライブ

しようとしても、トップがそのテーマについて沈黙を保っていると、多くの社員たちが

トップの顔色を気にするからです。それはどんな会社でも同じです。

 

ただし、トップがその件について「やるべし」と公けに発言したのなら、あとは

トップのリーダーシップの問題というよりも、組織一人ひとりの問題ではないか、と

思うのです。こういう話をしましたら、あるコンサル(ちなみに英国人)から、

“日本の会社員はどう動いたらいいのかわからないのだろう。”と言われました。

そうかもしれません。が、それをトップのリーダーシップによって解決すべし、

というのはいかがなものか、思うのです。(もっと言うなら、そういう社員ばっかりの

組織もどうかと思うのです。)この問題は、現場の最小単位、多くの場合チームや

課ですね、そのリーダーのリーダーシップが問われていると思うのです。

 

大きな組織になりますと、自分の出番をつくるために画策したり、意図的に動かない

輩がでます。また、トップを言い訳にして政治的に動く“茶坊主”も出ます。

これらもトップとしてみると、気持ちいいものではありません。

 

業績・成果を上げながら、こうした複雑な組織問題をどう改善するか、

それがトップの悩みです。ちなみに、ここで言うトップとは社長やCEOという、

まさにトップから事業部門や機能部門のトップも含みます。

 

この一番の処方箋は自分の周囲を「一枚岩」にすること。これだと思います。

政治的な意図を持っている人も含めて「一枚岩」を目指すのです。さらに、そこに

参加した人たちにもその人たちの周囲を「一枚岩」にしてもらうのです。そのためには

周囲の人たちと、一緒に何かをすること、一緒に笑うこと、一緒に感動すること、

そして徹底的に議論すること。こうした場の企画運営が得意な人はどんどんやりましょう。

 

そうでない人は、このためのノウハウと経験値がある専門家(IndigoblueにはEmotional

 Integration というチームがあります)に支援を依頼しましょう。

 

組織課題は複雑です。トップ一人が力んだところでどうにもなりません。

トップだけの問題ではありません。チームで対応する。急がば回れ、です。

 

 

おまけー1:2月9日に大阪YMCAで講演しました。宿泊したホテルから歩いていくことに

したのですが、電話しながら歩いていたら、生来の方向音痴も災いして、気づいたら

まったく違う場所へ。過去の学習から徒歩10分です、という距離を30分前に出たので

なんとか定刻前に着きましたが。

 

おまけー2:新幹線の中で席から頭一つ出ている人がいました。えらく座高が高いなあ、

と思って、トイレに行くふりをして見に行きましたら、70代とおぼしき爺様が座席の上に

立ってました。なにしてんだろう。

 

おまけー3:先日、雅叙園東京で講演しました。改めて思いましたけど、

ここの施設はすごい。一見の価値あり。

 

http://www.hotelgajoen-tokyo.com/

 

 

Vol.681 ヒトとヒトをつなぐ

ヒトとヒトをつなぐのが好きです。

 

知り合いのAさんとBさん。お互いにお互いのことを知りませんが、引き合わせたら

面白い展開が期待できそう、と思ったら、会食みたいな場を仕込む。こんなことを

繰り返しやっていたら、面白い知り合いがたくさん増えました。この引き合わせ、

自分よりも世代の上の方の組み合わせでセットすることが多かったです。

 

やはり、先輩方はいろいろな経験をしています。その経験値が融合する瞬間に

同席できるのは幸せなことです。

 

こういう付き合いを進める上で大事なことは、そこで“営業しない”

“営業されない”だと思います。一緒の時間を過ごす以上の目論見がある会は

変な緊張感があって楽しくありません。食事という漢字は「人に良い事」と書きます。

まさにそれだけが目的の会です。

 

場の設定は重要です。基本的には個室です。食事も美味しくなければダメ。

サービス側のホスピタリティも極めて重要。これらの条件を満たせるレストランは

そんなにないので、いきおい決まったお店になります。決まったお店になりますと、

サービススタッフも私の期待値を知ってくれますので、設営面で安心できます。

ちなみに私がこういう場で利用させていただいているのは、「神田聖橋亭」

「Hilltop Casita」「アークヒルズクラブ」「槐樹(八芳園)」です。

 

この3年ほど、諸般の事情により(この言い回し鉄板ですね)この“つなぎ”を

やってこれませんでしたが、最近また始めつつあります。今後は同世代、

下の世代もありで行こうと思っています。

 

手始めに大学のクラス同窓会を企画しました。1985年3月に卒業以来、実に33年ぶり。

Facebookでつながっていた同窓の仲間数名と相談して先日開催しました。

連絡をとるのも一苦労。ソフィア会(上智大学のOB会)を通じて、連絡先を入手。

しかし、結構な数が「不明」。そこで、SNS検索エンジンなどを駆使したり、

“もしかして**さんのこと知りません?”的なアプローチを行い、

39名中36名まで連絡先を確認。結果として18名が参加。33年ぶりなので、

見た目はかなり変貌している人もいましたが、話し始めると昔のまま。

 

この感じはいいですね。

 

その後、京王プラザホテル時代の組合の同窓会に参加。この組合活動があったから、

今の私があるようなものです。人事諸制度なるものに正面から向き合った最初が

これでした。また、組合有志による年齢、部署関係ない勉強会も非常に楽しく、

これが私がリードする多くのセッションの原体験になっています。

 

当時の委員長のIさんは私が目標とする「自由人」。ああいう60代を迎えたいなあと思います。

 

やはり、ヒトとヒトとの接点がいろいろな事につながっていきます。最近、エンタメを

志向する若者の話を聞く機会が増えているのですが、彼ら彼女らにとってのエンター

テイメントは何か、と聞きますと、“バーチャルアイドル”という答えが多く、

衝撃を受けました。しかも、なぜ、”バーチャル“がいいのか、と聞きましたら、

「生の人は言うことを聞いてくれないから。これはがびーんです。

 

生身のヒトとヒトのつながりからいろいろなことが生まれます。創発されます。

しかし、そういう機会がないのでしょう。むしろ可哀そうなことです。“大人”として、

そういう若者に“ヒトとヒト”との会合の場を体験してもらおうと思っています。

 

それにしても本当に感謝。今の自分があるのはそうしたふれあいをつくっていただいた

皆様のおかげです。

 

 

おまけー1:インフルで倒れて以来、朝のジョギングをお休みしていたのですが、

本日復活。たちまちに右膝を痛めました・・・ 無理はいかん。

 

おまけー2:記憶力に自信がありません。言ったのに!系の注意をよく受けます。

ごめんなさい、みなさま・・・(これって認知症の始まりか・・? (+o+))

 

おまけー3:こういうのを見つけました。行きたい。

https://www.ktv.jp/btf/index.html

 

 

 

 

 

Vol.678 パロマの大変貌に感動

聞いてください。

 

猛烈に感動しました。パロマという会社に、です。

パロマは日本を代表するガス機器製造販売会社です。

 

2006年7月14日、奈落の底に落とされます。過去に製造した瞬間ガス湯沸かし器による

死傷事故問題が勃発したのです。同様の事故に関して過去に勝訴していたこともあり、

当初「自社製品の問題ではなく、不正改造が原因」と対応したところ大炎上。

社会問題化しました。

 

私はこの問題の第三者委員会の副委員長でした。

 

当時のパロマは極めて閉じた会社で、かつオーナー絶対主義の会社でした。工場は汚く、

暗く、床には得たいの知れない液体がこぼれたまま。営業所も狭苦しいところでした。

そこに、この死傷事故問題が勃発。連日のようにマスコミでパロマ叩きが行われていました。

機器の回収・点検、クレーム対応。それこそ営業どころではない状態になりました。

会社の雰囲気はさらに重苦しく、社員もみな下を向いていました。

 

そんな中、“このままでは会社が本当にもたない”という切迫感から、次世代を担う

であろう若い社員たちと社長と未来のための合宿を行いました。会社を本当に変えよう。

変えないと明日がない。そのとき「パロマ課題構造“曼荼羅図”」というものを作成しました。

 

“ここにすべての問題が凝縮している。負のサイクルが発生し、このままでは会社の根幹

である「人」が潰れてしまう。この“曼荼羅構造”を変えよう!“ 

 

それがそのときの参加者全員の合意事項でした。

 

そして事故から11年半が経過。当時、私のサポートをしてくれていた人が取締役に昇任しており、

その方のお招きで久しぶりにパロマ本社(名古屋市瑞穂区)を訪れました。

 

全部変わっていました。会社に到着して、しばらく呆然としました。

 

本当に全部です。明るく開かれた会社になっていました。すれ違う社員たちの表情も明るく、

社内もピカピカに清掃されています。社内を流れる空気が違っていました。

 

最初にやったことは工場のトイレの改修だったそうです。そして、食堂。温かい食事が

とれる施設ができました。コールセンターは社長室の隣。全員社員です。コールセンターに

寄せられるすべての声に誠実に対応し、本当に商品開発、改善に役立てています。

 

本社内に「失敗からの学び」と題した、社員向けの展示があります。特別に見せてもらいました。

2006年の問題を含め、それ以外のリコールなど、設計上・生産上の失敗に始まり、労災、

営業車での事故など会社や社員が関わる失敗事例を展示しています。

 

ここにいくつか小林社長による宣言が書かれているのですが、その姿勢に猛烈に感動しました。

経年劣化、使用者の誤使用、施工の不具合、これらをすべてメーカーの責任と捉え、

問題が起きないように努力する。素晴らしいです。製造業の多くがアセンブリメーカーに

なりつつある現在、パロマでは全部品を自前で作っています。

コストを考えていたらできることではありません。

 

“この10年の歩みと再建の様子を世の中に訴求しないのか?”と聞きましたところ、

“会社の姿勢について、自分たちから声高に言うものではないと考えています。

それはお客様や世の中が決めるものです。”というお返事。

 

これにも痺れました。言うのではなく、態度で示す。素晴らしい。

 

合宿参加メンバーの一人が常務に昇進していました。

 

“この柴田さんがまとめてくれた曼荼羅図、先週の経営会議でも再度確認したんですよ。

気を抜くと昔に戻ってしまいますからね。”

 

涙が出そうになりました。

 

 

おまけ:2月8日(木)に「論理的思考力」「対人感受性」「折衝力」「提案力」

「総合的な営業力」と「文章表現力」を 実践するリアルタイム・シミュレーション

「B6G(Business 6 gates)のトライアルを開催します。

 

インターン・新卒の評定、内定者の実力診断、新人教育のために開発しました。

この機会にぜひ、お試しください。

 

詳細、お申込みはこちらから。

 

https://indigoblue.co.jp/b6g_trial/

 

 

 

Vol.677 人が休んでいるときに働いてくれている人がいる

あけましておめでとうございます。年末年始はいかがお過ごしでしたか?

 

お正月の恒例行事となった“アカスリ”に出かけてきました。昨年もそうでしたが、

お正月のサウナの客層はアングラ演劇の世界です。よもぎサウナでなにやら密談する

ロシア人の二人組。一言も声を発せずドライサウナに長時間入っている背中に紋々の方々。

水風呂ではグルメレポーターと称するぽっちゃり系のおじさんと「じゃあ、うちの店に

来てください」と話す飲食店勤務の二人組。ロッカールームでは誰とも目を合わせることなく、

タオルの回収をする司法浪人風の若者。受付でうたた寝しつつも電話が鳴るとパー子さん的

応対をする韓国人女性。実に濃い空間です。

 

今年は29日から4日まで完全OFFでした。実家で母親から「優雅になって良かったね」と

言われました。確かにこんなに続けて予定がなかったのは記憶にありません。社会人の

スタートはホテル勤務でしたから、年末年始は当然に仕事。年末年始プランの対応と富士の間

という42階の宴会場で「ご来光でございます」と声を出す係をやっていました。

外資系コンサル時代は本社が稼働するので2日から仕事。雇われ経営者としての修行時代は、

なんやかんやで年末ぎりぎりまで予定が入っていたり、年始早々に動かねばならないことが

あったりしました。今回はのんびりです。

 

毎年この時期になると思います。人が休んでいるときに働いてくれている人たちがいる。

ありがたい、と。彼らからすると通常勤務なのでしょうが、やはり年末年始は特別です。

数年前のジョージアのCM「世界は誰かの仕事でできている」を思い出します。

 

年末年始でも宅配は休みなし。出前も普通に1月1日から届けてくれます。コンビニや

24時間営業のスーパーは年末年始関係なくやっています。六本木ヒルズは1月1日から

営業でした。マンションの受付の女性陣はお休みですが、警備の人たちは休みなし。

ゴミ置き場も大晦日はゴミの山でしたが、4日にはきれいに整理されていました。

 

ありがたいことです。

 

陸王」の影響もあり、ニューイヤー駅伝(祝 旭化成優勝!)、箱根駅伝を見ましたが、

給水地点で伴走しながら声をかける裏方の姿に胸を打たれました。表舞台で活躍できるのは

裏で支えてくれる人がいてこそです。

 

次世代経営人財の育成をしていますが、上になればなるほど、多くの人たちが支えて

くれていること、だからこそ、裏方への感謝を忘れるべきではないこと、これらを

候補者の心に刻みたいと改めて思いました。自分のパフォーマンスを上げることにしか

目がいかない人は支える人たちがいなくなり(ついていけなくなり)、いずれ

力尽きてしまうものです。次世代人財もそうですが、現役で長らくトップの座にいる人にも

このことを思い出していただきたいものです。特にオーナー企業ではそう。

支えられていることを忘れがちなので。

 

本年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

 

おまけー1:新年早々、Indigoblueの仲間たちとご祈祷に。“代表の方どうぞ”と言われて、

いつもどぎまぎします。ご祈祷をあげてくれている神職さんは「2礼、2拍手、2礼」

してるので余計焦ります。最後は1礼か、2礼か。

 

おまけー2:某所のサンマルクのトイレは使用中に外に「使用中」のマークが出ず、

かつ便器と扉の距離があるので、ノックされてもノック返しができません。さすがに

「入ってまーす!」と大声を出す人はおらず。さっきから扉をガチャガチャやっている

お客が数名。次回行くときに長い棒を差し入れておこう。

 

おまけー3:昨年見た動画メッセージの中で柴田的に最も心を動かされたもの。

ユーミンの曲もパワーがあるが、メッセンジャーの5秒のパフォーマンスに心動かされます。

(特に2016年のPart2)

 

http://www.nhk.or.jp/tokyo2020/change/messages/

 

 

 

 

Vol.676 本当のチームワーク

あっという間に年の瀬。22日(金)はIndigoblueの忘年会でした。

OT(Organization theater)で活躍してくれている役者陣も含め60名超のメンバーが

参加。都合により参加できなかったメンバーを入れると仲間が100名近くなりました。

大きくなったものです。

 

さすがに芸達者揃い。ショータイムがえらく盛り上がりました。

(私の無理なリクエストによる)南京玉すだれ、アニメソングショー、エア空手、

英語落語、ドリフ的なコント等・・・、これ以外にも仲間にダンサー、全国ツアー

しているディズニーソングの米国人歌手もいますので、

来年はもっともっと盛り上がるでしょう。

 

Indigoblueのメンバーのほとんどが副業(どっちが正業かわかりませんが)を

持っています。つまり、複数の役割をいろいろな会社、組織で持っていることになります。

そうであっても(もちろんですが)Indigoblue案件では、それぞれの役割をきちんと

果たしてくれます。いわば目的志向のチームです。

 

案件ごとにメンバーも変わります。私はIndigoblueの創業者で現在は代表取締役会長

ですが、某財団の事務局長ですし、某企業の社外取締役ですし、アドバイザーですし、

これ以外にも柴田励司事務所の活動もあり・・・と、いろいろな顔があります。

 

こういう組織形態はまだ珍しいと思います。日本の組織の多くは関係性志向です。

誰が上司で誰が部下か。これを気にします。上下の関係性がはっきりしないと動けません。

動くにあたって「上」の指示を求めます。自分の考えはともかく「上」の指示に従う

というやつです。目的ではなく「上の指示を果たす」ために動きます。

 

そうでありながら、多くの組織では「上」に対する不平が多いものです。

“決めない”“方向性がぶれる”“。ときに「上」は言い訳にも使われます。

”上がこう言っているので・・・“”上がわかってないもんですから・・・“。

「上」なるものは組織運営上、実に都合のよい存在です。

 

目的志向の組織は違います。指示命令する「上」はいりません。「取りまとめ役」は

必要です。ファシリテーションはします。指示命令がないのは、その必要がないから

です。何をやるべきか、目的を理解したら個々がそれぞれに動きます。もちろん

情報の共有、進捗の確認は必要です。正しいとか正しくないとかとは別の次元で

チームとしての意思決定をしなければならないときには、そのチームのリーダー役が

それを決めます。

 

Indigoblueでは全員が会社に揃うことはまずありません。関係者全員が来てしまうと

席が圧倒的に足りません。Indigoblueのような仕事では会社は「価値を生む場」

ではありません。顧客のところ、創造する場、これが価値を生む場です。

管理担当や秘書にしてみると会社は価値を生む場ですが、こうした役割の方を除くと

“来ないでいい”。それが私のメッセージです。

 

目的志向のチームとなれば、時間管理は当然ながら個々の責任です。仕事の品質も

そう。もっというなら、その人が男性だろうと女性だろうと、外国人だろうと、

LGBTだろうが、発達障害系だろうが、関係ありません。目的が達成できればいいのです。

そのためのベストチームであればいいのです。

 

関係性志向のチームワークは和太鼓のようなものです。複数の太鼓を同時に叩いても、

“ドン!”という音に融合されます。一つの音に融合することを求め、それにみなが

合わせるものです。だから多様化が進みにくいのです。目的志向だとハーモニーです。

いろいろな音が奏でられます。ドミソがあり、ドファラがあります。

わたしはそれこそが本当の意味での「チームワーク」だと思います。

 

これが可能なのはメンバー一人ひとりが「価値創造者であり価値提供者」という

自覚と誇りがあるからです。こうした自覚と誇りを持てるだけのスキルをつけること、

経験を積ませること、そして、このための動機付け、これらが会社が目すべき育成の

姿だと思います。こうしたことに着手せずに「働き方改革」ならぬ「残業統制」を

しますと、管理職がバタバタ倒れます。

 

大企業では、そろそろ、4月に入社してくる新人教育の企画を仕上げる頃と思います。

本当の意味でのチームワークができる人財づくりをしましょう。最初が肝心。

 

 

本年最後のメルマガです。本年もご愛読ありがとうございました。

年明けは1月7日の予定です。 よいお年をお迎えください。

 

 

 

おまけ:冬本番、こういう景色を見てみたいですね。

https://www.jalan.net/news/article/207345/

 

 

 

Vol.675 スキルを仕事資産にする

 

月刊誌The 21一月号「40代でやっておくべき11のこと」のP19 から3ページにわたって

コメントしています。12月9日発売。まだコンビニ、書店で発売中と思います。

よろしければ、ぜひご覧ください。

 

おまけで動画も撮りました。

 

https://shuchi.php.co.jp/the21/detail/4561

 

この取材のときに言い忘れたことがあります。それは「仕事資産」のことです。

 

私は「講演」を生業にしておりませんが、年間40回くらい講演しています。

このため、仮にいきなり2時間講演してくれ、と言われたとしても大丈夫です。

特に準備は必要ありません。PCとプロジェクターがあればすぐにやれます。

また、私は「ファシリテーション」を生業にしているわけではありませんが、

いくつかの確認ポイントを押さえることができれば、どこででもファシリテーション

できます。ちょっとしたエッセイを書いてくれ、書評を書いてほしい、というリクエス

があったとしてもPCさえあれば、すぐに対応できます。

 

これらは「人前で話す」「議論をファシリテーションする」「文章を書く」というスキルが

「仕事資産」になっているからです。この資産を運用してアウトプットしているのです。

そのため、多くの場合、新たな投資(時間投入、努力)は最小限で済みます。

 

これらはいずれもポータブルスキルという、どの会社に所属しようが、どの仕事に

就こうが必役に立つスキルです。このスキルを一つでいいので自分の「仕事資産」に

すること。これが40代までにやっておくべきことです。(PHP編集部のみなさん、

言い忘れてごめんなさい。)そのスキルを駆使したアウトプットに価値があると

認められること。つまりは、社内外からオーダーがかかること。そうなると

スキルが資産化します。

 

ポータブルスキルは、このほかにも「相手の表情を読み、表情で語る」「情報を整理し、

構造化する」があります。(詳しくはThe 21 1月号をご覧ください)このうち、

「情報を整理し、構造化する」スキルはファシリテーションスキルの基礎となります。

ここはコンサルティング会社時代に相当修行しました。それが生きています。

 

「相手の表情を読み、表情で語る」。これはまだ資産にはなっていないという

自覚があります。数年前からこれらに長けている方々の様子を“パクリ”ながら、

自分なりの型を開発中です。

 

ポータブルスキルが資産化していないと、どうなるか。まず常に自分のアウトプットに

不安があります。また、アウトプットを出すために相当の労力と時には時間を要します。

これは疲れます。大企業などでポータブルスキルを鍛えることなく、部署を転々として、

その部署でしか使えない知識やスキルを駆使して仕事をしてきてしまうと、「仕事資産

」なしに50代を迎えることになってしまいます。そうなると悲劇。会社にしがみつく

晩年になってしまいます。

 

こればかりは自分で意識して取り組まないと鍛えることができません。ということで、

“やばい!”と思ったアラフォーの方々、来年をこれまでと違う1年にすべく準備を

始めましょう。ちなみに、この「仕事資産」、手入れしないとすぐに減損します。

ということで、私も鍛錬の繰り返しですが。

 

 

おまけー1:Amazonプライムで「初代ウルトラマン」が無料だったので見てみました。

小さい頃は科学特捜隊が役に立っていないと思っていましたが、いやいや、それなりの

破壊力をもった武器がありましたね。その武器で解決してくれればウルトラマン

怪獣と戦って街を破壊しないで済むのに。

 

おまけー2:先週半ばからひどい下痢になってしまい、絶食状態に。

(月曜の寿司が怪しい)そんなとき、自宅のトイレットペーパーがラスト1に。

明日にはアマゾンから18ロール届くとわかっていても、得も言われぬ不安あり。

こんなときに勝負師としての立ち位置がわかるものです。

(私は今日中に4ロール買う派です。)